2008年1月21日 (月)

(い) 飲酒 -後編- DRINKING -part3-

 前編中編では、イギリスの一般的な飲酒習慣、未成年の飲酒事情についてご紹介した。最後の後編は飲酒運転について。一般に欧米人はアルコールに強いと言われているが、飲酒運転の規制は日本と比較してどうなのだろうか。
 

☆飲酒運転---日英どっちが厳しい?
Drinking_driving_law_2 ・日本の場合
 日本では、酒酔い運転と酒気帯び運転に分けられる飲酒運転。酒酔い運転はアルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある場合、酒気帯び運転は、アルコール濃度が呼気中で 0.15mg/L以上、血液中で0.3mg/ml以上の場合に適応されるようだ。
 
 酒酔い運転は、現場逮捕で、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金の上、免許取り消し。酒気帯び運転は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金の上、免停。そして、検査の拒否は、30万円以下の罰金で、逮捕の可能性もある。

・イギリスの場合
 一方、イギリスでは、酒気帯び運転も飲酒運転も、6ヶ月の懲役に加えて、5000ポンド(約100万円)の罰金、そして12ヶ月の免停となる。10年以内の再犯の場合は、3年の免停だ。
 懲役期間は短いものの、罰金と懲役の両方が課されるのが、主に日本と違うところだろう。
 酒酔いおよび酒気帯び運転により、事故を起こし致死に至らしめた場合は、当然ながらずっと罪が重くなる。

 酒気帯びに該当するのは、アルコール濃度が、呼気中で0.35mg/L以上、血液中で 0.8mg/ml (80ml/100ml) とされている。日本の倍以上緩い規制だ。さらに、呼気中のアルコール濃度が0.39mg/L以下であれば、勧告のみで釈放されたりするそうだ。

 ただし、仮に運転していなくても、が公道や公共スペースにあった場合は、酒気帯びも飲酒も3ヶ月の懲役に加えて、2500ポンド(約50万円)の罰金、免停になるそうだ。
 また検査の拒否は、意外に罪が重く、6ヶ月の禁固に加えて、5000ポンド(約100万円)の罰金、12ヶ月の免停。つまり、飲酒運転とほぼ同じ罰則が加えられるそうだ。
 イギリスでは年間10万人が飲酒運転で捕まっていると言われている。
 

☆飲酒運転---飲んだら乗るな
 日本でも「飲んだら乗るな」の標語が盛んに言われているように、イギリスでもキャンペーンが展開されている。例え少量でも飲んだら運転しないように呼びかけているものだ。
 印象に残ったのは、テレビのCM。パプに車でやってきて、アルコールを注文した男性。近くにいた女性にうっとりしていると、突然、その女性が車で轢かれたように跳ね飛ばされ、はっと我に返るというもの。
 そのCM (crash)はこちらのThe THINK! Roas Safty Websiteのこのページからご覧になれます(英語)。激しい映像なので心臓の弱い方はお気を付けください。

 しかし、日本の田舎町の居酒屋にもあったが、こちらでも駐車場付きのパブをしばしば見かける。飲み屋に車で来てもよいのかなんて思ってしまう。
 パブは昼間は食事用だから大丈夫なのだといいたいところだが、昼間から飲んでいる人の姿もちらほら。当然いけないことがだが、人々の感覚も日本に比べてかなり緩やかなような気がする。
 

 ちなみに、実は日本でもイギリスでもアルコールを飲んで自転車に乗れば飲酒運転になってしまう。しかし、我が町のような典型的なイギリスの田舎町では、パブには老いも若きも自転車で行くのがごく当たり前。タクシーで帰っている人はあまり見かけない。
 たらふく飲んで食べた帰りには、自転車にまたがる前にちゃんと安全胴衣を羽織ったりしている。安全に対する意識が高いのか低いのか理解が難しいところだ。

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2008年1月14日 (月)

(い) 飲酒 -中編- DRINKING -part2-

 前編では、日本とは多少異なるイギリスの飲酒の習慣についてご紹介した。今回はさらにびっくりの未成年の飲酒事情についてご紹介したい。
 

☆未成年の飲酒---20歳 vs 18歳
 日英で大きく異なるのが、未成年に対する飲酒の規制だ。
 日本では、満20歳未満の未成年の飲酒は禁止されている。また、未成年がアルコールを飲んでいることを制止しなかった親たちや監督代行者、未成年と知りながら酒を販売した店も処罰の対象となる。

 イギリスではどうだろうか。こちらでは、18歳未満がアルコールを買うことが禁じられている。18歳未満とは日本よりも2歳も下。イギリスの法律は結構ゆるいんだなと思っていたが、それだけではなかった。18歳うんぬんというのは、これはあくまで購入の話。
 イギリスでは、18歳未満でも、状況によって酒類を飲むことが許されているのだ。
 

☆未成年の飲酒---『お酒は5歳を過ぎてから』??
 先ほどもも述べたとおり、イギリスでは、18歳未満がパブや店でアルコールを買うことは違法である。そして、大人がこれらの未成年の代理に買うことも時として違法。
 しかし、例えば、家で食事をしながら一緒に飲むために、大人が子供のために酒を買うことは、基本的に合法なのである。

 「18歳未満の子供と一緒に酒を飲む??」
 日本では考えられないことだが、イギリスでは、アルコールを買ってもいい年齢と飲んでもいい年齢はことなるのである。これはイギリスだけに限らず、イタリア、タイ、ギリシャ、デンマーク、スペイン、ハンガリーなど幾つかの国で実施されているもののようだ。

 イギリスの場合は、自分で入手するかどうかのほか、アルコールの種類や場所によっても、未成年者の飲酒の制限は細分化されているようだ。

 18歳未満でも、16歳、17歳は、食事をしながら、ビール、サイダー、そしてワインを飲んでもよいことになっている。パブで飲むこともできるようだ。ただし、その酒は大人が購入したもので、飲む際は大人が側にいなければならない。また、例え食事をしながらでも、パブでスピリッツ(蒸留酒)を飲むことは違法になる。

