2008年5月26日 (月)

(ふ) ブルボン・ビスケット BOURBON BISCUIT

Bourbon

☆日本のお菓子のブランドがイギリスに??
 スーパーの菓子コーナー。連合いのダイジェスティブビスケットやらチョコレート菓子を探していて、目が点になった。
 「ブ、ブルボン・・・.??」

 ”Bourbon Biscuit (ブルボン・ビスケット)”という菓子があったからだ。縦2cm強 X 横6cmほどの茶色のサンドクッキーの表には、大きく”BOURBON”と文字が刻まれている。
 日本の菓子メーカーの「ブルボン」のロゴ?にそっくりだ。確か、BOURBONと印された商品もあったような。

Bourbon_retail  イギリスにも日本のものは多く入っているが、もちろん、ブルボン社の商品のわけがなかった。パッケージには、スーパーマーケットの名前が記されていた。スーパーの自社ブランド製品。
 

☆ウィスキー味のクッキー??
 では、この”Bourbon”とは何なのか?
Bourbon_cream  「どこから見てもココアサンドクッキーに見えるが、ひょっとすると、バーボン(Bourbon)・ウィスキー風味のクリームが入っているのかもしれない。」 そう思いながら、買い物カートに入れた。

 お茶の時間、早速、食べてみた。しかし、チョコレートクリームをチョコレート味のクッキーで挟んだ、あっさりとしたココアサンドだった。バーボンの香りは全くしない。
 

☆懐かしいお菓子が続々
 一体、これは何なのか。不思議に思って調べてみた。

 ブルボンは、南ロンドンのバーモンジー(Bermondsey)にあるクッキー会社、ピーク・フリーンズ社(Peek Freans)が1910年(明治42年)に開発した商品。

 この会社は、ジェームス・ピーク氏(James Peek)とジョージ・ヘンダー・フリーン氏(George Hender Frean)によって1857年(江戸時代末期)に設立されたもので、1861年(江戸時代末期)、ガリバルディビスケット(Garibaldi buscuit)を開発して、ヒットを飛ばしたそうだ。

Bourbon_garibaldi  ガリバルディ・ビスケット(Garibaldi buscuit)と聞いても、ピンとこない人も多いかもしれないが、見かけは東ハトのオールレーズンにそっくり。レーズンが入ったクッキーだ。イギリスでも人気のお茶菓子だ。

←こちらは日本のオールレーズン(楽天市場)

 ちなみに、ピーク・フリーンズ社はその他にも数々のヒット商品をだし、1875年(明治7年)にはマリー(Marie)というビスケットを売り出している。そう、こちらは森永製菓のマリーにそっくりのもの。

 オールレーズンも日本のマリーも、ピーク・フリーンズ社の製品との関連性は何も公表されてない。だが、推測するに、ショートブレッドがカロリーメイトとして日本に広まったように、これらのイギリスの菓子も、明治以降になんらかの形で日本に入り、日本の菓子として姿を変えたのだろう。

 イギリスだけでなく、日本の懐かしい味にまで影響を与えたと思われるピーク・フリーンズ社。しかし、1989年(平成元年)に廃業し、それぞれのブランドはアメリカのナビスコ社に吸収されている。
 現在は、ロンドンにあるパンプハウス教育博物館(?)(the Pumphouse educational museum)でのみその様子をうかがい知ることができるようだ。
 博物館のサイトはこちら(英語)。 左のメニューの”Peek Freans”をクリックすると、詳細を読むことができます。 
 

☆で、どうして「ブルボン」?
 で、肝心の「ブルボン」だが、フランスのブルボン王朝(ブルボン家)から名付けられたのだそうだ。そのいきさつはよく分からない。

 ちなみに、日本のブルボン、株式会社ブルボンも、一説には、同じくフランスのブルボン王朝の名前に由来するのだとか。
 バーボン・ウィスキーのバーボンも同じ名前の由来らしい。

 要は、どれもブルボン王朝を介した偶然の一致だったわけだ。
 

☆マヨラーならぬボーブニアーズ
 ブルボンの味は悪くはなかったが、イギリスにはビスケット菓子は溢れているし、日本でもさんざんこの手の菓子は食べてきた。私も連合いも格段、惹かれなかったのも事実。

 しかし、日本でマヨネーズの愛好家がマヨラーと呼ばれたように、イギリスでもブルボンの愛好家の呼称が生まれたほど、一時期は人気を博していたものようだ。(いや今でもそうなのかどうかは不明だ。)

 その名は、”Bourboneers”。ブルボン(Bourbon)自体の発音が、「ボーブン」という感じなので、「ボーブニアーズ」といったところだろうか。
 男性の場合は”Bourber (ボーバー)”、女性の場合は”Bourbonette (ボーブネット)”になるそうだ。
 

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2008年1月28日 (月)

(て) ティーケーキ TEA CAKE

 連合いの毎朝の朝食はダイジェスティブ・ビスケットだった。朝一番は甘いものでなくてはダメで、ご飯もパンも受け付けない。肥満やメタボのもとなんて言葉も耳に入らない。
 だが、さすがに毎回同じものでは飽きるらしく、違う甘い物をご所望になる。ナッツ入りのチョコレートだの、甘いシリアルだの。しかし、それらも長くは持たない。
 こうして、買い物に行く度に連合い用に新規の甘いものを物色することになる。基本はチョコ付き。

 いつものように新規のチョコ製品を探していて目にとまったのが、スーパーのブランドのマローティーケーキ(mallow teacake)というもの。
 スーパーの特価製品だったので、6個入りで0.2ポンド(約40円)と恐ろしく安い。何だかよくわからないが、期待もせずに買い物カートに放り込んだ。

 

