2007年11月 5日 (月)

(う) ウスターソース WORCESTERSHIRE SAUCE

☆マーマイトに並ぶイギリス名産とは?
 知人に付き添って、本屋の料理本コーナーに行った。イギリスの料理人の本や各国のレシピ本の中で目をひいたのが、あるイギリス名産品(?)の本のコーナー。マーマイトの本などが並んでいた。

 マーマイトの本の隣には、何やらソースの本が。”Worcestershire sauce”と書いてある。
 「ウォーチェスターシャー・ソース??」
 知人に訊いてみると、イギリスの有名なソースだという。実はこれ、ウスターソース。

←この本です。(Amazon uk)
 日本への発送も可能のようです。

 そう、日本でもお馴染み、野菜や果物ベースの黒いさらっとしたソース。今では、とんかつソースやお好み焼きソースに追いやられているものの、少なくとも昔は、「ソース」といえば、ウスターソースのことだった。
 

☆これがウスターソース??
Worcestershire_sauce_which  正直に言うと、私はあまりウスターソースが好きではなかった。苦手とまではいかなかったものの、醤油や他の濃厚なソース、マヨネーズ、ドレッシングがあれば、迷わずそちらをかけていた。日本の自宅でもわざわざウスターソースを購入することもなく、気がつけばイギリス。もう何年もウスターソースを口にしていなかった。
 しかし、本を眺めているうちに、久しぶりに使ってみたくなった。そして、気付いた時には、スーパーのソースコーナーで本場のウスターソースを探していた。

 イギリスのウスターソースと言えば、リー&ペリン(Lea and Perrins)のものだろう。冒頭のウスターソースの本の表紙もしっかりと、リー&ペリンのソースが載っている。
 酢やその他のソースに比べると小振りのガラス瓶で、オレンジ色のラベルがレトロな感じ。150ml入りで1ポンドほど(約200円)だった。

 

←日本でも入手できるようですね。(明治屋、楽天市場)

 家に帰って、試しに舐めてみた。見た目は、日本のウスターソースよりも、さらっとした液体。どちらかというと、薄口しょうゆや黒いのような感じ。そして、味も、日本のウスターソースに比べて、さっぱりしており、甘くなく、ピリッとスパイシーな感じ。そして、独特のコクがある。

 日本のウスターソースを長年味わっていなかった私でも、その違いは歴然で、似て非なるもののように感じた。
 

☆日英のウスターソースの違い
Worcestershire_sauce_comparison_2  実際、日本のウスターソースとイギリスのウスターソースは、かなり異なるもののようだ。

 日本のウスターソースの場合、リンゴ、トマト、にんじん、玉ねぎなどの果物や野菜の絞り汁に、砂糖、塩、、香辛料が加えられたものが基本のようだ。酢も米酢やリンゴ酢などが使われていることが多いようだ。

 それに対して、イギリスのウスターソースの原材料は、モルトビネガー(麦芽酢)、スピリットビネガー、モラセス、砂糖、塩、アンチョビの魚醤、タマリンド抽出物、玉ねぎ、ニンニク、香辛料、香料。

 最大の違いは、イギリスのものは、果実や緑黄色野菜を全く使っていないということ。そして、アンチョビとタマリンドが入っているということだろう。

 アンチョビは、ご存知のとおり、カタクチイワシの仲間で塩漬けにされ熟成発酵されたもの。日本でもイタリア料理とともに広まった、塩気と独特の芳香が特有の魚ペーストだ。

 タマリンドは、熱帯原産のマメ科の植物で、果実に酸味があり、インド、タイ、ベトナム料理などで酸味料としてよく用いられるものだそうだ。魚の臭みを和らげる効果もあるのだとか。