 16歳未満、つまり15歳以下の場合は、大人が同伴するのであれば、パブに入ることはできる。ある時、夜にパブで出くわした家族は、小学校低学年ぐらいの子供の誕生日を皆で祝いに来たのだと言っていた。パブによるのかもしれないが、イギリスでは15歳以下の子供の同伴も珍しいことではないようだ。だが、いくら中に入れてもアルコールを飲むことはできない。
 しかし、15歳以下でも、家でアルコールを大人と一緒に飲むことに関しては違法にはならないようだ。親も罪に問われない。その子が4歳以下(5歳未満)でない限り。Drinking_children_2

 そう、状況によっては、5歳の子供に酒を飲ましてもOKなのである。
 言ってみれば、小学生、中学生になると、家で大人と一緒に酒を飲むことができ、高校生になると、外でも大人と酒を酌み交わせるということ。

 ちなみに、アメリカでは買うのも飲むのも21歳から、同じく、買うのも売るのも、カナダでは19歳(一部の地域では18歳)、中国やロシア、オーストラリアでは18歳から、フランスやドイツでは、ビールやワインなどは16歳から、スピリッツは18歳からだそうだ。
 

☆未成年の飲酒---その実態
 さらに驚くべきはその実態。2007年のアルコールコンサーン(Alcohol concern)の報告によると、ここ5年、日本の小学生高学年から中学生にあたる、イギリスの11~15歳の子供のうち、だいたい5、6割は飲酒をしているそうだ。
 さらにその消費量は1週間で10ユニットだそうだ。日本のビールに換算すると中びん4本分。

 ここ何年も、イギリスでは、酔っ払って夜中に街を徘徊し、破壊や盗難をする若者が増え、問題になっている。破壊や盗難だけでなく、殺傷事件になっている有様だ。犯罪を犯している未成年の学生のうち、16%は犯行前に酒を飲んでいるという統計まである。

Drinking_litter  我が田舎町では今の所、そういった事件は殆ど起こっていないが、街中にビールやサイダーの瓶が転がっているのをしばしば見かけるし、うちもフラット(アパート)の住民の真夜中の騒音に悩まされている。パブが閉まる深夜3時頃などに酔っ払って大騒ぎしながら家に戻り、そのままパーティーを続行しているのでたちが悪いことこの上ない。
 
 
 後編は、日本でもしばしば問題になっている飲酒運転のイギリス事情についてご紹介したい。お楽しみに。(後編はこちら。)

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2008年1月 7日 (月)

(い) 飲酒 -前編- DRINKING -part1-

 世界中のアルコールが世界中で飲まれるようになった昨今。日本でギネスを買うのも簡単だし、イギリスでスーパードライを入手するのもわけない。

 少量は出回っているものの、一般のイギリス人は日本酒や焼酎を飲むことはまずないし、チュウハイなんてものはこちらで今のところお目にかかっていない。
 逆に、日本では殆ど飲まれないサイダー(炭酸のリンゴ酒)が、イギリスではビールに次いで飲まれていたりする。また、一般市場のビールやワインの種類も日本より若干多いかもしれない。

 しかし、アルコールの種類の基本的なところは、日英で大きくは変わらないような気がする。むしろ、違いは、その飲み方やそれにまつわる法律だろう。
 

☆「自動販売機で酒が買えるなんて!!!」
 よく言われるのが、日本にやってきた外国人がアルコールの自動販売機に仰天するという事実。こんなものを無人で外に置いていいのかというのがこちらの人の弁だ。イギリスでは、普通の自動販売機ですら滅多になく、しかも防犯のため屋内にあるのが通常だからだ。

 今では、日本のアルコールの自動販売機も夜中は販売停止になっており、未成年が購入するのを防止する身分証が必要なものも多く出回っているが、昔は誰でもいつでも簡単にアルコールが買えたような。

 近年、アルコールを飲んで傍若無人に振舞う若者達が問題になっており、パブの深夜営業が解禁になったばかりのイギリスの人たちにとって、アルコールの自動販売機は異文化そのものなのかもしれない。
 

☆どこで飲む?
 イギリスにはコンビニも殆どないので、家で飲む場合は、スーパーや小売店で買うのが一般的なようだ。スーパーでは、日本の量販店よろしく、カートンごと大量のビールを買っている人をよく見かける。

 家以外で飲む場所は、主にパブ、そしてレストラン。日本の居酒屋のようなものはないし、パブも日本のパブやバーとはちょっと異なった雰囲気だ。
Drinking_outside  また、意外に多いのが屋外で飲んでいる人。パブの外には大抵必ずテーブルとイスが置かれており、特に夏は大賑わい。また、芝生にビール片手に根っころがっている人もサマータイム実施時にはしばしば見かける。時には真冬の夜中でも立ち話をしながら外で飲んでいる人の姿を見かけることすらある。

 最近では、公共機関での飲酒はかなり規制されているようだ。日本の夕方の新幹線はよく飲み屋状態になっていたように思うが、イギリスでは、私の知る限りでは、意外にもあまりそういった状況は見かけないように思う。
 

☆飲酒量の目安---ユニット
 イギリスでアルコール飲料をを買うと、よく目にするのがユニット(unit)という単位。飲酒量の目安として使われる単位だ。

 日本では、例えば、「ビール大びん1~2本」といった感じで表現されていることが多いように思う。しかし、イギリスでは、例えビールでもメーカーによってアルコール度数が大きく違うことが多いためか、アルコール量の統一のために、通常ユニットが用いられる。
 1ユニットは8gの無水アルコール(エタノール)に相当するそうだ。

 計算の方法は、
 ユニット= [アルコール飲料の量(ml)] X [アルコール度数(%)] / 1000

Drinking_unit 例えば、日本でよく見かける 5%の350ml缶のビールの場合だと、1.75ユニット。
 物にもよるが、ビールではハーフパイント*(約284ml)、おおよそ、ワインの場合は小さめのグラスワイン1杯(125ml)、スピリッツ(蒸留酒)ではシングル(25ml)が1ユニットにあたるそうだ。
 *(注)イギリスでは、ビールやサイダーは「パイント(pint)」という単位で取り扱われる。1パイントは、568ml。また、イギリスのビールは一般に3.5~4%とアルコール度数が低い。