☆マローの意味は?
Tea_cake_inside_2  早速、食べてみた。ソフトクッキーのような土台にマシュマロが乗っており、それがチョコレートでコーティングされている。イギリスの菓子なのでかなり甘みが強いが、○永のエンゼルパイを彷彿させるような感じ。
 マシュマロの部分が多く、軽い仕上がりになっている。

 そう、マローティーケーキのマロー(mallow)とは、マシュマロ(marshmallow)のことだったのだ。連合いは「もしかして、日本のエンゼルパイはこれを真似たものなのかな。」と言っていた。


☆本当の(マロー)ティーケーキ

Tea_cake_tunnock  その後、スーパーの店頭で、スーパーブランドのマローティーケーキの隣に、同じ形をしたティーケーキをいう商品を見つけた。タンノック(Tunnock's)という会社のものだった。

 イギリスでは、キットカットにしても、ショートブレッドにしても、オリジナルに酷似した商品をスーパーが作って売り出すことが多い。きっと、このタンノックのものがオリジナルなんだろうということで、またもや買い物カートに放り込んだ。10個入りで0.7ポンド(約140円)。
 

☆イギリスの「お茶菓子」
 このタンノックのティーケーキ、イギリスでは誰もが知っている古いお菓子で、アフタヌーンティーなどでよく食べられてきたのだそうだ。スーパーだけでなく、小さな売店にも置いてあったりもする。

 前述のスーパーのマローティーケーキのように「マロー」が入っているのだが、単に「ティーケーキ」と呼ばれることが多いようだ。
 イギリスにはもう一つ、ティーケーキと呼ばれるレーズンパンのようなものがあり、それと区別するときは、「タンノックのティーケーキ」と言うそうだ。
 いずれにせよ、「お茶菓子」という名の菓子が複数あるところが、さすがお茶の国という感じがする。


☆スコットランド生まれの懐かしい菓子

 ティーケーキはイギリスのスコットランド生まれ。トーマス・タンノック(Thomas Tunnock)氏が1890年に創業した焼き菓子店の商品がオリジナルのようだ。
 他のイギリスの古い菓子メーカーは、時代の流れとともに次々と大手の海外メーカーに吸収合併されている。そんな中で、タンノック社(Thomas Tunnock Ltd.)は、今でも家族で営む同族会社として昔ながらの味をイギリス中に届けている。タンノック社のサイトはこちら(英語)。

 他の製品としては、ワッフルの中にカラメル味のヌガーのようなものが入ったカラメルワッフル(caramel wafers)や、マローの周りをチョコとココナッツフレークで覆ったスノーボール(snowball)などがある。どれも包み紙からして何だか懐かしい感じ。

Tea_cake  ティーケーキの個包装のパッケージも銀紙に赤と、レトロ感が溢れている。10個入り、6個入り、ばら売りの他、外側がミルクチョコレートではなく、ダークチョコレートになったものもあるそうで、日本へのお土産にもいいかもしれない。
 

☆正統派はマシュマロがとろけている
 タンノックのティーケーキ、見かけは前述のスーパーブランドのマローティーケーキと同じなのだが、中が微妙に違っている。
 マシュマロの部分がもっとふわふわクリーム状なのだ。弾力があるというよりは、とろっとしている感じ。マシュマロを火であぶると中身がとろっと溶けるがそんな感じの柔らかさだ。

Tea_cake_mands 明らかに、いわゆる「マシュマロ」とは異なるものだが、パッケージにはしっかり、「マロー(mallow)」や「マシュマロ(marshmallow)」と記されている。
 他のスーパーブランドのティーケーキも食べてみたが、こちらも「マロー」と記され、とろけたクリーム状だった。

 クリーム状なのでカロリーが高いように感じられるが、マローの部分はマシュマロ同様、脂肪分は殆ど含まれていない。
 カロリーは1個(24g)あたり90〜100kcal。ちなみに、日本のエンゼルパイが1個(32g)あたり140kcalだそう。ティーケーキのほうが甘みは強いが実はカロリーはやや低いようだ。

 私はいわゆるマシュマロの入っているもののほうが好きだが、連合いにとっては、タンノックのもののほうが美味しかったそう。Tea_cake_jam
 

 ティーケーキだが、砂糖なしの濃いコーヒーと一緒にどうぞ召し上がれ。
 

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2007年12月24日 (月)

(く) クリスマスプディング CHRISTMAS PUDDING

Xmas_pudding☆クリスマスの定番デザート
 日本でクリスマスのデザートといえば、生クリームなどでデコレーションされたクリスマスケーキが一般的だろう。

 しかし、こちらイギリスのクリスマスに欠かせないのはケーキではなく、クリスマスプディング。プディングといっても日本のプリンとは全く異なり、焦げたフルーツケーキかこってりしたチョコケーキといった見かけのデザート(?)である。
 

☆クリスマスプディングの作り方
 濃そうな見かけとは随分違い、実際はドライフルーツやナッツをたっぷりと含んだどっしりした蒸しケーキだ。

Xmaspudding_inside  ドライフルーツは、白(黄)ブドウ種のサルタナ・レーズン、レーズン、ドライアプリコット、オレンジピール、レモンピールなど。ナッツはアーモンド、ピーカンナッツ、クルミなど。中にはリンゴやドライチェリーが入っているものもある。

 これらに、小麦粉、卵、バター、砂糖(ブラウンシュガー)、パン粉、ナツメグなどのスパイス、そしてラム酒やブランデー、コアントローなどのリキュールを、ケーキを作る要領、順番に加えてよく混ぜ、ボウルに入れる。そして、数時間から7、8時間オーブンや蒸し器でで蒸せばクリスマスプディングの出来上がりだ。
 詳しい作り方はこちらのBBC foodのサイトをどうぞ(英語)。動画で作り方をご覧になれます。