 そして、酢や砂糖の違いも見逃せない。モルトビネガーは麦芽大麦を使った酢で、ほんのりクセがある。また、モラセスは黒砂糖・黒蜜の味がする糖蜜。

 一言で、日英のウスターの違いを言い表すと、日本のはフルーティー、イギリスのは大人の味という感じになるだろうか。
 

☆ウスターソースの誕生秘話
 同じウスターソースなのに、こんなに違うのはどういうわけか。その歴史を紐解いてみた。

 イギリスのウスターソースの発祥はとても古く、今から150~200年近く昔にさかのぼる。
  リーアンドペリンのサイトによると、1800年代の初期、当時、イギリスの植民地だったインドのベンガル地方*から帰って来たイギリスの貴族、サンディズ卿が、レシピを持ち帰り、二人の薬剤師に命じて作らせたのがウスターソース(Worcestershire sauce)の始まりだそうだ。
*現在では、インドとバングラディシュに分断されている。

 レシピ通りに材料を調合したものの、全く美味しくない。失敗したと思った薬剤師達は、樽にいれたまま放置してしまった。数年が経ち、廃棄する前にちょっと舐めてみたところ、驚くほど美味しいソースに変わっていた。
 瓶詰めして売り出すと、宣伝もしていないのに驚くほど売れ、たちまちイギリス中の家庭に常備されるほどになったというわけだそうだ。

 その時の薬剤師二人の名前が、ジョン・リー(John Lea)とウィリアム・ペリン(Willliam Perrin)。そして、イギリスの”Worcestershire”地方で作られたソースだから、リー&ペリンのウスターソース(Lea and Perrins Worcestershire sauce)という名になったそうだ。
 今ではイギリスだけでなく、世界中で使われているそうだ。
 リー&ペリン社のサイトはこちら(英語)。ウスターソースの話の絵本やCMをご覧になれます。

 
☆イギリスで生まれ日本で育ったソース
 その著名なウスターソースが日本にやってきたのは、江戸時代末期。明治時代に広まったと言われている。しかし、スパイシーなこのソースは当時の日本の食事に合わず、次第にマイルドな現在のソースに改良されていったのだとか。

 そのうち、とんかつソース、お好み焼きソースなどといった、日本のウスターソースをさらに甘くしてとろみをつけ改良したソースが作られるようになったようだ。

 異国の地の日本で、形状も味も全く違うものにまで進化を遂げたイギリスのソース。
 今では、オリジナルを知っている日本人はごく少数なのかもしれない。
 

☆イギリスのウスターソースの使い方
 では、イギリスのウスターソースは、時代遅れで使い道のない不味いソースなのかというと、そうではないように思う。
 日本のソースでは代用できない、イギリスのウスターソースならではの使い方があるようだ。

・フライや脂っこい料理に
Worcestershire_sauce_scotch_egg  まず、濃厚なソースではなく、酢を主体としたものなので、揚げ物や脂っこいものとよく合うように思う。
 リー&ペリン社のCMでは、フィッシュ&チップスでお馴染み、チップス(フライドポテト)にかけて食べる例が紹介されていた。

 我が家では、連合いの提案で、スコッチエッグにかけて食べてみたが、これは大正解。淡白なスコッチエッグにウスターソースの独特のスパイスが効き、脂っこさもさっぱりして、とても美味しくなった。
 また、特に魚などの洋風の揚げ物やステーキなどにも合いそうだ。
 
・カレーの隠し味に
 また、ピリッとスパイシーでコクがあるので、カレーやシチューの隠し味として使っても美味しいようだ。
 CMでは、肉料理にかけるグレイビーソースの隠し味に使われていた。

・カクテルに
 そして、意外な用途がカクテルのスパイスとして。トマトジュースをウォッカで割ったカクテル、ブラッディ・マリー。このカクテルにウスターソースを数滴入れると、コクが出て美味しくなると言われている。

 これは、1921年、フランス、パリのバーテンダーが始めたのだと言われている。また、メキシコのビールを使ったカクテル、ミチェラーダ(Michelada)にも、ウスターソースが欠かせないようだ。
 今でも日本のバーなどでも、リー&ペリンのウスターソースが置かれていたりするようだ。

 他のソースに押しやられているとはいえ、リー&ペリンのウスターソースは、日本でも時々市販されているようだ。野菜ベースのソースが普及した現在の日本では、却って新鮮で、新しい使い道が生まれるかもしれない。その際は、是非ご一報ください。