 1日あたり、男性は3~4ユニット、女性は2~3ユニットを限度とするよう、勧告されている。しかし、計算してみると、男性の場合、イギリスのビールだと2パイントまで、日本のビールだと中びん2本程度。日本で推奨されている「適量」よりもずっと少ないのではないか。

 
 しかし、実際は明らかに皆もっと飲んでいるような気がする。なにせ、食事の前に別のパブで一杯ひっかけて行くお国柄なのだから。そして、大人だけでなく子供も。
 次回、中編では、日本と異なるイギリスの未成年の飲酒事情についてご紹介したい。お楽しみに。(中編はこちら。)
 

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2007年11月22日 (木)

(こ) 小切手 CHEQUE

 今や、支払いと言えば、現金、高額の場合はカードが多用される世の中。「支払いは小切手でお願いします。」と言われて、さっと小切手帳を取り出して記入できる人は、現代の日本でどれぐらいいるのだろうか。

 
☆イギリスではかなり一般的な小切手
 イギリスに住み始めて、銀行に口座を作ったときのこと。日本なら通帳とカードを受け取るのが通常だが、通帳はもらえず、もらったのはカードと小切手帳。
 「これは帰国まで使うこともないな。」と引き出しの奥深くにしまったものの、小切手帳の活躍は案外早くにやって来た。
 まず、運転免許証の書き換えの申し込み。そして、の保険料、光熱費の請求、e-bayなどのネットオークションの支払いなどなど、郵送で金銭を送る場合に小切手をきることが必要になったのだ。

 もちろん、これらの幾つかは小切手でなくても大丈夫な場合がある。郵送でなく直接支払いに行って、現金やカードを使ったり、郵便局払いにしたり、ペイパル(Paypal)などのオンラインの決済サービスを使ったり。
 しかし、イギリスの場合、日本のような振込みが一般化していない。ATMも振込みはできないようで、どこか別の口座に入金する場合は、パソコンを使ってオンラインで行うか、銀行に出向くのが普通のようだ。または、小切手。

 光熱費などの請求書やカウンシル税(地方税)の通知書の裏には、郵送での支払いに対応して、小切手の支払い先名が記されている。

 
☆小切手の書き方
Cheque_cheque_book  大抵の金銭のやり取りはカードで済ませられるようにはなっているが、うちは今でも、数ヶ月に1回は、小切手をきっているように思う。しかし、時々のことだし、物忘れが激しいので、なかなか覚えられない。書き終わった傍から忘れてしまい、発行する度に、人に尋ねたり、昔に発行した控えを見たりする始末。

 なので、小切手の見方と書き方を書いておきたい。自分自身の覚書として。
 小切手の書き方に興味のない方は、こちらの☆口座がないと受け取れない?の項にお進みください(このページ内)。

Cheque_how_to_fill_in_2  私たちが記入する場所は、以下の5箇所と控えの部分。①支払い先の名前、②金額(アルファベット)、③日付、④金額(ローマ数字)、⑤署名、そして、控えの部分である。

①支払い先の名前
 まず、支払い先の名前。3段になっている一番上の段,の”Pay”の後に、支払う先の名前を書く。 アメリカの小切手の場合、”Pay to the order of”となっていることが多いようだ。
 支払い先の名前は何でもよいわけではなく、大抵は”Cheque must be made [Make your cheque] payable to'XXXX'. (XXXX宛ての小切手を発行してください)”といった具合に指定されているので、その通りに書く必要がある。
 受取人をさらに追加されないように、”Pay”のすぐ後ろから書き始め、スペースが余った場合は、右端まで横線を引いておいたほうがいいそうだ。 

②金額(アルファベット)
 その次の段は、金額。ローマ数字ではなくアルファベットで、それも筆記体で書く。例えば、256.78ポンドだったら、”Two hundred fifty six Pounds and Seventy eight Pence”という感じ。そして、忘れてならないのが、最後につける”Only”と横線。
 これも、金額を継ぎ足されないように、左端から書き始めて、最後に”Only”と書き、3行目の終わりまで横線を引いておく必要がある。

③日付
 日付は右上の”Date”の後ろに書く。日本では、年月日の順、アメリカ英語圏では、月日年の順だが、イギリスでは、日月年の順。小切手だけでなく、日付は日本の順の逆に書くのが通常だ。
 だから、2007年5月28日の場合は、”28/05/2007”といったように書く。

④金額(ローマ数字)
 金額を、右真ん中の”£”の後ろの枠内にはっきりと、ローマ数字で書く。この場合も、継ぎ足しを避けるために、左詰めで書いた後、後ろに横線を枠の最後まで入れたり、ポンド額を左詰め、ペンス額を右詰めで書き、間に横線を入れたりするのが基本のようだ。

⑤署名
 最後は署名。他の欄と違って、署名の欄は右下に下線が引いてあるだけで、見落としやすいような気がする。うっかりもののうちの家族は、見落として、署名がないまま郵送してしまったり、先にそこに日付を書き込んだりと、何度か小切手を不渡りにしている。

*控えの記入も忘れずに
 そして、忘れてならないのが、切り離す前に控えを書くことだ。”Date”、”Payee”、”This cheque £”の後に、それぞれ日付、支払い先の名前、金額を書いておく。

 
☆書き損じた時は?
 書き損じたときは、どうすればいいのか。予備の小切手がある限りは、書き損じのものは使わないほうがいいようだ。その際、悪用を避けるために、書き損じのほうは、金額、サインなどに横線を引いたり、全体にバツを付けて、細かく破いて破棄すればいいようだ。その際、控えのほうに、小切手番号を貼っておいたり、破棄した旨を記載しておくのをお忘れなく。
 

☆口座がないと受け取れない?
Cheque_specimen  アメリカの小切手と違い、イギリスの小切手の場合、大抵、縦に2本線が引かれており、その間に、”Account Payee (only)”や”A/C Payee (only)”と印字されているのが通常だ。
 この”Account Payee (アカウント・ペイイー)”とは、その支払い先の名前の人の銀行口座にのみ支払われるということを意味する言葉。共同名義の口座でもその人に名前が載っている限りは大丈夫だそうだ。
 これは、おそらく、日本の「線引小切手」というものに相当するようだ。イギリスでは、1992年の”the 1992 Cheque Act (小切手法令?)によって規定されている。