 これをクリスマスの当日に再度蒸して温かい状態でいただくのである。
 

☆クリスマスプディングとおせち料理
 一般家庭では、クリスマスの数ヶ月から数日前に作って味をなじませておくのだそうだ。当日に間に合うように前々から準備しておくところが、日本のおせち料理の感覚に似ているのかもしれない。

 おせち同様に縁起物でもあり、作る時にボタンやコインを1つだけ入れて、取り分けた際にそれが当たった人は幸福や富や健康が得られるのだそうだ。また、下の写真のような裁縫の時に使う指ぬきに相当するシンブル(thimble)が入っていると、女性は一生独身、指輪が入っているとその年内に結婚すると言われている。

←シンブル(楽天市場)

 
☆茶碗蒸しではありません。

 しかし、日本でも出来合いのおせちが増えているように、いやそれ以上に、イギリスでも市販のクリスマスプディングが出回っている。ハロウィーンが終わる11月頃から、店頭に山のように一人分や数人分のクリスマスプディングが置かれている。

Xmas_pudding_package  赤や金色などのクリスマスらしいパッケージを開けると中にあるのは足のついたボウル型のプラスティック容器。これが、日本のスーパーの冷蔵コーナーで売っている出来合いの簡易茶碗蒸しの入れ物そっくりなのだ。食べる時に茶碗蒸しと同様、上のビニル蓋に数箇所穴を開けて、電子レンジで温めるようになっている。

 なんだか興ざめの市販のクリスマスプディングの容器だが、温めるとリキュールのいい香りが漂う。プリンのように皿に逆さに移すと、手作りと見分けのつかないクリスマスプディングの出来上がりである。
 

☆お味は?
 味はしっとりした濃厚なフルーツケーキという感じである。といっても、日本のフルーツケーキとはだいぶん異なるように思う。まず、スポンジ生地よりもドライフルーツがメインで、かなりリキュールが効いており、そして、温かい状態でクリームやアイスクリームなどと一緒にいただくのが通常だからだ。火をつけたブランデーをかけることもある。

 温められたクリスマスプディングは、リキュールの香りがなんとも言えず、ブラウンシュガーの苦味がほんのりして、コーヒーとよく合う。まさに大人のデザートという気がする。

 クリスマスプディングの時期になると、クリスマスプディングにかけるためのブランデーバターやコアントローなどのリキュール入りの特濃生クリームクリーム(extra-thick cream)などがよく出回っている。
 最初は濃そうだと敬遠していたが、物珍しさでかけてみたところ、なかなかよく合っていた。

 
Xmas_pudding_served イギリスのクリスマスプディング。アルコールの香りやドライフルーツが苦手な人にはお勧めできない一品だが、ビール一杯で顔を赤らめる連合いもなぜかクリスマスプディングはお気に入りのようでいつもパクパク食べている。
 といっても、ずっしり詰まっているので直径10cmほどのものでも重さ約500g。生クリームがたっぷりの日本のクリスマスケーキと同様、少人数だと最後は辛くなることもあるが。
 
 
 ちなみに、手作りのものにしても、市販のものにしても、常温で何日もそのまま置かれている。衛生上大丈夫なのかと心配になるかもしれない。しかし、ブランデー、ラム酒、コアントローなどのリキュールをたっぷり含んでおり、密閉されて加熱されているので、何週間何か月も、物によっては半年はもつのだそうだ。
 

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2007年12月17日 (月)

(み) ミンスパイ MINCE PIE

Mincepie  クリスマスや新年のときにイギリス人が挙(こぞ)って喜んで食べるのが、ミンスパイだ。街のスーパーでもこの時期になるとミンスパイの箱が並ぶ。
 

☆「挽肉パイ」?
 ミンス(mince)とは、ミンチ肉、挽肉(ひき肉)のこと。だから、直訳すると「挽肉パイ」となる。
 イギリス人、特に女性は皆、ミンスパイが好きなようで、ミンスパイの美味しさが話題になる時がある。しかし、食べ物の話になると特に熱心に耳を傾ける私達夫婦も、「こっちの人は、こってりした肉料理が好きだなぁ。」と感心するだけで、あまり興味を持てずに聞き流してしまっていた。

 ところで、クリスマスが近づくとよく頂戴する菓子があった。小さいタルト生地の中にドライフルーツが詰まった菓子だ。甘酸っぱいしっとりとしたドライフルーツに、ほんのりと嫌味でない程度に効いたスパイスと香ばしいナッツが混ざり、サクサクとしたタルト生地によく合っている。
 大きさは、直径5~7cmほどで、とても小さく食べやすい。連合いはそれほど好きではないようだが、私は結構気に入っていた。何という名のお菓子だろうと気になっていたものの、わざわざ尋ねることもなく日が過ぎていった。

 ある時、店中を歩いていて気が付いた。あの頂き物のお菓子が店頭に並んでいる。そして、そこには「ミンスパイ(mince pie)」という表示が。何かの間違いかと思って違う商品を確認したが、やはり同じ。挽肉もパイ生地も使われていないあのお菓子の名前は、ミンスパイだったのだ。
 

☆肉が入っていない挽肉パイ
 ミンスパイはイギリスのクリスマスや新年の伝統的な菓子である。イギリスでは、16世紀ごろからクリスマスに食べられてきたそうで、昔は名前の通り、挽肉が入っていたそうだ。当初は、ドライフルーツの他、羊肉やうさぎや鳩、雉(きじ)などの肉やレバー、、酢漬けのマッシュルームなども入っていたらしい。

Mincepie_inside  現在では、挽肉の入っていないドライフルーツだけのものが主流である。中は、レーズン、サルタナ(スルタナ、黄ぶどう)、カラント(房スグリ)、チェリー(さくらんぼ)、レモンピール、オレンジピールなどのドライフルーツに、くるみやアーモンドなどの砕いたナッツ類が入っており、ナツメグ、シナモン、クローブなどの香辛料とブランデーやラム酒などのアルコールで風味付けされている。