 
☆「ウスター」はどこから?
 ところで、日本語の「ウスター」という言葉はどこからきたのだろうか。

 昔、牡蠣油のオイスターソースの味を知らなかった頃、オイスターソース(oyster sauce)とウスターソースは同じものだと思っていた私。てっきり、「オイスター」というのが訛って「ウスター」になったのだと信じていた。

 ウスターの歴史を知った今、「『ウォーチェスターシャー(Worcestershire)』というのが訛って『ウスター』になったのか。」と思い、イギリスの友人に向かって得意顔でこう言った。
 「日本では、ウスターソースって呼ばれてるんだよ。」

 友人は、少しはにかみながら、イギリスでもほぼ同じように呼ばれているのだと教えてくれた。
 そう、”Worcestershire”の発音は、「ウ(ー)スター・シャー」。
 これからは舌を噛まなくて済みそうだ。
 

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2007年10月11日 (木)

(く) グレープシードオイル GRAPESEED OIL

 イギリスにはいろんな種類の食用油が出回っている。オリーブオイルにしても、イタリアン、スパニッシュ(スペインの)、グリーク(ギリシャの)なんてものが、スーパーの店頭に並んでいたり。

 健康と肥満防止を考えて、少しでもヘルシーな油をと色々物色していて、目に入ったのが、サラダ油やひまわり油、ピーナッツ油の隣に並んでいたオイル。
 通常の油の黄色っぽい色とは異なり、マスカットのような美しい緑色をした油だった。
 パッケージには、ぶどうの写真が載っており、グレープシードオイル(grapeseed oil)と記されていた。
 
 
☆ちょっとしか採れない貴重な油??
Grapeseed_oil  グレープシードオイル(grapeseed oil)は、名前の通り、ぶどう(grape)の種(seed)から採った油だ。
そう、アブラナの種からナタネ油が、ひまわりの種からひまわり油が、ごまからごま油が、落花生からピーナッツ油が採れるのと同じく、種子から得られた油。

 これらの他の種子との違いはその油の含有量。他のものは22~55%と多く油を含んでいるのに対して、ぶどうの種の油はたった8~12%ほど。さぞかし貴重で高価な油のような気がする。

 しかし、実際は、イギリスではとても安価。500ml入りのボトルが1ポンド(約200円)。ゴマ油、その他珍しい油が小さいガラス瓶に入っているのに対して、グレープシードはサラダ油やひまわり油と同じ大きなペットボトルに詰まっている。

 実は、グレープシードは、ワイン用に汁を絞った絞りかす(pomace)から採取されたもの。この絞りかすには、種やぶどうの皮、茎の一部が含まれるが、その油の含有量は30~40%なのだとか。 要は、ワイン生産の副産物、廃物利用なのだ。そのため、イタリアやフランス、スペイン、スイスなどのワインの産地で多く生産されている。

←イタリア産のグレープシードオイル(楽天市場)

 イギリスでもワインの生産はおこなわれているが、他の国に比べると、知名度や生産量はかなり低い。イギリスに出回っているグレープシードオイルは、国産もあるかもしれないが、多くはヨーロッパ大陸産のもののようだ。

 日本では、まだ安くてもオリーブオイルと同じぐらいの価格で市場に出ているようだが、日本産のワインもどんどん普及しつつある。そのうち、国産の安いグレープシードオイルが出回る時代になるのかもしれない。
 

☆グレープシードオイルの優れた特徴
 グレープシードのよさは、エコなところだけではない。食用油として、とても優れた特徴を持っている。

Grapeseed_oil_fry  まず、使いやすいということ。他の油と比較して焦げにくく、220℃まで加熱しても煙がでないそうだ。また、油ハネもすくなく、さらさらしているので油切れもいい。
 そして、ビタミンEが豊富なため、酸化されにくく、何度でも揚げ物に使うことができるそうだ。繰り返し使えて廃油を少なくできるという意味でも環境にやさしい。

 また、食しやすいというのもグレープシードオイルのよい点だ。さらさらしており、無味無臭。油なのにあっさり食べやすい。揚げ物も油っこくならないのがうれしい。また、オリーブオイルとは違って、和風サラダにする場合にも使いやすいように思う。
 我が家は、冬場、のつやを出すために、ほんの少量を炊飯器に入れている。