 イギリスではこの”Account Payee (アカウント・ペイイー)”が予め記された小切手が一般的で、そのまま小切手を現金化することは難しいようだ。我が家も銀行に一度入金してから、引き出して現金化している。イギリスの場合、入金、出金に手数料がかからないので、それほど問題はないようだ。

 しかし、現代のイギリスにも口座を持つことのできない低所得者や外国人は多くいる。
 知人の日本人もその一人。彼女は大手企業の重役の奥方だというのに、身分を証明することができず銀行で断られ、結局、自分名義の口座を持てないまま帰国することになった。だから、仮に彼女宛の小切手が発行されても、そのままでは受け取ることはできなかったのである。
 今では、これを回避するサービス業もあるようだが、自分名義の口座を持っていない方はご注意を。
  

☆チェックの違い
 さて、小切手の英語だが、私はイギリスに来るまでずっと”check”だと思っていた。しかし、これはアメリカ英語だそう。イギリスでは、”cheque”と綴るのが一般的だ。どちらも発音は同じ、チェック。

 ちなみに、レストランなどで勘定をお願いするとき、アメリカ人は、チェック(check)というのだが、イギリス人は、ビル(bill)という。
 

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2007年11月12日 (月)

(さ) 散髪 -後編- HAIRCUT -part2-

 前編は、イギリスの美容院のご紹介をした。今回は現地の美容院に頼らない散髪をご紹介したい。
 

☆一時帰国に自分の国で
 自国の人が経営したり働いていたりする美容院は、確かに心地いいし、仕上がりも満足がいきやすい。しかし、ロンドンならいざしらず、イギリスの片田舎では探すのも一苦労だ。

 そんなときに、皆が使う手段が帰国時の散髪。特にヨーロッパの女性は、帰国のついでに美容院に寄ってくることも多いようだ。皆、満足げに戻ってくる。彼らの場合は、大体、数ヶ月に1度は帰っているので、それで問題ないようだ。

 しかし、我が家のように片田舎に住む貧しい日本人の場合、そういうわけにもいかない。帰国とて頑張っても、1、2年に1度が限度だろう。

 そういう場合はどうするか。女性の場合は、帰国の際以外は、長く伸ばしていたりする。長持ちするデジタルパーマをかけるのも個人的には一案なように思う。

 日本だとマメに美容院に行かないと格好がつかないことが多い。だが、イギリスでは、皆それほどきちんとした髪型をしていないので、多少はラフにしていても大丈夫なようだ。

 特に、東洋人の女性の黒髪は珍しいのか人気が高いようだ。きれいに染めて梳いた捲き髪よりも、ボリュームのある黒い直髪の髪のほうが人気があるよう。

 私や連合いも、イギリスで暮らし始めてから周りの感覚に慣れたのか、同じアジア女性でも黒いストレートの髪の人を美しいといつしか感じるようになった。久々に一時帰国したときに、軽いカルチャーショックを覚えたのは言うまでもないが。

 
☆自宅で散髪
 帰国まで待てないという人、特に男性の場合は、家庭での散髪となる。
Haircut_hair_clipper  散髪の方法は、たいてい電気バリカン。「バリカン」というのは、フランスの会社名から来た言葉だそうで、イギリスでは、ヘアクリッパー(hair clipper)と呼ばれている。
 約3倍の重さという欠点を除けば、さほど日本のものと変わらないような気がする。

 日本では電気バリカンは子供や学生が主で、大人にはあまり使うことがないような気がする。いや、最近では、子供も美容院に通うことが多いような。家で散髪することに対して、貧乏くさいとかダサいというイメージが浸透しているのかもしれない。
 
 しかし、イギリスでは男性が家庭で散髪するというのはごく日常的なこと。これは在英外国人に限らない。また、年齢や職業、経済状況もあまり関係ないようだ。訊くと、職場のボスも、同僚も、友人も皆そうだという。

 我が家も、渡英後2年目から男性陣は家での散髪になった。最初は恐々やっていたものの、何回もやるうちに少しは慣れてきたような気がする。
 

☆家での散髪のメリットデメリット
 やっていて、いくつか利点に気がついた。まず、コストがかからないということ。イギリスの床屋に行くと、さほど仕上がりが変わらないにも拘らず、毎回、少なくとも10~20ポンド(数千円)はかかる。電気バリカンを購入しても余裕で元がとれる。

 そして、わざわざ出掛ける手間が省けるのもよい点かもしれない。ちょっと伸びてきたなと思ったら、バリカンと椅子と鏡を用意してスタート。終わったら、シャワーを浴びておしまい。もちろん、後片付けは必要だが、せいぜい全工程が1時間程度で済んでしまう。

 そして、意外なメリットは、家族のスキンシップ、コミュニケーションの場になっているということ。

 しかし、問題点もある。慣れるまでは失敗も多く、単調な髪型になりやすいということ。
 特に東洋人の髪質は厄介だ。西洋人だと適度に髪にクセがあるのでなんとか誤魔化すことができるが、直髪のコシのある東洋人の髪を均一に刈っていくと、どうしても坊主やや長のたわし頭になってしまう。そういえば、街中でたわし頭風の若い東洋人の学生をよく見かけるような。
 

☆イギリス人と日本人の違い
 イギリスの男性というと、前首相のトニー・ブレア、俳優のヒュー・グラントやオーランド・ブルーム、映画ハリーポッターシリーズのの主人公のダニエル・ラドクリフなど、どちらかというと長髪の男性を思い浮かべる人も多いかもしれない。

  ←こちらは短髪の男性の代表、ベッカムとユアン・マクレガー
  (楽天市場)

Haircut_men_with_short_hair_2 しかし、実際は、皆かなりの短髪。坊主頭、スキンヘッドの人も数多い。若い人だけでなく、中年の男性もそう。または五分刈り風。

 なぜだか分からないが、西洋人がこれらの髪型をしても、さほどおかしくは見えない。
 しかし、日本人の場合は、これもなぜだか分からないが不思議と違和感を感じる。下手をすると、イギリスの食生活に慣れてボテッとした小太り体型になり、日本から持ってきた古びたTシャツをいつまでも着て、坊主頭で町をうろうろ・・・これって、裸の大将??

