2008年9月15日 (月)

(か) 街灯 STREET LIGHT

Street_light_orange_2 ☆オレンジ色に染まる夜の街
 イギリスの夜の町並みは、昼の町並みとまた違って風情がある。それは町全体を優しく包み込む穏やかなオレンジ色の光のためかもしれない。
 その光は、街灯の明かり。電球色の家の明かりに増して、イギリスの街頭の明かりは暗くオレンジ色なのだ。

 最初この国にやってきたときは、薄暗いこの明かりに寂しさを覚え、日本の白く照らされた夜を恋しく思ったものだ。こんなに暗いと犯罪も起こりやすいのではないかと思ったぐらい。
 イギリスでも地域によってはかなり危険なようだが、幸い、わが町は夜間でも安全で、女性が一人で外出しているのを見ることも多い。

 それにしても、どうしてイギリスの街頭はオレンジ色なのか。
 

Street_light_fog ☆霧でもくっきり?
 それはおそらく霧(きり)のためだろう。「霧のロ○ドン」なんて菓子があったように、イギリスでは、時々だが霧になる。霧がかかると、あたり一面が白いベールで覆われたかのように、数メートル先の像がぼやけて、数十メートル先の視界がなくなってしまったりする。

 日本の高速道路のトンネルでも、オレンジ色の照明が使われている。それは、排ガスやホコリなどで視界が悪くなる状況でも光が通りやすいため、遠くまででもよく見えるからだそうだ。
 
 イギリスの街灯も同じで、霧の粒に散乱することなく光が届き、視界が保たれやすいのだろう。
 また、青い目や茶色い目のため光を眩しく感じやすいイギリス人にとっても優しい光なのかもしれない。

 虫を寄せやすい青紫の光や紫外線を含んでいないので、街灯の周りに虫をあまり見かけないのもうれしい。まぁ、イギリスはもともと気温が低く、夏でも日本ほど虫がいないが。
 

☆経済的な低圧ナトリウムランプ
 霧でも見やすいことも、イギリス人の目にも優しいことも、虫を寄せ付けないこともわかった。でも、電気代が嵩んで、地方税(カウンシル税)を跳ね上げているのではないか。そう思わせるような、効率が悪そうなオレンジ色の光。

Street_light_sodium_lamp  電球かハロゲンランプか何かかと思っていたが、ナトリウムランプというものだそうだ。ナトリウムランプには、高圧ナトリウムランプと低圧ナトリウムランプがあるが、街灯に使われているのは、エネルギー効率がよい低圧ナトリウムランプ。

 今まで日本でも街灯に使われてきた水銀灯や一般的な蛍光灯、そして、最近では街のイルミネーションでしばしば見かけるLEDランプと比較しても、低圧ナトリウムランプのほうがずっとエネルギーの効率がよいそうだ。

 例えばうちの自治体では、この低圧ナトリウムランプを使用することによって街灯一台あたりの電気代が年間12ポンド(約2500円)以内に抑えられているのだとか。
 また、寿命は12000~18000時間。仮に一日あたり12時間点いていたとしても、3年弱~4年ほどもつ。LEDランプにははるかに及ばないが、蛍光灯や水銀灯とよい勝負のように思う。

 効率がよくて長持ちならわが家にもと思ったが、イギリスにおいても一般家庭には普及していない。それは光の色の問題だけでなく、日常使うのには向いていない大きな欠点があるからだろう。点灯するのに10分程かかり、再点灯するためには一度時間をおいて冷まさないといけないのだ。もちろん街灯としては何も問題ないのだが。
 
 

☆街灯の歴史---ガス灯から電気灯へ
Street_light_day_and_night  イギリスの街に最初に街灯が灯ったのは、今から200年も前のこと。1807年(文化4年)の1月28日、ロンドンのクラブ街のペルメル街(Pall Mall)でだそうだ。もちろん、今のような電気の街灯ではなく、ガス灯だった。

 電気の街灯が導入されたのは、それから約70年ほど後のこと。イギリスのデービー卿(Sir Humphry Davy)が開発した電気を使ったアーク灯を、ロシアのヤブロチコフ氏(Pavel Yablochkov)が改良し、パリ、そしてロンドンに街灯として広まったのだとか。1881年(明治14年)には4千本を超える街灯が街を照らしていたのだとか。

Street_light_dusk  ちなみに、日本では1872年(明治5年)に最初のガス灯が導入され、その10年後の1882年(明治15年)に電気の街灯が銀座に導入されたのだそうだ。

 日本では電柱(電信柱)に街灯が付いていることがあるが、イギリスでは街灯は単独で立っていることが多い。電柱は木だが、街灯は金属製のポール。木では重量に耐えきれないのだろうか。
 

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<追記> 
 夏休み中に訪れてくださった皆様、更新が滞り、大変ご迷惑をおかけしました。 
 本業がかなり忙しくなってきましたので、今後も1か月に1回程度の更新とさせていただきたいと思っています。更新頻度は下がりますが、今後ともよろしくお願い致します。(詳細は後日「お知らせ」でお伝えする予定です。)

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2008年5月 5日 (月)