 そして、栄養面でもグレープシードオイルは優れているようだ。ビタミンEが豊富なことに加えて、ぶどうが原料なので、わずかだが抗酸化物質であるポリフェノールも含まれているようだ。
 

☆取り過ぎにはご注意を
 しかし、惜しむらくは、不飽和脂肪酸オメガ-6系ののリノール酸(linoleic acid)が多い油だということ。リノール酸が7~8割に対して、オレイン酸(oleic acid)は15~20%だ
 油が古くなって、リノール酸が酸化されると、発ガンやアレルギーを起こしやすいとして、特に日本ではリノール酸を多く含む油が避けられている。
 
 しかし、グレープシードオイルの場合は、ビタミンEが豊富であるため、リノール酸が酸化されにくいのだそうだ。また、アトピー性皮膚炎などを引き起こしにくいとして、マッサージオイルとしてもよく使われているのだとか。

 料理に使う場合は、少量でも焦げ付きにくいため、通常なら使用量が少なくなり、ダイエット効果があるそうだが、我が家の場合は、クセがなく万能なので、ついつい多めに使ってしまっていた。

 ともあれ、油であることには変わりないので、摂り過ぎにはご注意を。

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2007年6月28日 (木)

(ま) マヨネーズ MAYONNAISE

☆マヨラーが出ないイギリスのマヨネーズ
 日本では「マヨラー」という言葉ができたほど、若者に人気の高いマヨネーズ。チューブを首からぶら下げて、チュルチュルと飲んでいる人もいたそうだが、こちらイギリスではそういうシーンを目にすることはない。

Mayonnaise_bottle_1  まず、イギリスのマヨネーズの多くは瓶で販売されている。最近では、逆さに置ける硬いチューブ容器のものも普及しはじめているが、日本で一般的な星型の口金付きの柔らかい容器は今のところお目にかかっていない。

 そして、中身もかなり違う。色も白っぽく、卵黄の味が薄いような気がする。これはもしかしたら、卵黄を嫌うイギリス人の傾向が反映されているのかもしれない。
 基本的な材料は、植物油、、卵黄、塩と変わらないようだから、おそらくその比率がちがうのだろう。
 
 手作りのマヨネーズレシピもあちこちで公開されているようだ。ご存知のように手作りの場合、材料に生卵を使う。最近では、品質保証マークの普及により、イギリスのもサルモネラ菌の心配がなくなった。そのため、普通の卵が使われているようだが、一昔前までは市販の滅菌卵黄を皆使っていたようだ。
 

☆一部の通は日本のマヨネーズを買っている?
 日本食通の友人とバーベキューパーティーをしたときのこと。テーブルの上には、あの○ューピーのマヨネーズが。聞けば、わざわざ、「天使の絵が載っている」日本のマヨネーズをオリエンタル食材店で買っているとのこと。他の日本食通の家にもしっかりと例のマヨが冷蔵庫に入っていた。

 しかし、一般のイギリス人は、イギリスのマヨネーズで充分満足しているようだ。友人もフライドポテト(chips、チップス)を食べるときは、日本のマヨネーズでは濃すぎるそうで、イギリスのマヨネーズを選択しているそうだ。
 

☆イギリスでは意外に歴史が浅い?
Mayonnaise_tube  現在、イギリスで一番普及しているマヨネーズといえば、ヘルマン(Hellmann's)のマヨネーズだろう。アメリカのメーカーで1905年(明治37年)からあるものだそうだが、イギリスにやってきたのは1961年(昭和36年)。意外に最近になってからだ。

 マヨネーズ自体がいつ頃からイギリスで頻繁に使われてきたのかはよくわからないのだが、それほど昔のことではないのかもしれない。おそらく、これは、長い間イギリスで生野菜を食べる習慣がなかったことが影響しているのかもしれない。

 そもそも、マヨネーズがヨーロッパ各地に広まったのは、1756年(江戸時代半ば)にフランスとの間で勃発した7年戦争が起源だという説がある。あるフランスの司令官が、イギリス領だったスペインのメノルカ島のマオン(Mahon)にやって来て、そこで出されたソースに感動して、レシピを持ち帰り、”Salsa de Mahones (スペイン語で「マオンのソース」)”と呼んだという説である。