 たわし頭や裸の大将を避けるべく、体重管理や身だしなみへの配慮だけでなく、散髪の腕もイギリスでは必須事項なのかもしれない。
 

 男性の話ばかりになってしまったので、最後にちょっと女性の話を。知人のヨーロッパ人女性は豊かな黒髪の直髪だが、自分で散髪しているとのこと。ちょっとお菊人形風になった彼女に対して、周りの反応は、「爽やかでいいじゃない。」とかなり肯定的なものだった。
 

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2007年11月 8日 (木)

(さ) 散髪 -前編- HAIRCUT -part1-

 日本ではごく普通に美容院に通っていたうちの夫婦。渡英してしばらくして、散髪という問題にぶち当たることになった。
 イギリスに住む外国人が散髪する場合、いくつか方法がある。
 

☆現地の美容院は?
Haircut_barber  まず、自国にいたのと同じように、適当に現地の美容院や散髪屋を探して、そこに通うというもの。

 和英辞書などで「美容院」をひくと、”cosmetology salon (コスメトロジー・サロン)”とか、”beauty parlor (ビューティー・パーラー)”、”beauty salon (ビューティー・サロン)”と訳されていたりする。しかし、実際、イギリスでは、”hairdressing salon (ヘアドレッシング・サロン)”とか単に”salon (サロン)”と呼ばれることが多いような気がする。

 しかし、日本の美容院や床屋に慣れていた人は、イギリスではかなり苦戦を強いられることだろう。英語以外の問題でも。

 店によっては、日本の美容院や床屋のように、見本になりそうな髪形の写真が載った雑誌や本を置いていないところも多い。そんな場合は、的確に英語で説明する必要が出てくるだろう。

 しかし、仮に的確に希望が伝わったところで、安心できない。かなり手法が適当だからだ。
 まず、こちらでは散髪前にシャンプーをしないのが基本だ。そして、散髪そのものも、ものの10分ぐらいで終わってしまったりする。

 イギリス人の髪は、色も金髪や亜麻色など淡く、自然に軽くウェーブがかかっていることが多い。また、概して、軟らかくコシのない髪質で、量も少ないようだ。
 だから、こちらの美容師の多くは、黒くコシが強く量も多いストレートの東洋人の髪が苦手。
 
 淡い色のウェーブがかかった髪なら、多少不ぞろいになろうが、目立つことはない。しかし、同じ調子で東洋人の髪を散髪すると、左右非対照でガタガタ、ボサボサの髪型に仕上がること間違いなしだ。
 特に女性の場合、日本ではボリュームを抑える目的で髪を梳くことが多いが、イギリスではその反対。こちらの人に合わせて、ボリュームアップされてしまう。
 
 ひどい髪型にされた挙句、髪質の悪口を言われ、正規の値段を取られてしまう。こう嘆く人も多いようだ。

 連合いも何度かこれを体験している。あるとき、渡英してからの写真を眺めて、「このとき、帽子をかぶってたっけ?」と二人で首をかしげた。しかし、よくよく見ると、帽子のように見えたそれは、こんもり盛られたように切り残された髪の毛だった。

 頑張って探せば、イギリスのよい美容院も見つかるかもしれません。お近くのイギリスの美容院の検索は、こちらのUKヘアドレッサー・コムから出来るようです(英語)。 ヘアスタイル一覧や軽いアドバイスコーナーもあるようです。

 
☆現地で探す自国の美容師

 嘆いているのは、日本人、東洋人ばかりかと思ったが、そうではないようだ。知人のヨーロッパ人達もイギリス人の美容師を避けていたりする。自国の人が経営したり働いている美容院を探す人も多いようだ。

 私も一度だけイギリスで日本人美容師に散髪してもらったことがある。我が田舎町にはないので、はるばるロンドンまで出掛けた。ロンドンにはこういった日本人が経営する美容院が山のようにあるようだ。

 中の客は日本人が多いが、西洋人の客の姿もちらほら。最初、受付での会話は英語だったが、日本人だと分かると、途端に日本語での会話になった。周りの会話も日本語が多かった。

 中は、日本の美容院そのものという感じだった。
 散髪前後のシャンプーもちゃんとあり、「痒いところはありませんか?」と訊いてくれたり、肩をもんでくれたりする。そして、雑誌も日本の雑誌が数多く揃えられており、コーヒーまで出て来た。日本では当たり前だが、イギリスでは却って背中がむず痒く感じた。こちらの人からすると奇異な感じがするのかもしれない。
 価格は、日本と同程度かやや高めといったところだろうか。もちろん、店によって違うので一概には言えないが。

 勘定を済まし、店の外に出たところで、「ああ、ここはイギリスだった。」と我に返った次第だ。

 ロンドンにある日系美容院の検索には、こちらのロンドン通信さんのサイトが便利かもしれません。 言語を選択して、上部の「美容院」(日本語の場合)、または”HAIR SALON”(英語の場合)をクリックすると、一覧をご覧になれます

 
☆ポールに隠されたイギリスの床屋の秘密
Haircut_barber_pole  余談だが、日本でも床屋の目印となっているサインポール。赤と青と白の斜めの縞がクルクルと回転する一種の看板だが、イギリスでも同様のものがある。しかし、それは大抵、赤と白。そう、青がないのだ。

 その理由は、イギリスが床屋のサインポールの発祥の地だからのようだ。中世のイギリスでは床屋は何と歯医者と外科医(surgery)も兼ねていた。瀉血(bloodletting)と呼ばれる血を体から出すという治療法が当時は行われていたそうで、看板の赤と白の斜めの縞は、血と包帯を表しているのだとか。

 赤と白のポールはその名残で、日本で見かけるような青はのちに継ぎ足された色のようだ。
 当然のことながら、今では床屋は医師免許を持っていない。まずないと思うが、散髪中に出血した場合も、治療法の一環ではなくハプニングなので、どうぞご安心(?)を。