(と) トイレ -後編- TOILET -part2-

☆6畳のトイレ?
 前編では、イギリスの公衆トイレは比較的落ち着けるものだとご紹介したが、一般家庭のは案外そうでもない。それはあまりに広いからだ。

 イギリスのトイレの多くはバスルーム内に設置されている。4畳半から広いものになると6畳ほどの部屋の中に、バスタブと洗面台とトイレの便器がポツンとあるのだ。両側の壁を余裕で触れる程の小さい個室に慣れている日本人としては、落ち着かないことこの上ない。

 もちろん、家によってはバスルーム内のトイレとは別に、トイレだけの部屋もある。この場合も日本のトイレよりやや広いような。
 

☆トイレの衛生感覚
 また、日本との習慣の違いも落ち着かない原因かもしれない。日本ではトイレ専用のスリッパに履き替えるのが通常だが、イギリスではトイレ用のスリッパは殆ど存在しない。そのまま入るのだ。家の中がもともと土足なので気にならないのだろう。
 もちろん、便器の足元に敷くトイレマットはイギリスにも普及している。しかし、トイレに入ったその靴でソファーの上に寝転ぶのだから、やはり日本人の感覚からすると、たまったものではない。Toilet_wooden

 日本ではトイレマットと蓋のカバー、便座カバーはしばしばセットになっているが、イギリスでは蓋のカバーや便座カバーは普及していない。代わりに、木製風やカラフルなものなど、様々なデザインの蓋や便座が案外普及しているように思う。

←多様な蓋と便座のセット
  (amazon uk)

さすがに、ユニオンジャックは
実際には見かけませんが。

 また、イギリスでは、トイレットペーパーホルダーに蓋がついていないのが通常だ。そもそもホルダーがなく、トイレタンクの上やその辺の棚に無造作に置かれている場合もある。ごくたまにだが、床に直に置かれている場合も。

 ちなみに、以前、友人宅のパーティーでトイレを借りると、洗面台がビールやらジュースやら飲み物を冷やす目的で使われていた。手を洗ってよいのかどうか迷ったものだ。トイレは不浄な所という感覚がこちらの人には薄いのかもしれない。

 ちなみに、久々に日本に帰国して、家庭でも公衆トイレでもウォッシュレットの普及率に目を丸くしてしまったが、イギリスでは相変わらず全く見かけていない。
 

☆便座の形、UかOか
Toilet_seat  イギリスで、公衆トイレにしても家庭用にしても、あちこちのトイレを借りるようになって、あることに気が付いた。便座がどれもO型なのだ。

 ご存知のように便座の形には、手前が繋がっていない馬蹄形型のU型タイプと、繋がったO型タイプがある。日本では公衆トイレはたいていU型。家庭用はU型のところもあればO型のところもある。アメリカでは、公衆トイレはU型で、家庭用はO型が多いようだ。

 調べてみたところ、最初に出来たのはO型だそうだが、座ったときに男性の器官が手前の部分に付いて不衛生なことが多いため、U型というものが出来たそうだ。アメリカや日本の公衆トイレがU型なのはちゃんと理由があったというわけだ。

 しかし、イギリスでは家庭用でも公衆トイレでもO型。なかなか興味深い。
 

☆流す際の注意
 公衆のものも含めて、イギリスのトイレで気を付けたいのが、使用後に水を流す時だ。

・二度流し厳禁
 日本では、衛生観念や羞恥心のため、先に使用直前に流す人も多くいるように思う。そのため、「音姫」という水の流れる音だけが出る機械も多くある。残念ながら、イギリスではそのような機械は全くといってよいほど普及していない。一度、その話を知人にしたところ、大変興味深そうにしていたぐらいだ。
 しかし、だからといって、二度流しをするのは止めたほうがよいように思う。節水のためというよりはむしろ自分自身のためとして。本番で水がなかなか出てこない可能性があるからだ。
 特に、パブや一般家庭でまれに見かける、上にタンクがあり紐を引っ張るタイプ。このタンクは小さく、中には次に流すまで10分近く待たないといけないことすらある。

・水の跳ね返りにご注意
 二度流しをしないほうがよい理由がもう一つある。流した水が跳ね返って外に飛び散ることがあるからだ。便座に腰かけた状態で流すなんて以ての外。蓋を閉めて流したほうが無難だろう。アメリカのトイレもしばしばそうだったが、水の勢いが良すぎるのか、構造上の問題か、その原因はよくわからない。Toilet_string

・突然トイレが真っ暗に
 また、一般家庭でのトイレで気を付けたいのがトイレの紐。便座脇にある紐を引っ張ると、パニックになってしまうことだろう。
 イギリスの家庭のバストイレの電気のスイッチの多くは紐になっているからだ。
 

☆トイレット、レストルーム、ラヴァトリー、ルー、ボグ・・・どれを使う?
 ちにみに、トイレの英語だが、アメリカ英語ではレスト・ルーム(restroom)だが、イギリスではトイレット (toilet)。公衆トイレもこのように表示されている。