 イギリス軍を打ち破った後に発見したソース。「負けず嫌いのイギリス人のこと、案外わだかまりがあってなかなか馴染めなかったのかも。」なんて、勝手に想像してしまう。

 
☆種類も値段もピンきり?
 しかし、もちろん今では、サラダやサンドイッチ、ラップサンドにとイギリスでも、なくてはならない調味料の一つ。
Mayyonaise_aioli_1   ドレッシング同様、様々なマヨネーズが出回っている。ニンニクやバジルが入ったもの、ピリピリ味のものや、オリーブオイルを一部使ったものも多く出回っている。右の写真は、スーパーマーケットブランドのアイヨリ・マヨネーズ。ニンニクとオリーブオイルが入った、元は南フランスのマヨネーズだそうだ。

 また、肥満によるダイエットブームの影響でか、脂肪分半分カットのものや、数パーセントのものも多く見かける。

 スーパーの安いものになると、500mlほどで0.35ポンド(約70円)ほど。対して、メーカー物は同じ容量でも1ポンド(約200円)近くしていたのではないかと思う。価格は格段に違うのに、味がさほど変わらないものも多いような気がする。
 

☆瓶かチューブか?
Mayonnaise_salad  私も連合いも格段マヨネーズ好きというわけではない。そのまま使うことはあまりなく、マスタードや味噌、すりゴマなどと混ぜて使う程度。だから、味の差はさほど気にならない。むしろ、気になるのが使いやすさだ。
 瓶タイプは、いちいちスプーンを使わないといけない。どうして、イギリスには瓶タイプのマヨネーズがこんなに多いのだろうとずっと不思議に思っていた。

 実は、一般に瓶入りのマヨネーズのほうが、チューブタイプのものよりもおいしいそうだ。理由は、ガラス瓶のほうが、ポリエチレンのチューブよりも酸素透過性が少なく、マヨネーズが酸化されにくいからだそうである。

 でも、現在は日本のチューブも酸素が通りにくいように改良されているそうだ。また、イギリスのは硬くて無理だが、日本の柔らかいチューブは空気を抜いて酸化を防ぐこともできる。だから、もしかしたら今はチューブタイプのほうがいいのかもしれない。
 

 ちなみに、マヨネーズの発音はメイアネイズ。日本で「マヨ」と呼ばれるように、イギリスでも「メイヨ」と呼ばれている。
 

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2007年1月25日 (木)

(し) ショウガ [生姜] GINGER

Ginger  ネギと同様に薬味として欠かせないのがショウガ(生姜)。こちらにもショウガは普及しており、毎日和食を食べている我が家には大助かりである。
 

☆小さな鹿の角
 英語のジンジャー(ginger)の語源は、古代インドのサンスクリット語の「(鹿の)角の形をしたもの」だそうだ。確かにこちらで売られているショウガは枝分かれしていて、小さな鹿の角のよう。

Ginger_dish  日本のショウガとおそらく同じもので、日本の倍ぐらいの量が入っていて、0.25ポンドほど(約50円)。使い切れない間にカビが生えてしまったりすることがたまにあるのだが、おかげで今までショウガを切らしたことがない。
 薬味のほか、ニンニクやネギと一緒に炒めて、中華風にしたり、ショウガ焼きを作ったり。ちなみに豚のショウガ焼きはイギリス人にも結構好評だった。

 
☆イギリスではショウガはお菓子か飲み物用
 しかし、普及しているものの、こちらイギリスでは、ショウガがこのように料理に使われることはまだまだ少なく、大抵はお菓子や飲み物に使われる。お馴染みのジンジャークッキー、ジンジャーエールを始めとして、ジンジャーブレッド、ジンジャーケーキ、ジンジャービールなど。ジンジャーティー、ジンジャーチーズケーキやジンジャーアリスクリームなんてものもある。

←ジンジャービール(楽天市場)