 
 後編は、現地の美容院に頼らない、一般的なイギリスの散髪についてご紹介したい。どうぞお楽しみに。
 

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2007年9月 6日 (木)

(と) 土足 WITH SHOES

 よく知られていることだが、こちらイギリス、欧米は土足文化である。家の中も靴で入る。ソファにも靴のまま寝転ぶ。
 

☆靴を脱ぐのはイギリス人には酷?
 うちの家は、夫婦ともに日本人なので、土足厳禁。靴は玄関ドアの外で脱ぐ。友人、知人などの来客やインスペクションにやってきた家の管理人、そして、ボイラーや水道管などの修理工の人にも靴を脱いでもらう。

 我が家の訪問者は皆、「日本の文化を尊重してるから、構わないよ。」と言って、躊躇わずに脱いでくれる。
 しかし、イギリスの女性は靴まで計算してコーディネートしていることが多い。だから、強制的に靴を脱いでもらうというのは失礼にあたる行為なのかもしれない。

 女性だけでなく男性も、突然靴下を見られて恥ずかしい思いをすることもあるかもしれない。アメリカのブッシュ大統領が金閣寺を訪問して靴を脱ぐ際に、靴下に穴が開いていないか夫人に尋ねたという冗談話があるほど。
 

☆土足を前提とした家の作り
 それでも、うちは土足厳禁。来客たちには申し訳ないが、解禁は考えられない。
 他の在英の日本人はどうかというと、やはり多くは土足厳禁で暮らしているようだ。

Photo_2  しかし、イギリスのの玄関は日本のような「あがりかまち」や「たたき」がなく、段になっていない。そのため、日本での暮らしのように土足の境をきっちりと区切ることは難しく、皆、玄関を入ったところを靴の履き替え場所としているようだ。

 我が家は、集合住宅ということもあり、玄関の前で靴を脱ぐことにしている。つまり、玄関ドアの内側は全て土足厳禁。
 しかし、イギリスの家の扉は、日本のように外側にではなく、内側に開く場合が殆ど。だから、開閉時に外の床のホコリが入ってきやすいように思う。土足厳禁にしていても、入り口付近の床を拭くと雑巾がかなり黒くなる。

 また、イギリスの家はほぼ全面じゅうたんが敷いてあることが多く、先住人はまず土足。入居前にカーペットクリーニングが行われるのが基本だが、経験上、あまりきれいにはなっていないように思う。
 そして、家具付きの家の場合は、備え付けの家具も当然土足の状態で使われていたことを考慮しなければならないだろう。イスなどの脚の裏まできれいに掃除する必要があるかもしれない。

 こんなわけだから、イギリスの家で、日本のように完全に土足厳禁で暮らすのは、かなりの苦労を要することのように思う。With_shoes_train
 

☆電車の中でも
 土足文化なのは、何も家の中だけでないようだ。

 電車でも座席の上に靴のまま足を投げ出す人が多い。向かい席が空いているとそのまま足を乗せている姿をよく見かける。日本では、そんなことをするのは行儀の悪い男性ぐらいではないだろうか。しかし、イギリスでは女性の姿もよく見かけるし、さほど皆気にしていないようだ。

With_shoes_sign 地下鉄などの列車の中には、向かいの席の上に足を乗せないよう注意を促したラベルが貼られている。しかし、これは、座席を土足で汚すことよりも、むしろ、座席をふさいで他の人を座れなくすることに対して注意しているものなのだろう。

 中には脱いだ靴を座席に置いている人もいる。また、娘が靴をはいた足を、向かいに座っている父親の膝の上に置いていたのを目撃したこともある。もちろん、父親も傍らの母親も咎めることはなかった。日本では全くありえない光景。
 
 

☆靴を脱ぐ家庭もある??
Photo_3  こちらの人に、日本の家の土足厳禁の話をすると、中には、「うちも家の中では靴を脱いでるのよ。」と言う人もいる。靴を脱いで、スリッパを履いたり、靴下や裸足で過ごしたりしているそうだ。スリッパも当然普及しており、洗濯機で丸洗いできるものも数多く売られている。

 しかし、実際は日本のような完全な土足厳禁ではなく、一時的に靴を脱いでいるだけのことも多い。部屋の中の同じ場所で靴を脱いでスリッパに履き替えたり、時には、スリッパや裸足の人と靴を履いている人が混在していたり。
 衛生観念からではなく、単なる個人のリラックスのために脱いでいるだけのようだ。

 土足が基本であるため、当然、トイレでスリッパを履きかえるという習慣もないようだ。
 
 

 文化の違いとして理解したいものの、こればかりは、なかなかいつまで経っても馴染めないものの一つだったりする。

 ちなみに、土足の英語は、”with one's shoes on”だそうだ。土足禁止の観念がないだけあって、長い言葉だ。それとも、もっと相応しい単語があるのだろうか。

 
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2007年7月16日 (月)

(わ) 割り勘 [ラウンド] ROUND

☆奢ってもらった??
  知人達と一緒に、仲間内で、最初にパブに行ったときのこと。時間厳守は禁物と、イギリス流にだいぶ遅れて行くと、皆は既にもう飲んでいた。自分達の分のビールを注文して、談笑する。

 しばらくして、何人かのビールが残り僅かになっているのに、ある人が気付いたようで、皆に「お代わりはいらないか。」と訊いてまわっていた。
 当然、連合いと私にも声がかかり、希望のビールを一緒に注文してもらった。イギリスのパブは注文ごとに支払いを済ませるシステム。私達の分も彼が支払っていた。

 また、しばらくすると、また何人かのジョッキ(グラス)が空になり、また別の人がそれに気付き、声を掛けてまわっていた。今度のお代はこの人持ちだった。

 そして、帰り際。ビール代を立て替えてくれた人に代金を支払おうとすると、いらないと言う。周りも誰も支払おうとしていなかった。
  

☆ラウンド制って?
Round_1  実は、これ、ラウンド(round)と呼ばれるイギリス流の割り勘[わりかん]なのである。
 一人が全員分の料金を支払い、つまり全員に奢り、それが注文ごとに持ち回りでおこなわれる。今回払い損なった人は、いずれまたの機会に全員の分を払えばいい。