 このミンスパイの中身の部分だけが詰まった瓶詰めも売られており、その名も、「ミンスミート(mincemeat)」。直訳して「ミンチ肉(挽肉)」である。
 やはり肉は入っていないが、もちろん誰も挽肉と間違えないようだ。常温の瓶詰めだし、通常、挽肉は、”beef mince(ビーフ・ミンス、牛ミンチ)”といったように、「肉の種類」+「ミンス(mince)」と2語で書かれているのに対して、ミンスミート(mincemeat)はこれで1語。ミートソースか何かだとずっと勘違いしていたのは、こちらの風習に疎く英語の拙い私達ぐらいなのかもしれない。
 瓶詰めは大体400gほど入って、1~2ポンド(約2~400円)。生地だけ自分で作って、瓶詰めのミンスミートを詰める人も多いようだ。

 ミンスパイからどうして挽肉がなくなったのかは、定かではないのだが、クロムウェルの清教徒改革(ピューリタン革命)による禁欲主義政策で、他のクリスマス行事と同様にミンスパイが禁止されたことが関係していると指摘する人もいるようだ。
 
 また、タルト生地(shortcrust pastry)だけでなく、パイ生地(puff pastry)のミンスパイも普及している。元々、イギリス料理には、パイと名前が付いていてもパイ生地ではなくタルト生地やマッシュポテトの生地を使っているものも多い。ミンスパイもその一つと考えていいかもしれない。
 

☆作るときも食べるときも要注意?
 ミンスパイはクリスマスの菓子だけあって、キリスト教にまつわる話や迷信も多い。

Mincepie_star  まず、ミンスパイの上には、大抵、星の形をした生地が乗っている。これは、クリスマスツリーの一番上に付けられる星と同様に、イエス・キリストの誕生の際に東方の賢者達をイエスのもとに導いた星を表しているそうだ。

 そして、クリスマスの12日間、つまり、キリスト誕生のクリスマスから1月6日の御公現の祝日(the Epiphany)まで、毎日1個のミンスパイを食べると幸運になると言われている。

 しかし、しゃべりながら食べてはならず、願い事をするなら、そのクリスマスシーズン最初のミンスパイを食べるときにしておかなければいけないそうだ。
  また、どんなミンスパイでもOKというわけではない。時計回りにかき混ぜられたミンスミートが詰められていないといけないそうだ。ミンスミートを反時計回りにかき混ぜると翌年は不幸になるといわれている。

 
 今年のクリスマスは、我が家もクリスマスプディングに加えて、ミンスパイを登場させる予定だ。もう何年も前から食べ続けてきたかのように、「やっぱりこの時期はミンスパイだよね。」と連合いとうなづきながら食べてみたい。

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2007年11月19日 (月)

(ほ) ホワイトチョコ・ミルクデザート WHITE CHOCOLATE DAIRY DESSERT

 ここのところ少々ハマっている市販のデザートがある。一般名称がわからないのだが、ホワイトチョコレート・ミルクデザート(white chocolate dairy dessert)というもの。日本でもお馴染みのネスレ社が出しているものだ。
 

☆イギリスの中堅ブランド「ミルキーバー」
 日本では販売されていないが、イギリスでは「ミルキーバー」というブランドのチョコレートバーが出されている。イギリスでは、いろんな種類のチョコレートバーが出回っているが、「ミルキーバー」はホワイトチョコレートを使ったもの。ネスレ社によると、イギリスには1937年に発売されて約70年の歴史のあるお菓子だそうだ。おそらくイギリスでは誰もが知っている菓子ではないだろうか。

White_chocolate_dairy_dessrt  その製品名のついた冷たいデザート。スーパーの店頭で時々見かけていたものの、よくある子供用の甘い菓子だろうと思って、今まで手を伸ばすことがなかった。ある日、値引きになっていたのを機に、何の気なしに買い物カートに放り込んだのが始まりだ。4個入りで1ポンド(約200円)だった。
 

☆新感覚のデザート
 正直言って、イギリスの市販のデザートは甘いだけのものや、甘くて脂肪分が高いだけのものが多い。プリンも自分で作ったほうが美味しいぐらいだった。だから、このデザートにも何も期待していなかった。甘いだけのミルクプリンだろうと思っていたのだ。

White_chocolate_dairy_dessert_textu  開封して、まずその中身にちょっと驚いた。プリンやゼリーのような固形ではなく、カスタードクリームのような液状のクリームだったからだ。
 そして、一口。確かに甘い。しかし、こってりしすぎず、適度にホワイトチョコレートの味が効いている。とろりとした触感も美味しかった。

 今までに食べたことのないデザートだった。誤解を恐れずにいえば、ホワイトチョコレートと練乳を足して、カスタードクリーム風に仕上げたような感じ。イギリスの甘すぎる菓子に閉口していた私も、こってりした脂肪分の高い食べ物が苦手な連れ合いも、あっという間に食べきっていた。
 

☆中身の詳細は?
 材料は、イギリスでは普通の牛乳としてよく飲まれているスキムミルク(31.7%)、クリーム(21.5%)、ホワイトチョコレート(15%)、牛乳、その他、砂糖、ゼラチン、コーンスターチなど。あながち上記の例えもおかしくないかもしれない。

 甘さがあるのでさぞかしカロリーが高いだろうと思ったが、1個80gでカロリーは184キロカロリー。女性用の茶わんでごはん1杯分。プリンとさほど変わらないようだ。
 

 通常は4個入りで1.5ポンド(約300円)。物価の高いイギリスで暮らす貧しい我が家にとって、お値段までまろやかだ。
 

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2007年7月19日 (木)