 その他、イギリスでは、ルー(loo)、ラヴァトリー(lavatory)、ボグ(bog)なんて口語表現もよく使われる。日本でも、化粧室、お手洗い、トイレ、便所などの表現があり、それぞれ内容は同じでも響きが異なるように、イギリスのこれらの言葉も階級によって使い分けられている。

 一般に上流階級の人はルー(loo)を、中流階級の人はラヴァトリー(lavatory)を、下流階級の人はトイレット(toilet)をそれぞれ使うようだ。
 また、人によっては、ルー(loo)は女言葉で、ラヴァトリー(lavatory)は男言葉だと言う人もいるが、男性でもルーと言っているのをよく耳にする。また、アメリカ英語では、ラヴァトリー(lavatory)は「トイレ」ではなく、「バスルームの洗面台(シンク)」のことを意味するそうだ。
 ボグ(bog)というのは、かなり汚い言葉のようだ。

 私自身は人の家のトイレを借りる際に、よく「バスルーム(bathroom)」という言葉を使っていた。しかし、これはイギリスではトイレというより、そのままの意味、つまりトイレと風呂がセットになった部屋をさすことのほうが多いようだ。
 「レストルーム(restroom)」という言葉同様に一応意味は通じるようだが、家によってはバスルーム(風呂+トイレ)とは別にトイレだけがある場合があるので、上記のトイレットやルー、ラヴァトリーを使うほうが自然なのかもしれない。
 

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2008年4月28日 (月)

(と) トイレ -前編- TOILET -part1-

 この前編では、イギリスの公衆トイレについて、後編では家庭用も含めてトイレ全般について、ご紹介したい。
 

☆トイレの中に改札?
 最近では随分、自動改札が設置されるようになってきたが、イギリスの列車の駅は改札がないところが多い。コンコースとプラットホームの境には駅員も立っておらず、自動改札機もない。そもそも境すら存在しない駅もある。だから、うっかりとそのままキセル(不正乗車)をしてしまう外国人も多い。

Toilet_turnstile  そんな駅の一つでのこと。公衆トイレに行くと、そこには改札機が立ちはだかっていた。日本の遊園地の入り口によく設置されているような、斜め横に渡した3本のバーを回転させて入るタイプの改札機だ。
 どうやら使用料の20ペンス(約40円)が必要らしい。釣りは出てこないので、10ペンス硬貨2枚または、20ペンス硬貨1枚。ご丁寧に近くには両替機まである。
 生憎、全く小銭の持ち合わせがなかった私は、ちょうど居合わせた清掃員に相談し、こっそり通してもらい、事なきを得た。
 

☆タダでは用を足せない?
 駅によってはタダのところもあるし、カフェやパブなどではもちろん無料で使えるが、イギリスでは小銭がないと用を足すことすらままならなかったりする。

 デパートなどでも、良心に訴えるかのように、チップ用のかごが置いてあったりする。
 かごの中には、囮とも思われる2ポンド硬貨(約400円)や5ポンド札(約1000円)が入っていたり。渡英間もない頃の気の小さい私は、オドオドして1ポンド(約200円)の高いトイレ料金を払ったこともある。Toilet_public

 大きな広場(公園)や立体駐車場などに付いているトイレも有料であることが多い。この場合は、通りに面して個室の入り口と硬貨投入口があり、お金を入れると個室のドアが開いて使用できるというものだ。
 

☆落ち着くトイレ?
 アメリカなどの公衆トイレでは、犯罪防止のため扉の下が大きくあいており、足が丸見えのものがある。個室というイメージになれた日本人にとっては、なかなか気が休まらないものだ。

 その点、イギリスの公衆トイレは、日本と同様、いや日本以上に落ち着けるような気がする。まず、扉は大抵、日本と同様に足元まである。また、トイレに並ぶときも、複数個室があっても、大抵一列に並んでいる。扉の前に立たれて、ドンドンと叩かれてせかされることも殆どない。Toilet_urinal
 
 しかし、中には落ち着かないトイレも幾つかある。
 まずは、男性用の屋外トイレだ。我が田舎町には点在していないのだが、ロンドンの街中で見かけてびっくりしたことがある。

 また、屋外にある有料のものの殆どは、浮浪者の寝泊まり防止のためか、使用時間が定められている。時間がくれば扉が開いてしまうので要注意だ。

Toilet_charged  もう一つ、挙げられるのがユニセックストイレ。男女兼用のトイレだ。小さいパブなどのトイレだけでなく、公衆トイレや職場のトイレまで、複数の個室があっても、案外見かけるように思う。冒頭で、改札機のあるトイレの写真をご紹介したが、実はあれもユニセックストイレ。白髪の男性の前は金髪の若い女性が改札を通っていた。
 

☆トイレの紙
 公衆トイレといえば紙。日本でも昔は入る際、紙の有無を確認したものだ。日本に比べると不便なことが多く、ティッシュペーパーなどの使い捨ての紙もかなり割高のイギリス。トイレの紙もあまり設置されていないのかと思いきや、どのトイレにも必ずトイレットペーパーが置かれている。