 一般に、割り勘を英語でいうと、”split the bill”になるそうだが、今のところ、聞いたことも使ったこともない。昔、”go Dutch”と覚えた記憶があるが、オランダ人(Dutch)に対して失礼にあたるためだろうか、最近ではあまり使われないとか。

 イギリスのパブでの仲間内の飲み会では、やっぱり「ラウンド(round)」だろう。”buy drink in round”や”buy a round [rounds]”といった具合で使われるようだ。「ラウンド」と呼ばれるのは、車座に集まって飲んでいるからなのか、持ち回りでくるくると順番が交代するからなのか、そのところはよく分からない。
 

☆紳士協定なアバウトさ
 毎回同じメンバーだとも限らないし、持ち回り制と言っても、誰かが厳密に決めているわけでもないので、払う人、おごってもらえる人に偏りがでる。実に、紳士協定的な制度だ。
 昔は男性のみが支払っていたそうだが、最近では、おかわりはいらないかと声をかけている女性の姿もよく見かける。

 端数をどうするか、年齢や性別で取立て金額に差をつけるか、先に帰った人や後から来た人をどうするかなど、毎回、頭を悩ませながら、幹事が裏で勘定を計算する必要もない。見た目がとてもスマートなシステムだ。
   

☆どうして持ち回り制?
 これには、多少、事情がある。
 イギリスには、日本の居酒屋のような店がない。大勢集まる場合は、たいてい、家で行われるパーティーかパブだ。
 まず、家で開かれるパーティーの場合。それぞれ多少の持ち寄りはするものの、会費(実費)を徴収することはない。招かれた人は何か機会があれば、招待し返すだけである。これもある意味、ラウンド制。

 そして、パブの場合。パブでは注文の度にカウンターに行って支払うのが通常だ。そして、カウンターは混んでいることが多い。だから、日本のような割り勘や、個々人の清算よりも、ラウンド制のほうが合理的なのだ。
 また、パブできっちりと食事を取る人はあまりおらず、その後、繰り出して食事に行くことが多い。だから、ラウンド制にしても大して負担にならないのである。
 

☆普通の割り勘もあるけれど・・・
 といっても、通常の食事の場合は、個人別に払ったり、普通の割り勘にしたりすることも多いようだ。普通の割り勘といっても、日本よりもずっとアバウトな感じ。

 いつだったか、ある知人のイギリス人は、店のサービスの悪さと他の人とのメニューの格差に納得がいかず、「これはサービス料を差し引いた分」と言いながら、1人だけ少なく手渡していた。
 

☆パブ以外でも
 パブだけでなく、食堂などでの食後のお茶なども、この割り勘方式を採用している人達も多いようだ。
 連合いの職場では、小さなグループ内で各人の誕生日を祝うという習慣がある。その際に用意される(事前に購入される)ケーキもラウンド方式だそうだ。日本のように誰かが買って来て清算するということはないのだそう。
 

 イギリス流の割り勘、ラウンド。私達日本人が「ここは私が。」と言いながら、喫茶店でコーヒー代のレシートを掴む感覚に似ているのかもしれない。違いは、「いえいえ、私が。」と、押し問答にならない点だろうか。

 ちなみに、イギリスにいる日本人の集まりの場合は、きっちり割り勘になっていた。なぜか送別会の主賓まできっちり割り勘。イギリス流割り勘に慣れてしまっていたのか、連れ合いは、ちょうど持ち合わせがなく、主賓に借りる羽目になってしまったそうだ。
 

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2007年5月24日 (木)

(て) テレビライセンス [テレビの受信料] TV LICENCE 

☆テレビのライセンス?
Photo_12  イギリスにやってきて、しばらくして、「テレビライセンスを購入する」ことになった。

 テレビライセンス(TV licence)とは、テレビを視聴するためのライセンスのこと。日本でいうところのテレビ受信料にあたるものだが、イギリスでは、「テレビの受信料を払う」のではなく、「テレビを受信するライセンスを買う(buy TV licence)」のである。
 まぁ、「ライセンスを買う」と言っても、毎年「更新(renew)」しないといけないので、受信料を払っているのと中身は大差ないのだが。
 

☆年間2万6千円!
 違いはその値段。カラーテレビ、白黒テレビで料金が違う。カラーの場合は、年間131.50ポンド(2万6千3百円)、白黒テレビの場合、年間44ポンド(8千8百円)。日本のNHKの受信料が12ヶ月前払いで、1万5千円程度だから、かなり高い。
 

☆基本的には日本のと同じだが。
 呼び方と料金が違うだけで、基本的には日本のテレビ受信料と同じである。テレビライセンスの料金を徴収しているのは、日本のNHKに相当するイギリスの国営のBBCテレビのテレビライセンシング局。テレビライセシング局のサイトはこちら(英語)。
 
 各家庭にテレビがあるかどうかを電話や訪問調査して、支払いを求めたり、日本の口座引き落としにあたるダイレクトデビット払いを勧めたりしている。

 我が家の場合、先に渡英した連れ合いは、入国以来しばらくテレビを観ていなかった。線をつないですらいなかったのだけど、入居後一度も料金を払っていないということで、留守の間に督促状のようなものを送りつけられたそうだ。観ていないことを証明しようとしたときに、ちょうど私が渡英して、二人でテレビを観始めたので、あきらめたそうだが。

 ちなみに、日本同様に、見ていなくても、受信できるテレビがある場合はライセンスが必要だそうだ。我が家も今では週に一時間、いや月に一時間程度しかテレビを観ていないが、1ヶ月あたり2千円強を払い続けている。
 

☆イギリス人は支払いがいい?
 テレビライセンシング局によると、2003年の時点で、2千4百世帯(イギリス全世帯の約96%)がTVライセンスを持っている。
 日本では全世帯数4千8百に対して、NHKによると、受信料を払っている受信契約件数は 3千8百件程度(全世帯数の8割弱)だそうだから、イギリス人のTVライセンスに対する意識は高いのかもしれない。