(し) シフォンケーキ CHIFFON CAKE

 イギリス暮らしも早数年の我が家。渡英して間もない頃はイギリス暮らしの不便さに途方にくれ、あれもこれも日本から持ってくればよかったと思う日も多かった。

 しかし、探せば案外イギリスにも似たようなものや代用できるものがある。周りの人の生活を見ているうちに、暮らしもだんだんシンプルになっていき、さほど日本の物を切望することも少なくなった。

 しかし、一種のマイブームとでもいうのか、たまにどうしても食べたいものがある。シフォンケーキだ。中央が空洞になったふわふわした軽い口当たりのケーキ。
 

☆シフォンケーキが見つからない
Chiffon_cake シフォン(chiffon)とは、スカーフなどによく使われる絹などの軽く柔らかい織物のこと。「ぼろ切れ(rag)」を意味するフランス語に由来するそうだ。

 「フランスのケーキなのだから、当然、イギリスにもあるはず。」
 そう思って、あちこちのケーキ売り場や菓子コーナーを覘いたが見つからない。
 プリンにしても、スフレチーズケーキにしても、見つからないときは手作りしてきた。シフォンケーキもそうしようと思ったが、肝心の型がない。またもや、シフォンケーキの型を探して、あちこちの店をまわることになった。
 

☆パンダンケーキ?
 結局、適当な型も見つからず、諦めてかけていたある日、オリエンタル食品店においてあったあるケーキに目がとまった。
 「もしや・・・シフォンケーキ??」
 中央に大きな穴のあいた高さのあるケーキだった。しかし、名前は、”Pandan cake(パンダンケーキ)”と記されていた。価格は2.5ポンド(約500円)ほど。

Chiffon_cake_pandan_cake  夕食後、早速、いただくことにした。わくわくしながら包丁を入れると、中は鮮やかな黄緑色。一瞬ぎょっとした。イギリスの菓子の中には、特に子供用など人工着色料などで鮮やかに色が付けられている物も多い。まさかこれもと怯んだが、ココナッツのとてもよい香りがする。生地もふわふわで美味しそうだ。

 誘惑に負けて食べ始めた。まさにシフォンケーキ。しっとりしてとても美味しい。パサパサしたケーキが苦手な連合いも大喜びだった。

 それにしてもパンダンとはなんだろうと思って調べてみた。パンダン(pandan)とは、日本ではニオイタコノキ(匂いタコの木)と呼ばれている熱帯植物のこと。葉に独特の芳香があり、幹からタコの足のように太い気根が出ていることから、この名が付いたようだ。

 パンダンの葉は、タイなどの東南アジア料理で、や肉に香りをつけたり、デザートの香料として用いられたりしているもののようだ。
 パンダンケーキが黄緑なのは葉から絞った汁を使っているから。人工着色料ではなく、天然のクロロフィルの色だったというわけだ。

 パンダンケーキは、国によっては、パンダン・シフォンとして知られているそうだ。やっぱりシフォンケーキだったのだ。

 一般のイギリスのスーパーで見かけることはないが、もちろん製造はイギリス国内。シフォンケーキが簡単に手に入らないイギリスで、このケーキは重宝されそうだ。
 

☆エンジェルケーキ=シフォンケーキ?
 シフォンケーキの特徴はあのふわふわ感だろう。バターではなく植物油を使い、ベーキングパウダーでなく泡立てた白によって生地を膨らませているのも特徴の一つ。

 エンジェルケーキ(angel cake)という名の同様にふわふわしたケーキもシフォンケーキに分類されることがある。しかし、こちらは植物油も使わず、クリームターター(Cream of tartar、酒石酸)というベーキングパウダーの一種を加えるもの。

Chiffon_cake_angel_cake  また、イギリスでは、エンジェルケーキは一般にシフォンケーキではなく、写真のようなバタークリームがサンドされたカラフルな層状のケーキをさすようだ。残念ながら、質感は普通のスポンジケーキと同じ。
 

☆イギリスにシフォンケーキがないのは?
 それにしても、一般のイギリスの店でシフォンケーキが見つからないのはどういうわけか。
 実は、シフォンケーキは、フランスではなくアメリカ生まれ。今から約80年前の1927年(昭和2年)、カリフォルニアの保険勧誘員であり、同時にケーキの宅配業をやっていたハリー・ベイカー(Harry Baker)氏が考案したものだと言われている。

 むろん、ロンドンなどの都会に行けば、もしかしたら簡単に現地流にアレンジされたシフォンケーキが手に入るのかもしれない。しかし、一般にイギリスでシフォンケーキを見つけるのはなかなか困難なようだ。

 日本人の感覚からすると、イギリスなんてアメリカと似たようなものという感じがする。しかし、実際イギリスで暮らしてみると、むしろ、日本とアメリカの共通点のほうが多いことに気付く。
 勝手な想像だが、シフォンケーキも、アメリカから日本にすんなりやってきて広まったものの、イギリスを始めヨーロッパ圏ではまだまだ馴染みの少ない菓子なのかもしれない。
 まぁ、見つからなかったおかげで、パンダンケーキを知ることができたわけだが。
 

 まだ、シフォンケーキの型すら手に入れていない我が家。しかし、そのうち美味しいシフォンケーキを作って、周りの人に振舞ってみたいと思う。もちろん、現地の人の好みに合わせて、たっぷりの生クリームを添えて。その感想はまた後日、追記しますので、お楽しみに。
 

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2007年5月28日 (月)

(ふ) プリン CREME CARAMEL

☆プディングの国なのに、プリンがない?
 イギリス料理といえばパイかプディングと言えるほど、イギリスにはプディング(pudding)と名の付く料理やプディングに分類される料理が多い。
 例えば、クリスマスプディング、サマープディング、ヨークシャープディング、ブラックプディング、ライスプディングなど。イギリスのデザートのクランブルやトライフルもプディングの一種だ。プディングについては後日別の記事でゆっくりとご紹介します。お楽しみに。