 他のヨーロッパ諸国に行ったときに、公衆トイレに灰色のわら半紙のようなトイレットペーパーが設置されていて、びっくりしたことがあるが、イギリスのものは普通の白いものが通常だ。大きなロールになっているものもあれば、ティッシュペーパーのように少しずつ出てくるタイプもある。Toilet_paper

  トイレットペーパーの設置率はほぼ100%なものの、使い捨ての便座カバーや手洗い後に使う紙が設置されている確率はかなり低い。
 特に前者、使い捨ての紙の便座カバーは見たことがないように思う。屋外の簡易のトイレにすら、便座シートが用意されていたアメリカとは対照的な感じがする。
 ただ、トイレットペーパーに吹き掛けて使う便座除菌剤が設置されている場合はある。

 ちなみに、トイレの便器の形には洋式と和式があるが、イギリスのトイレはもちろんすべて洋式。和式は見たことがない。

Toilet_hand_dryer  そして、後者の手洗い後に使う紙だが、その代わりにハンドドライヤーというのか温風式の手を乾燥させる機械や、回転させてつかう布タオルが設置されているのが通常だ。使い捨ての紙が設置されていても、周りを見渡せば、必ずハンドドライヤーや布タオルがあったりする。

 最近では日本でもこれらの環境に優しい機械が設置されているところが増えて来ているように思うが、イギリスの普及率には及ばないように思う。
 

 使用料を取られる場合があるが、案外使いやすいイギリスの公衆トイレ。しかし、場所によっては使われ方が荒く、汚れているものもある。
Toilet_underground  どこまでも使い心地を追求したい方は、地方別にイギリスの優良トイレを紹介しているサイトもあるので、そちらをご覧いただきたい。
 そのサイトはこちらのThe Good Loo Guide(英語)。

 後編は、さらに日本とは異なるイギリスのトイレ事情やうんちくを家庭のトイレを中心にご紹介したい。お楽しみに。
 

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2007年4月16日 (月)

(ひ) 表札 HOUSE NAME PLATE

☆迷ってしまう理由
 パーティーや食事などで、人のに招かれることが時々ある。
 招待の紙に地図を載せている人もいるし、イギリスの家の住所は日本のような区画名(町名)ではなく、通りの名前で決められているので、郵便番号と通りの名前さえ分かれば、市販の地図やインターネット上の地図を使って簡単に大体の位置を割り出すことができる。
 それにもかかわらず、どの人も招待先の家付近、ほんの数十メートル半径の範囲で右往左往するはめになる。
 イギリスの家には表札が「ない」からだ。
 

☆住人の名が載っていない
 日本の家の場合、番地札とともに、その家の主の名前が記された表札が家の門や扉の目立つ位置に掲げられている。例えば、「田中」とか「田中太郎」といったように。家族全員の名前まで載っている家も少なくない。ペットの名前まで書かれているものもある。だから、自己紹介されていなくても、その家の住人の名前を簡単に知ることができる。

 それに対して、イギリスにはそういった表札がない。まず、住んでいる人の名前を家の表に記す習慣がない。家の表に掲げられているのは、屋号(部屋番号)だけ。通りの名前すら載っていない。
 郵便物は、人の名前ではなくて、家の住所(部屋番号)宛てに届けられる。だから、住所はあっているのだが、受取人の名前が違う郵便物が投函されていることもしばしば。

 他の欧米諸国でも屋号(部屋番号)のみ掲げるのが通常である。「23」や「108」といった感じだ。日本語の「表札」という言葉を和英辞書で引くと、”nameplate(ネームプレート)”と書かれているが、”numberplate(ナンバープレート)”という表現のほうが、欧米の人にとって分かりやすくていいのかもしれない。ナンバープレートと混同しやすい場合は、”doorplate(ドアプレート)”のほうがいいのかもしれないが。

 
☆表札が見つからない理由は?
 しかし、他の欧米諸国の人ですら、イギリスには表札がないと言う。
  正確に言うと、イギリスの家にも、ちゃんと表札(屋号札・部屋番号札)が付いているのだが、とても分かりにくいのだ。

House_name_plate_where  日本と違い、こちらの表札は家の門についていることはまれで、大抵、家のドア付近に付いている。そして、イギリスの場合は、故意にやっているといわんばかりに、見えにくい場所に設置されていたり、垣根や庭木に隠されていたりすることが多々あるのだ。
 おまけに、隣り合った家でも番号が連番になっておらず、道の反対側の離れたところに続き番号の家があったりする。

 だから、初めてその家を訪れる客は、表札を確認するために、一軒一軒、扉の近くまで寄って、まるで不審者のように覗き込まなくてはならない。小心者の私は、閑静な住宅街などでは、「怪しい東洋人がうろついている。」なんて通報されやしないかと、冷や冷やしてしまう。

 それにしても、どうしてわざわざ分かりにくくするのか。それは、イギリス人の家に対する考え方に表れているような気がする。”An Englishman's house is his  castle.「イギリス人*の家は城である。」”という諺があるように、イギリス人はとても家庭や私生活(プライベート)を重視する。見知らぬ人には、名前はおろか、屋号だって教えたくないのかもしれない。(注)正確には”Englishman”は、「イギリス人」全体を指す言葉ではなく、「イングランド人」を指す言葉です。詳しくは、本ブログの「(い)イギリス -国名-」の記事をご覧ください。