 うちの家族はジンジャークッキーが苦手である。こっちのはおいしいかもしれないと思って、一度試したことがある。皆食い意地がはっており、よっぽどのことがない限り食べ残すことはないのだが、ジンジャークッキーだけは違った。結局、数枚食べて、残りは何日も放置された挙句、ゴミ箱行きとなってしまった。なので、ジンジャーブレッド他、ここでご紹介したショウガ味のお菓子はどれも試していない。
 

☆イギリスの生姜糖、クリスタライズド・ジンジャー
 いや、一つだけ、知人に勧められて試したショウガの甘いお菓子がある。”crystallised ginger(クリスタライズド・ジンジャー)”という、ショウガを甘く煮て干して、周りに砂糖衣をつけた菓子である。言ってみれば、ショウガ版甘納豆といった感じ。200gで1.5ポンド(約300円)。

Ginger_sweets  黄金色の周りに、ザラメがまぶしてあり、見た目は、くずれの栗納豆そっくり。甘くておいしそうである。
 しかし、栗納豆のように口に放り込んで後悔した。とてつもなく辛い。ショウガの辛さである。あまりの辛さに唾液が沸いてくる。ヒーヒー言いながら、慌てて飲み物を飲んだ。
 連合いが思わず一言、「これだけは二度と買わないで!」。私もさすがにこれはキツイ、二度と食べたくないと思った。紹介してくれた知人を少なからず恨んでしまった。
 

☆ショウガの効能
 ショウガは、ショウガ目、ショウガ科の多年草。私達が食べている部分は地下茎である。ショウガには、その辛みの成分であるジンゲロールなどが、血行を促進し、体を温める作用をするといわれている。また、強い殺菌力ももつ。香り成分のシネオールは、食欲増進に働き、疲労回復や夏バテ解消に役立ち、胃腸の働きをよくする効果もあるそうだ。風邪を引いた時には、しょうが湯やしょうが飴を服用するといいと昔から言われるが、まさにその通りという感じがする。

 イギリスでもショウガの効能は多少知られているようだ。しかし、日本ほどではなく、風邪のハーブはやっぱりエキナセアという感じで、ショウガは消化を助けるハーブという認識だろうか。

 そして、印象的だったのが、ショウガエキス配合というスキンケア製品の宣伝。フランスの大手化粧品会社ロレアルの一部門、ガルニエ(Garnier)のCMだった。ガルニエは、日本でも出回っているようだが、自然素材成分を売りにしたスキンケア・ヘアケアブランドで、イギリスでも普及している。使っていないので、ショウガの効果がいかほどなのかはわからないのだが、CMは、なんとなく、日本の「プラセンタエキス配合」や「ヒアルロン酸配合」といったノリに近いものだった。
 

Ginger_package  ところで、前述の”crystallised ginger(クリスタライズド・ジンジャー))”のその後だが、200gも入っていたこのお菓子は、1週間も経たないうちになくなってしまった。
 ゴミ箱に消えたのではない。なぜかついつい手が出て、胃袋へ。勧めてくれた知人の言葉が頭の中でこだましていた。
 「最初は、なんだこれは!と思うんだけど、そのうちに病みつきになるの。」

 イギリスオリジナルのものかどうかは分からないが、イギリスに行く方が身近におられたら、土産にリクエストされてみてはいかがだろうか。ただし、クレームは一切受け付けませんので、あしからず。

←同じ味かはわかりませんが、日本にもあるようですね。(楽天市場)
 

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2007年1月18日 (木)

(す) 酢 VINEGAR

  酢といえば、日本では、穀物酢や米酢といった薄黄色の酢が一般的だが、イギリスでは、黒(茶色)と透明のものが主流だ。
 

☆黒い酢、モルトビネガー(麦芽酢)
Vinegar_molt_1  イギリスの黒い酢は、日本で、イタリア料理とともに有名になったバルサミコ酢でも、健康にいいともてはやされている黒酢でもない。モルトビネガー(malt vinegar、麦芽酢)という麦芽大麦(malting barley)を原材料とする酢である。

 麦芽大麦といえば、ビールやウィスキーの材料として有名だ。イギリスは大麦の栽培が盛んだし、パンのお供のマーマイトもビールの精製過程で出来るもの。モルトビネガー(麦芽酢)がイギリスで一般的な理由がよくわかる。
 