 だから、イギリスでもプリンなんて探すのはわけないと思っていた。日本以上にいろんなプリンがあるに違いないと。しかし、探せど探せど、プリンは見つからない。

 もちろん、カタコト英語の私でも、プリンというのは日本語で、英語では、”custard pudding(カスタード・プディング)”ということぐらいは知っていた。しかし、カスタードプディングという名でプリンを探しても見つかることはなかった。

 というのも、イギリスのカスタードプディング(custard pudding)は温かい食べ物だからだ。しばしば、温かいカスタードがプディングと呼ばれるケーキにかかったものが出されることもある。明らかに日本のプリンとは異なる食べ物だ。
 

☆日本のプッ○ンプリンの味? クレーム・カラメル
Creme_caramel_1   日本のプリンに近いイギリスのデザートは、”Crème caramel(クレーム・カラメル)”と呼ばれるものだろう。”Crème(クレーム)”とは、フランス語でクリーム(cream、生クリーム)のことを指す言葉。元はフランスのお菓子のようだ。

 スーパーのデザートコーナーに置かれているものしか味わったことがないのだが、味は、洋菓子店のプリンの味ではなく、子供用のプッ○ンプリンを甘くしたような感じのものが多いように思う。
 原材料を見てみるとが入っていなかった。容器の底には、シールを剥がすと開通する空気穴があいており、プッ○ンプリンのように簡単に器に盛れるようになっている。値段は、4パック入りで0.65ポンド(約130円)ほど。かなりお手ごろだ。

Creme_caramel_instant_1  また、プリンの素らしき、”Carmelle(カラメーレ?)”というものも市販されている。カラメルシロップが付いており、温めた牛乳に添付の粉を溶かして、冷やし固めるというお手軽なものだ。これも、日本のインスタントプリンの味にそっくりだった。
  

☆グリルが必要なクレーム・ブリュレ
 卵の味のする本格派の市販のプリンが食べたいという場合は、日本でもお馴染みのクリーム・ブリュレ(Crème brûlée)を購入するのがいいように思う。こちらも、”burnt cream(焼けたクリーム)”という意味のフランスのお菓子。

 しかし、一説によると、イギリスのケンブリッジ大学の名門カレッジであるトリニティ・カレッジ(Trinity College)がイギリスでの発祥の起源だとも言われている。そこでは、「ケンブリッジ・バーント・クリーム(Cambridge burnt cream)」や「トリニティー・クリーム(Trinity cream)」と呼ばれ、今でもそういったデザートが食堂でだされているそうである。

Creme_caramel_creme_brulee  うちで時々食べているのは、スーパーの2個入り1.5ポンド(約300円)のもの。ザラメの砂糖(デメララ)が別に付いており、それをふりかけて、グリルでカラメル化させるようになっている。家庭にグリルが普及しているイギリスならではという感じがする。

 クレームカラメルよりも値がはるし、一手間かけなくてはいけないものの、パリパリと香ばしいカラメルとしっとりした生地が調和してがなかなか美味なように思う。上からの高温でサッと加熱し、しばらく冷ますので、中の生地も熱くなっていない。
 些細なことながら、小さい耐熱容器がその都度手に入るのも、貧しい我が家にとってはうれしい限りだ。

 商品のパッケージには記されていないのだけれど、スーパーの調理用品売り場には、時々小型の調理用バーナーが置かれていることがあり、料理番組などでは、このバーナーを使ってカラメル化する方法が紹介されていたように思う。
 

☆パンナコッタ
 卵を使っていないので、プリンとはちょっと違うが、日本でもお馴染み、イタリアのお菓子のパンナコッタ(panna cotta)も普及している。パンナコッタとは、イタリア語で”cooked cream(調理された生クリーム)”という意味なのだとか。スーパーの市販のものは、甘さが強すぎて、個人的にはいまいちだったが、レストランで食べたものは、もっちりしていておいしかった。
 

☆自家製プリン
 クレーム・ブリュレではなく、「プリン」をイギリスで食べたい場合は、残念ながら手作りするしかないようだ。
Creme_caramel_cake  といっても、作るのはとても簡単。牛乳と砂糖を混ぜて、漉して、オーブンで蒸し焼きすればいいだけである。カラメルも砂糖を鍋で煮詰めればいいだけだ。蒸し器で作るという手もあるが、オーブンのほうがすが立ちにくく、スポンジ生地を上から流してプリンケーキにもできるのでお奨めだ。

 正直なところ、自家製のプリンケーキが、イギリスで食べたプリン系の中で一番満足したプリンかもしれない。
 

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2007年3月22日 (木)

(し) ショートブレッド SHORTBREAD

 イギリスのお菓子で有名なものとして、ショートブレッドがある。
 本当はスコットランドのお菓子だそうで、「イギリスの」なんて総称して言ってしまうと、スコットランド人に怒られるかもしれないが。

☆土産物の定番。ウォーカーズのショートブレッド
 ともあれ、ショートブレッドは、紅茶などに並んで、イギリスの土産品として君臨している。一番有名なのが、ウォーカーズ(walkers)のショートブレッド。ロンドンなどの観光名所付近の土産物屋や空港内の店舗でも、ウォーカーズの赤いタータンチェック柄のパッケージがずらっと並んでいるのを目にすることだろう。ウォーカーズのショートブレッドのHPはこちら(英語)。

←ウォーカーズのショートブレッド(楽天市場)

 そして、今ではウォーカーズのショートブレッドは、日本の海外雑貨店でも買えるため、誰しも一度はこのシンプルなクッキーを食べたことがあるかもしれない。
 

☆パンではなくクッキー、クッキーではなくビスケット?
 そう、ブレッドと名が付いてはいるが、ショートブレッドは、パンではなく、クッキーの一種。イギリスではいわゆるクッキーのことをクッキー(cookie)とは呼ばず、ビスケット(biscuit)というので、ショートブレッドも、ビスケットの一種と形容するのが正しいのかもしれない。