 
☆人の名ではなく、家の名?
House_name_plate_house_name 家はその人にとっての城だから、とても大切にされる。家自身に名前がついているものも多々あり、”○○ cottage”や”XX house”という名の表札をたまに見かける。こちらでは、ネームプレートは「住んでいる人の名前」ではなく、「家(建物)の名前」を表す言葉なのだろう。
 この点、家を知られたくないのか、知ってほしいのか、イギリス人の感覚はとても難しい。
 

☆家が見つからないときの解決法?
 さて、知人宅のパーティーに初めて呼ばれた時に、その家を簡単に見つけるにはどうしたらいいのか?

 パーティーをしてそうな雰囲気の家を探すのも一つの手だが、案外これはうまくいかない。イギリスの家は縦に長く、大抵のパーティーは家の奥か裏庭で開かれている。また、ろうそくの明かりでパーティーをおこなっていることもよくある。通りからは寝静まったように見えるその奥でパーティーが開かれている場合が多いからである。

 毎回迷った挙句、うちが体得(?)した方法は、1時間近く遅れて到着し、自分達と同じように周りをうろうろしている人達を見つけ、その人達の後について行くか、やたら家の前に自転車や車が停まっている家を見つけるかというもの。呼び鈴を押す直前にさりげに屋号を確認すれば万全である。多分。
 

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2006年12月14日 (木)

(て) 電柱 TELEGRAPH POLE

 ちょっと、数十分散歩するはずだったのが、帰ってきたら、1時間も2時間も経っていて、びっくりすることがある。知らない間にいつの間にか時間が過ぎている。「えっ、もうこんな時間?!」 まるで、遊びに夢中になっている間に、いつの間にか日が暮れて夕食の時間になってしまった子供のような感覚だ。
 

Telegraph_pole ☆余所見をしてもぶつからない?
 私が夢中になってしまっているのは、イギリスの町並みだが、それを増長させているのが、この国の道路整備だ。きれいな景色や珍しい風景に心を奪われて、ふらふら余所見をしながら歩いていても、自転車、人や電柱にぶつかることがない。狭い道でもハンプや道幅制限などがあるので、車の通行も少ないし、大抵どの道路も広い歩行者道が両脇にある。そして、日本に比べて電柱の数が圧倒的に少ないのだ。

 残念ながら、イギリスの電柱の数が何本あるか、日本に比べてどれだけ少ないかということを正確な数値でお伝えできないのだが、見た限り、明らかに少ない。日本では20~50mに1本はあるように思うが、イギリスでは住宅街でも 100~200mに1本という感じではないだろうか。
 

Telegraph_pole_radial ☆イギリスの電柱が少ない理由は?
 イギリスの電柱が少ないのは、電線の配線方式が日本とは違うからだ。上を見上げると、一目瞭然だ。日本では一列に並んだ電柱間を電線が橋渡しし、さらに各電柱から各家庭に電線が渡っている。しかし、イギリスでは、1本の電柱から放射状に各家庭に電線がのびているのが普通だ。手前側の家々にのびる線と、道路をはさんで向こう側の家々にのびる線たち。1本の電柱がかなりの範囲のをカバーしているのだ。

Telegraph_pole_wire それだけではない。よく見てみると、電柱間の電線がないものが多いことに気付く。電線とはいえ、距離が延びればかなりの重さになるので、普通はそうそう電柱間の距離を広げることはできないだろうが、イギリスの電柱の場合は電柱間の電線がないので、そういった心配がないようだ。家に供給できてさえいれば、電柱同士がどれだけ離れても大丈夫というわけである。

 
☆電線の地中化
Telegraph_pole_underground_1  電柱間を電線が渡っていない。じゃあ、電柱から各家庭にのびている電線は一体どこから来ているのだろうか?
 それは、地下からだ。黒い太い線が電柱の先から根元まで沿っている。地下を通っている電線がそれぞれの電柱に沿って頭上までのび、各家庭に配電されているのである。
 イギリスでは、このように電気や通信の配線の地下化(地中化)が広く実施されている。だから、頭上もすっきり。アメリカなどを訪れた多くのイギリス人は、頭の上を走るおびただしい数の電線にびっくりするそうである。

 では、いっそのこと、電柱から各家庭への電線も地中化して電柱をなくしてしまえばいいじゃないかと思われるかもしれないが、却って不便になるようだ。それは、もちろん、マーキングする犬達や、電柱鬼をする子供達にとってではなく、メンテナンスをする人や自治体、しいては、通行し、税金(地方税)を払う私達にとって不便になるのである。

 電柱には変圧器や分岐盤などの地上機器が取り付けられている。電柱を取り払ってしまっても、この地上機器を地下に入れるわけにはいかず、電柱以上の幅をとってしまうそうだ。すべてを地下に入れたとしても、管理費がかかり、配線を増設しにくいというデメリットも生じてくる。
 