 しかし、やはり、どこの国も同じなのか、テレビライセンシング局の調査結果、テレビを持っていないと申告した約半数の人が、実際にテレビを観ていたり、白黒テレビ料金しか払っていない人の3割以上がカラーテレビを視聴していることがわかったそうだ。
 

☆テレビライセンスの不思議
 不思議なのは、民放ではちゃんとCMをして財源をまかなっているのに、「BBCの受信料」と言わずに、「テレビライセンス(テレビを観るライセンス)」と呼ばれていることである。仮に民放しか観れない場合でも、テレビライセンスを払わないといけないそうだ。

Over_75  もう一つの不思議は、75歳以上のお年寄りは、無料でテレビライセンスをもらえるというものである。
 WHO(世界保健機構)によると、2004年度のイギリスの平均寿命は男性76歳(日本は79歳)、女性81歳(日本は86歳)だそうである。イギリス人の平均寿命の短さから考えて、75歳から無料ということにどういう意味があるのだろうか。
 まぁ、一家に75歳以上のお年寄りがいれば、ライセンス料はいらないということだから、お年寄りのいる家庭にとっては助かることなのかもしれないが。

 実際、TVライセンス保有世帯のうち、約12.5%(3百万世帯)以上が、無料の75歳以上のライセンスを保有しているそうだ。平均寿命が76~81歳なのに、全世帯の1割強なんて、なんだか、数字的に怪しい感じもするが。

 ちなみに、日本同様、視聴覚障害者は、半額割引の視覚障害者用ライセンスを持つことができ、テレビライセンス所有者の約0.1%(3万世帯)がこのライセンスを保有しているそうだ。
 

 なんだか不思議なイギリスのテレビライセンス制度。他の国ではどうなのだろう。情報をお待ちしています。
 

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2007年5月10日 (木)

(は) 母の日 MOTHER'S DAY

☆とっくの昔に終わってます
 今度の日曜は、母の日。お手伝い券の発行に忙しいお子さんも多いのではないだろうか。

 日本では母の日は、毎年5月の第2日曜、今年(2007年)は5月13日だが、実はこちらイギリスではそうではない。

 うちの母は両方とも日本在住の日本人なので、我が家では日本の母の日に合わせてグリーティングカードを贈っている。
 渡英した初年度も、カードを選ぶために、4月末にカードショップや店のグリーティングカードコーナーを覘いた。しかし、「母の日特集」なるものもやっていなかったし、母の日のカードもわずかしかなかった。「もしかしてイギリスではあまり母の日は祝わないのだろうか?」と不思議に思ったものだった。

 もちろんそんなことはなく、イギリスにもちゃんと母の日(Mother's day、マザーズ・デイ)がある。今年(2007年)は約2ヶ月前の3月18日(日曜)。去年は3月26日、一昨年は3月6日だった。大抵3月中にある。私が渡英したのは4月だったから、その年の母の日は終わってしまっていたのだ。Mothers_day_world

 ちなみに、日本だけでなく、アメリカ、カナダ、ドイツ、イタリア、オーストラリア、中国など、多くの国が5月の第2日曜を母の日としている。
 

☆キリスト教の慣習が日に影響
 イギリスの母の日の日にちが違うのは、”Mothering Sunday(マザリング・サンデー)”に由来していると言われている。どちらの表現も対して変わらないじゃないかと思われるかもしれないが、意味は大きく違う。これは、パンケーキデー、イースターなどと同様、キリスト教が関係している。

 マザリング・サンデーとは、レント(Lent、四旬節、大斎節、受難節)の第4日曜日、イースターの40日前の日曜日のことである。
 今ではかなり稀だが、昔は、実家を離れて住み込みで働いている家政婦や使用人の人が多かった。これらの人達は、日ごろ遠く離れているため、マザー・チャーチ(mother church)という、それぞれの人にとって馴染みのある地元の教会に通えずにいた。しかし、このマザリング・サンデーだけはお休みをもらって、地元の教会に行くことができたのである。
 教会で祈りをささげるのが主目的だが、地元に帰ると、当然、実家の両親にも会うことができる。この機会に親孝行を、ということで、名前も似ている母の日がこの日に決まったようだ。
 

☆マムの日にマムの花を
Photo_11  日本では、母の日の贈り物として真っ先に思い浮かぶのは、赤いカーネーションだろう。こちらイギリスでも母の日に花を贈る習慣がある。バラやチューリップやガーベラなど。ただ、伝統的な母の日の花は、ピンクのカーネーションと白い菊。

 「白い菊だなんて、亡くなった人、仏壇や墓に備える花で、母親にあげたら気を悪くするんじゃないか。」と思われるかもしれない。しかし、イギリスでは、菊はバラやチューリップのように部屋に生ける一般的な花になっている。

 「菊」を英語で言うと、”chrysanthemum(クラサンサマム)”。略して口語で”mum(マム)”と呼ばれる。”mother (母)”の口語も”mum(マム) ”である。(ちなみに、アメリカ英語では同じ発音で、”mom”と綴られる。)
 「マム(mun、母)の日にマム(mum、菊)を」という語呂合わせで始まった習慣なのだろうか。
 

☆その他の贈り物
 その他の伝統的な母の日の贈り物としては、”Breakfast in Bed(ブレックファースト・イン・ベッド)”がある。「ベッドで朝食」である。母親にとってうれしい「朝寝坊」と「家事代行」の二つを合わせてプレゼントするというもの。子供達が父親と協力しながら、こっそりトーストを焼いたり、ジュースを用意したりして、寝ている母親の元に運ぶのである。
 これも、寝床を汚したくない日本の母親には受け入れがたいものかもしれないが。

 もちろん、最近は、キッチングッズやアクセサリー、香水、チョコレートなどのお菓子をあげる人も大勢いる。いずれにしても欠かせないのが、グリーティングカード。

 習慣は違っても、一番大切なのは、日頃伝えきれていないの感謝の気持ちを表明することだろう。毎年カード一枚で済ましてしまっている親不孝者の私がいうのもなんだが。
 

 私信:おかあさん、いつもありがとう。いつまでも元気でいてください。
 

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