 ショートブレッドのショート(short)とは、「ほろほろした」とか「くずれやすい」という意味だそうだ。菓子作りで使われる油脂のショートニング(shortening)と同じ「ショート」。

 ショートブレッドは、見かけだけでなく、材料も作り方もとてもシンプルだ。小麦粉、砂糖、バターを混ぜて押し型のようなものに入れて焼くだけ。家庭でも簡単に作ることができる。
 ほろほろ、さくさくしているのは、つなぎとなる卵を使わないためだろう。粉をバターだけでまとめるので、バターの含有量が高い。なので、案外こってりした味わいだ。
 

☆指型に、ペチコートの裾型? ショートブレッドの種類
Shortbread_shape  形は、ショートブレッドフィンガー(shortbread finger)と呼ばれる、ところどころに穴があけられた短い棒状のものが一番有名だ。
 この形、日本の大塚製薬のカロリーメイトのブロックにそっくりだが、ショートブレッドをヒントにして、カロリーメイトが開発されたそうだから、納得である。

←カロリーメイト(楽天市場)

 次に有名なのが、大きな円を等分に割った扇形のもの。この形、ペチコート・テール(petticoat tails、ペチコートの裾)と呼ばれている。ペチコートとは、現代では女性のスカートの下にはく下着のこと。昔のイギリスでは、スカート状ドレスを指す言葉だったようだ。
 確かに、どれも扇型の弧の部分には、ひだ模様がついている。それにしても変な名前だなと思ったら、一応いわれがあるようだ。

 16世紀、スコットランド女王のメアリー・スチュアートがフランスからスコットランドに帰国した時のこと。連れて帰ったフランス人料理長がショートブレッドを大きな丸型にアレンジし、皆、ケーキのように取り分けて食べたそうだ。そのときに、フランス語で小さなケーキ(small cake)という意味の”Petit Gautelles(ぺチ・ゴーテレ??)”と呼ばれたそうだ。それが、徐々に、イギリス流の呼び方になり、ペチコート・テールとなったらしい。
 
Shortbread_variety フィンガーや、ペチコート・テールだけでなく、普通のクッキーのような丸型のものもよく目にする。これは普通にラウンド(round、丸型)と呼ばれている。

 味の種類は、プレーンが一般的だが、チョコレートつき、チョコチップ入りのものも見かける。中には、ジンシャーブレッドのようにショウガが入っているものもある。
 

☆庶民の味
 ショートブレッドは、土産物専門ではもちろんなく、一般的な菓子の一つ。アフタヌーンティーや朝のお茶の時間に食べたりされることも多いようだ。

Shortbread_tartan  ショートブレッドといえばウォーカーズというイメージが強いが、実際は、ディーンズ(Dean's)など他のメーカーのものも多く出回っており、、スーパーの自社ブランドのものも何種類も出ている。ディーンズ社のHPはこちら(英語)。 

 典型的なフィンガー型のものやペチコートテール型のパッケージはどれも、スコットランドを意識したのか、赤や緑のタータンチェック模様が描かれている。
 赤のものなどは、ウォーカーズに訴えられそうなほどそっくりに見えるのだが、いいのだろうか。

 パッケージはそっくりでも、スーパーブランドの安いものは、値段相応のことも多い。断然ウォーカーズなどのほうがショートブレッドらしく、バターの風味が濃厚で美味しいように思う。
 しかし、油っこいものが苦手なうちの連合いはスーパーブランドのショートブレッドのほうがあっさりしているので食べやすいと言っていた。
 

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2007年1月 4日 (木)

(り) リンゴ飴 TOFFEE APPLE

Toffee_apple  驚いたことに、スーパーの果物売り場に「リンゴ飴」が売られていた。あの、日本の祭りの屋台でよく見かける「リンゴ飴」である。名前は、”toffee apple (タフィー・アップル)”。アメリカではキャンディ・アップル(candy apple)というらしい。
 

☆日本のより食べやすくおいしい?
 私が見かけたものは、日本のものように真っ赤ではなく、あめ色をしていた。ビートから抽出されるベタニンという赤い天然着色料が入っているそうだ。

 見た目はそれほど美味しそうには見えないのだが、これがなかなかの味。 
 外の飴は本当に砂糖を煮詰めて作っただけの飴で、中のリンゴは青リンゴである。飴の甘みと青リンゴの甘酸っぱさがお互いに引き立て合って、個人的には、日本のリンゴ飴よりも格段おいしいように感じた。

 また、リンゴ自体が日本のものより1周りか2周りほど小さいので、途中で飽きることなく、あっという間に完食。大の大人がリンゴ飴に大喜びとは恥ずかしいが、子供の頃以上にむしゃぶりついている自分がいた。


☆意外にもイギリスの伝統スイーツ

Toffee_apple_halloween  最近のエスニックブームで、日本のリンゴ飴が入って来たのかと思ったが、どうやら違うようだ。タフィ・アップルはイギリスの秋の祭であるハロウィーンやガイフォークスナイトによくお目見えするスウィーツだそうだ。10月になると、日本のリンゴ飴のように鮮やかな赤色のものが店頭に並ぶときもある。

 リンゴ飴は、基本的にリンゴと砂糖さえあれば作れ、赤いつややかな見栄えのするものなので、リンゴの収穫時期の祭の品にはもってこいなのかもしれない。

 いつ頃からイギリスでリンゴ飴が食べられているのか、よくわからないのだが、19世紀の終わりごろには既にあったのではないかといわれている。その頃は日本はまだ明治時代である。