☆一本の木のような電柱
Telegraph_pole_tree  イギリスの電柱のよさは、数が少なく、配線が少ないだけではない。もう一つ、いや二つ、景観を損なわない理由を挙げたいと思う。まず、木製であること。そして、何も貼り付けられていないことだ。

 イギリスの電柱はその殆どが未だに木製だ。日本も昔は木製の電柱が多くあったように思う。それが、多くは老朽化による安全上の理由だろうが、どんどんコンクリートの電柱に置き換えられていった。一見、古くなった木の電柱よりも、まっさらのコンクリートの電柱のほうが美しいように思うかもしれない。私も日本にいるときは、古い木の電柱を見かけると、「寂れてるなぁ。新しいのに替えればいいのに。」と思っていた。しかし、こちらに来て考えが変わってしまった。

 木製ということで配慮されているのか、こちらの電柱には反射板や張り紙、看板などが一切取り付けられていない。街灯に張り紙がされているのを見かけても、電柱では見たことがないように思う。犬もしつけられているのか殆どマーキングしていないようだ。
 だから、イギリスの古い木製の電柱は、周りにある葉の生い茂った木や古い町並みによく馴染んでいる。まるで高くそびえた1本の木のよう。
 

 たかが電柱、されど電柱。イギリス人の古いもの美しいものを大事にする精神がここにも表れているような気がして、ついついうれしくなって、他にもないかと探してしまう。こんなことだから、帰りが遅くなってしまうのかもしれない。
 

☆ちなみに、電柱の英語は?
 ちなみに、電柱を和英辞典で引くと、”telegraph pole(テレグラフ・ポール)”となっているが、これはイギリス英語だそうだ。テレグラフ(telegraph)とは「電信」という意味だから、直訳すると「電信柱」になる。
 電信柱というと、電力を供給しない、通信配線を供給するだけのものを差すこともあるようだが、イギリスでは、”telegraph pole(テレグラフ・ポール)”は、電力も通信も供給する共用柱をさすようである。アメリカ英語の”utility pole(ユーティリティ・ポール、多目的柱)”にあたる。

 ”telephone pole(テレフォン・ポール)”や”phone pole(フォン・ポール)” という言葉も同様に使われることがあるが、これらはどちらかというと、電信柱の意味合いが高いようだ。
 また、共用柱といっても、日本のように、信号や標識、街灯を兼用しているものは今まで見たことがない。木製だから耐重量の問題で無理なのだろうか。
 

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2006年11月13日 (月)

(か) 買い物カート TROLLEY

☆カゴよりカート
Trolley_1  スーパーで重いものやたくさんのものを購入するときに便利なのが買い物カートだが、イギリスでは、都会のど真ん中のスーパーを除いて、スーパーではカゴを使う人よりも、カートを使う人のほうが断然多いようだ。レジも、カートが使いやすいベルトコンベアー式が主流である。

 土日ともなると、カートいっぱいに商品を詰め込んだ買い物客でごったがえす。貯蓄をしない文化だからかもしれないが、現在のこの国の経済力を反映しているような気がする。

 数が必要なだけあって、買い物カートは大抵店外に置かれている。一応、屋根はあるが、基本的に吹きさらしである。汚れているもの、ゴミくずの入ったものも多々あるが、皆、普通に食料品を入れている。
 

☆ニーズに合った様々なカート
Trolley_child カートの種類は様々だ。
 大抵は、日本のようにカゴを取り付けるタイプではなく、量販店のカートのような形なので、かなり大きい。
 殆どはデポジットなしのものだが、盗難が多いのか、デポジット式の1ポンド硬貨を入れて使うタイプも時折見かける。

 そのほか、日本との大きな違いは、まず、幼児(子供)用のイスが付いているものが多いこと。そして、車椅子の人用のものや、ベビーバスケットを置けるようになっているものなども多く常設されており、その人のニーズにあったものが選びやすいということだと思う。Trolley_disabled_1

 幼児用イス付きのものが多いのには、訳がある。イギリスでは、子供だけで留守番させてはいけないのだ。法律で定められているわけではないが、場合によっては、子供を危険にさらしているということで、警察に通報されてしまうこともある。
 カートを取り付けた車椅子を押しながら、お年寄り夫婦が仲良く買い物しているのもよく見かける風景だ。
 

☆カートは車にも影響する?
Trolley_car_park  また、カートでの買い物が多いせいか、駐車場では、のトランクやハッチバックを路上に向けるように、頭から駐車する車が大半のようだ。日本のようにバック駐車している車をあまりみかけない。
 

 ちなみに、アメリカでは"(shopping) cart" ((ショッピング)カート)だが、こちら、イギリスでは、trolley (トローリー)と呼ばれている。
 

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2006年9月21日 (木)

(い) 家 ACCOMMODATION

☆ハウスかフラットか?
 万国共通なのかもしれないが、人と知り合って、家の話になり、「(住んでいるのは)一軒屋?、それとも集合住宅?」と尋ねあうことがある。
 つい、「マンション(mansion)」と答えてしまって、外国人にびっくりされるというのはよくある話である。
 こちらイギリスでも、”mansion(マンション)”は「大邸宅」という意味。日本のマンションは、英語では、”apartment (アパートメント)”である。しかし、アパートメントという言葉は、あまりこちらでは使わない。

 日本では、一戸建てかマンションかという分類になると思うが、こちらでは、ハウス(house)かフラット(flat)かということになる。たまに、バンガロー(bungalow)というのもある。
 

☆つながった一戸建て? ハウス
House_semidetached  日本の一戸建てに相当するのは、ハウスである。ディタッチト・ハウス(detached house)ともいう。”detached(ディタッチト)”とは、「分離した、つながっていない」という意味。

 しかし、本当の一戸建て、ディタッチト・ハウスもあるが、多くは、二軒がつながった二戸建住宅(semi-detached house、セミ・ディタッチト)か、何軒もがつながった長屋建住宅(terraced house テラスハウス、または、rowhouse)である。

 セミ・ディタッチト(semi-detached、セミディタッチ)は、大体、二戸が左右対称になっていて、概観の煙突を共有していることが多いので、一見、本当の一戸建てであるディタッチトのように見える。

House_terraced_1  テラスハウス(terraced house)は、何軒もの家がつながっているものの、日本の長屋とはだいぶん感覚が違う。むしろ、水平ではなく垂直に区切られた庭付きマンションのようなものである。
 また、テラスハウスの中には、半地下というのだろうか、道路に面した玄関の階の下に、庭に面した階がある家がある。
 海外の観光客にとっては、このような半地下タイプの家は珍しいのか、住んでいる知人によると、気の毒にも、時々観光客が柵を越えて、家の地下部分を覗き込んで写真を撮っていくのだとか。

 イギリス国立統計局の報告(1998~2001年)によると、テラスハウスやセミディタッチトも含め、ハウスに住んでいる人は、全体の約80%だそうだ。
 

☆「マンション」、「アパート(メント)」ではなく、「フラット」
House_flat_1  日本のマンションに相当するものは、フラット(flat)である。これも厳密にいうとだいぶ違って、日本のマンションのように共通の表玄関をもつものから、一軒家を水平に分割して、出入り口と庭を別々に設けたものまで、様々である。
 高さも日本のように高くない。低いものでは、2階建て、高いものでもせいぜい5階建てぐらいではないだろうか。ロンドンの街中に行けば当然もっと高いものもあるが。
 

☆日常の住まいのバンガロー
 日本でバンガローと言えば、キャンプなどで宿泊する小屋のことだが、こちらのバンガローとは、日本の長屋のような平屋住宅のことである。
 

☆家は古いほど価値がある
House_plate イギリスの町並みはとても美しい。古い家ばかりで、好き勝手にドアに派手な色を塗っている家もあるのにもかかわらずである。きれいに見える理由は、緑が多いこともさながら、建物の高さや形が大体揃っていることにあるようだ。家のバリエーションはあるものの、通りで統一されていることが多い。狭い通りには同じようなテラスハウスが多いので、時々、道に迷ってしまうことがある。
 
 町並みが揃っているのは、新築の家を建てることが制限されているからである。建物の概観を変えるような改築をする場合は、行政の許可を取らなくてはならないのだ。外壁はレンガが多く、そのため、レンガ職人(bricklayer)という職業が普及している。古くなったら建て直すのではなく、部分的に修復していくのである。

House_thatched だから、築20年、30年は新しいうちで、100年、200年という家も数多くある。家の建て替え年数(耐久年数)は、日本では大体30年ほどだが、イギリスでは約75年と言われている。
 私の住んでいる街でも、1870年(明治3年)なんて、建築年号のプレートのついたビクトリア朝時代の家はざらで、わらぶきの屋根の家(thatched house)すらある。

 そして、興味深いことに、イギリスでは、日本のように年数が経つとともに家の価値が落ちるということはない。たいてい買った値段で売ることができるのである。むしろ、古ければ古いほど価値があると考える人も多い。
 

☆部屋の広さの表し方
 部屋の広さを表すときに、日本では、3LDKや1Kなどといった表し方をするが、こちらでは、ハウスでもフラットでも、3ベッドルーム(bedroom)、1ベッドルームといった言い方をする。寝室として使わなくてもベッドルームである。全体的な広さは、平均して、日本よりちょっと広いぐらいではないだろうか。アメリカやカナダから来た人は、その狭さにかなりがっかりしていた。
 

☆「イギリス人にとって家は城である」
 イギリス人にとっては、狭くとも家はとても重要で、「イギリス人にとって家は城である(An Englishman's home is his castle)」という諺があるぐらいである。皆、プライベートな家での時間を尊重している。

 連合いの職場はフレックスタイム制(自由勤務時間制)で、イギリス人のボスなどは大変朝が遅いのだが、実は、朝早くに起きて、家で用事をしてから来ているらしい。家や庭の手入れをしてから出勤する人も多いとか。
 家を大事にするだけあって、持ち家率も比較的高く、日本は60%ほどだが、イギリスでは約70%である。
 

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2006年8月28日 (月)