 タフィ・アップルメーカー(Toffee Apple Maker)という子供の玩具まで、発売されている(いた?)ようだ。実物を見ていないので、はっきりとはわからないのだが、どうやら、リンゴや洋ナシをセットすると、飴がけ、チョコレートがけして、棒をさすというおもちゃのよう。


 イギリスでもリンゴは一年中出回っているので、スーパーのタフィー・アップルも四季を問わず手に入るようだ。一個、0.4ポンド(約80円)。子供のおやつにちょうどよいかもしれない。
 

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2006年9月 7日 (木)

(し) ジャファケーキ JAFFA CAKE

Jaffa_cake_and_digestive☆オレンジジャム入りのクッキー?
 訳あって、とある施設を何度も訪ねることがあったのだが、訪ねて行く度に、そこで働いているイギリス女性が、紅茶と1 、2枚のクッキーを出してくれていた。

 大抵は、片面がチョコレートコーティングされたダイジェスティブビスケット。が、ある時、同じように片面をチョコで覆われた不思議なクッキーが出された。ふわふわのクッキー生地とチョコレートの間にはオレンジジャムのようなゼリーのようなものが入っていた。

 その場では、名前を聞き損ねてしまったのだが、しばらくして、同じものがスーパーのクッキー売り場に売られているのを発見した。

Jaffa_cake_package  名前は、ジャファケーキ(Jaffa cake)。イギリスに60年以上も前からある、誰もが知っている菓子で、ダイジェスティブビスケットでお馴染みのブランド、マクビティのものが有名だそうだ。12枚入りで、0.7ポンド(約140円)。ミニサイズもある。マクビティー以外にも様々なメーカーのものが出回っており、もちろん、スーパーブランドのものまである。スーパーブランドのものは、たったの0.5ポンド(約100円)だ。Jaffa_cake_mini
 

☆ビスケットなのか、ケーキなのか?
 イギリスでは、クッキーのことを「クッキー(cookie)」とは呼ばず、「ビスケット(biscuit)」と呼ぶのだけれど、今回のこの菓子は、クッキーでもビスケットでもなく、「ケーキ(cake)」と称されている。見た目は明らかにクッキー(以下ビスケット)の部類で、ケーキ売り場でなく、ビスケット売り場においてあるのにである。

 ビスケットであろうと、ケーキであろうと、単なる呼び方の問題で、どっちでもいいじゃないか、と思われるかもしれないが、実は、ここイギリスでは、どちらに分類されるかによって大きく事情が違ってくる。それは、税金の問題があるからである。
 以前にご紹介したように、この国では、日本の消費税にあたる付加価値税(VAT)が採用されている。この税率は17.5%と非常に高いのだが、チョコレートがかかったビスケットの場合は、この税率が適用されるのに対して、ケーキの場合は適用されず、税金がかからないのである。

 現時点では、ジャファケーキは、ケーキとみなされて、付加価値税がかかっていない。実は、この件では、一悶着あって、1991年(平成3年)、ジャファケーキをビスケットとして徴税しようとした政府側と、ジャファケーキがケーキであるとしたマクビティーが、法廷で争ったそうだ。
 ジャファケーキは単なるサイズの小さいケーキで、ビスケットは放置しておくと(湿気を吸って)軟らかくなるが、ジャファケーキは普通のケーキと同じように時間とともに硬くなっていくということを示したマクビティー側が勝訴し、ジャファケーキはケーキということでひとまず、けりが付いたようだ。

 こちらのバラエティ料理番組で、直径50cmはあるジャファケーキを冗談半分に作っているのを見たことがあるのだが、固めに焼かれたスポンジ生地の上に、オレンジゼリーがのり、チョコレートコーティングされて出来上がったものは、確かにケーキそのものという感じだった。作っている過程の映像を見たい方は、このpimpのサイトからどうぞ(英語)。
 

☆オレンジゼリーがポイント
Jaffa_cake_section  実際、ジャファケーキの生地は、ビスケットに比べてふわふわととても軟らかく、軽い。
 真ん中に入っているオレンジゼリーは、マクビティーによると”smashing orangey bit”というものだそうだ。直訳すると、「とびっきりのオレンジっぽいもの」となるのだろうか。詳しいレシピは公開されていないのだけれど、イスラエル産の大きくて皮の厚いオレンジ、ジャファオレンジ(jaffa orange)が使われているようで、そこから、ジャファケーキという名前がついたようだ。今では、ブラックカラントやレモン&ライム、いちご、プラム(杏)、さくらんぼ味のものまで出ている。

Jaffa_cake_large ほんのり甘酸っぱいこのゼリーと、コーティングされたほろ苦いダークチョコレート、そして適度な甘みの軽いスポンジ生地が、程よく調和しているため、見た目ほど濃くなく、案外いくつでも食べれてしまう。また、ゼリーとスポンジケーキが柔らかいため、チョコレートのパリパリとした食感を味わえるのもジャファケーキの魅力の一つかもしれない。
お茶菓子として人気があるのがよくわかるような気がする。
 

☆ジャファケーキとイングランドチームとの関係
 しかし、ジャファケーキのイギリスにおける位置は、単なるお茶菓子で終わっていない。
 現在マクビティーブランドを扱っているユナイテッドビスケット社によると、炭水化物が豊富で低脂肪なため、エネルギー源として最適ということで、ジャファケーキは、サッカーのイングランドチームによって公式に食されているそうだ。
 2002年(平成14年)のサッカーワールドカップでは、イングランドチームのトレニーング食として採用され、そして、2006年(平成18年)には同チームの公式エネルギースナックとして選ばれ、選手用として、なんと108パック(1620枚)のジャファケーキが開催地に持ち込まれたとか。ユナイティッドビスケット社のジャファケーキのサイトはこちら(英語)。

ー最終更新日 26/Dec/2006ー

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