(こ) 硬水 HARD WATER

☆イギリスではおいしい日本茶が飲めない?!
Hard_water_tea  イギリスにやって来て、日本茶がおいしく入れれないことに気が付いた。いつも日本で飲んでいたものなのに、表面に膜がはり、色も違う。味も香りも味気なく、のどごしも悪い。全く別のもののよう。

 これは、水の硬度のせいだった。日本の水は軟水なのに対して、イギリスの水は硬水だ。軟水と硬水の違いは、水に含まれるミネラルの含有量の違いである。この場合のミネラルとは、カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)。

 硬水に含まれる大量のカルシウムが、日本茶の中にわずかに含まれるシュウ酸と反応して、不溶性のシュウ酸カルシウムになり、日本茶の味を損ねていたのだ。
 軟水に替えたところ、見違えるようにおいしくなった。日本で飲んでいたのと同じ味わい。
 

☆硬水か軟水か見分けるには?
 英語でも、硬水はハード・ウォーター(hard water)、軟水はソフト・ウォーター(soft water)と呼ばれる。イギリスにはいろいろなミネラルウォーター(ペットボトルの水)が売られているが、硬水か軟水かが表示されているわけではない。

Hard_water_indication では、どうやって、素人の私が硬水か軟水かを見分けることができたのか。それは、表示されているカルシウムとマグネシウムの量から、水の硬度を計算することによってである。

 国によって多少計算が違うけれど、1リットルあたりのカルシウムのmg数に2.5を掛けたものと、同じく1リットルあたりのマグネシウムのmg数に4を掛けたものの合計が硬度として算出される。
 式で表すと、硬度(mg/l) = [Ca(mg/l)] X 2.5 + [Mg(mg/l)] X 4 
 世界保健機構(WHO)によれば、硬度が0以上60未満を軟水、60以上120未満を中程度の軟水、120以上180未満を硬水、180以上を非常な硬水とされている。
 

☆日本は軟水、イギリスは硬水
Hard_water_distribution_1  日本の殆どの地域は硬度が50未満の軟水である。それに対して、イギリス、特にイングランドの多くの地域の水は硬度180以上のの硬水。フランスなどのヨーロッパの多くの国も硬水が多い。市販のミネラルウォーターも同様だ。

 もちろん、例外もある。例えば、日本でもお馴染み、フランス産のボルヴィック(volvic)は硬度49の軟水。イギリスでも、スコッチウィスキーが名産のスコットランドの水も軟水だし、探せば簡単に、イギリス産の軟水のミネラルウォーターを見つけることができる。
イングランドとウェールズの水の正確な硬度分布に関しては、こちらのイギリスの飲料水検査団(?)のDWIのサイトをご覧ください。
 

☆硬水のデメリット
 硬水のデメリットは、まず、冒頭の例のように、日本茶をいれるのには向いていないほか、を炊いたり、カツオや昆布の出汁(だし)をとるのにも適していないこと。知り合いで、イギリスで食べるご飯はおいしくないと言っていた人がいたが、軟水に替えたところ、同じ米がおいしくふっくらと炊き上がったそうだ。豆などを軟らかく炊きたいときにも向いていない。また、ハーブティーも、好みが分かれるかもしれないが、硬水より軟水で入れたほうが、色鮮やかに香り濃く入れることができる。

 そして、硬水の何よりも厄介な点は、洗剤や石鹸などの泡立ちが悪いことである。汚れ落ちが悪く、肌を傷めるもとになる。そして、カルシウム分が多いため、水が付いたところが乾くと石灰石が析出するのである。放っておくと、一日で、洗面台や水道蛇口、そして肌までもが粉をふいたように真っ白になってしまう。水場の掃除には、ライムスケールリムーバーという石灰石専用の洗剤が欠かせない。

 現地の人でもやはり気になるようで、皆が使っているかどうかはわからないが、スーパーの洗濯洗剤コーナーやDIYショップに、硬水を軟水に換えるソフトナーや、水道管に取り付けるカートリッジが置かれているのを見かける。飲料用には、硬度を和らげる効果もある置き型浄水器、ブリタが各家庭で活躍しているようだ。

 では、硬水より軟水のほうが優れているのか、硬度が低ければ良質の水なのか、というとそうではなく、硬水にもいい点がいくつかある。
 

☆硬水のメリット
 まず、肉の灰汁(あく)がとりやすく、肉の臭みを押さえやすいということが挙げられる。こちらの水で肉をゆでると大量の灰汁が出てくる。最初は、肉のせいかと思ったがそうではなく、水の硬度のせいのようだ。マグネシウムを多く含んでいるせいか、煮込み料理も煮崩れしにくく、おいしく仕上がるような気がする。

 そして、硬水は、腸を刺激するため、便通がよくなり、ダイエットにいいそうだ。また、ミネラルを多く含んでいるので、ミネラル補給、カルシウム補給にも役立つらしい。また、イギリスのBBCニュースによると、硬水を飲むことによって心臓病の率が減るかもしれないとのことだ。
 

 そのまま飲む場合には、最終的には、のどごしなどの好みの問題なのかもしれない。ただ、イギリスの水道水をそのまま飲むことだけは、衛生上、止したほうがいいように思う。
 

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