 味は、日本で一般的な穀物酢や米酢に比べて、ちょっとクセのある感じ。レモン風味と形容する人もいる。しかし、バルサミコ酢ほどは主張せず、個人的には、しょうゆとよく合うような気がする。

 そして、イギリスで、モルトビネガーといえばフィッシュ&チップス、フィッシュ&チップスといえばモルトビネガーというぐらい、イギリス名物のフィッシュ&チップスにモルトビネガーはかかせない。
 パブでフィッシュ&チップスを注文すると、大きなモルトビネガーのボトルが添えられる。揚げたてのフライにこの酢をたっぷりとかけるのが流儀だ。最近では、合成酢というのだろうか、カラメルを加えた醸造されていない酢(non-brewed condiment)が出される場合もあるようだが。

 また、モルトビネガーは、ピクルスのつけ酢に利用されたり、インド料理のPiccalilliやチャツネを作るのに使われたりしているようだ。

←ハインツのモルトビネガー(楽天市場)
  

☆モルトビネガーが黒い理由
 それにしても、どうしてモルトビネガーは黒いのか。
 モルトビネガーも、日本の穀物酢や米酢のように、二段階の発酵、アルコール発酵と酢酸発酵を経て出来上がる。黒さの理由は原材料の麦芽にある。
 麦芽とは、大麦を発芽させたもので、大麦は発芽の際に蓄えたデンプンを糖に分解する。通常、ビールやモルトビネガーに使われる麦芽は、途中で窯で乾燥(焙煎)されて、臼で挽かれた粉の状態のもののようだ。糖を含んでいるので、焙煎の時間や温度によって、糖がカラメル化し、色付くのである。
 そういえば、イギリスのビールといえば、スタウト(stout)と呼ばれる黒ビールが有名だが、このスタウトも黒い麦芽が原料だ。
 

☆透明の蒸留酢
Vinegar_distilled  もう一つ、イギリスでよく見かけるのが、透明の酢。これは、モルトビネガーを蒸留したもの(distilled malt vinegar、蒸留麦芽酢)である。アルコールを発酵させたホワイトビネガーとよく似ているが、製造方法が異なる。クセがなく安価。うちでは、硬水のため石灰石がたまる電気ケトルの掃除に使っている。もともと食品用なので、一般のライムスケールリムーバーよりも安心だ。
 

☆その他の酢
Vinegar_whatswhat  しかし、イギリス人はモルトビネガーしか使わないのかというとそうではなく、バルサミコ酢やワインビネガー、リンゴ酢など、様々な酢をスーパーで手に入れることができる。実は、米酢も然り。
 
 米酢は、イギリスでは、中華料理や日本料理に使われる酢として認識されている。特に、人気の寿司を作るのに必要な酢として、スーパーの寿司の材料コーナーに、ショウガの甘酢漬けに並んで置かれていたりする。
 

☆イギリス人のためのイギリス産の米酢?
Vinegar_rice  写真の米酢だが、”rice vinegar(ライスビネガー)”の上には、見慣れたマークと文字が。日本の酢で有名なミツカンだ。
 裏を見ると、”Mizkan U.K. Ltd.(ミツカンUK社)”として、現地法人になっている。1998年(平成10年)からヨーロッパをターゲットとして、イギリスに設立されたのだとか。イングランド中西部のスタッフォーシャー(Staffordshire)のBurntwoodというところに本社と工場があるそうだ。
 ミツカンUK社について、詳しく知りたい方は、こちらのミツカンのサイトをご覧ください(英語)。 

 イギリスに住む日本人向けに日本から輸入されたのではなく、現地の人のために現地で作られた米酢。とうとう日本の米酢もここまで来たかという感じである。

 対して、イギリスのモルトビネガーはあまり日本で普及していないようだが、これを機に、どうぞお試しあれ。
 

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2006年10月26日 (木)

(あ) 亜麻仁 [アマニ、フラックスシード] LINSEED

☆亜麻(あま)=リネン≠麻?
 亜麻(あま)と聞いてピンとくる人は少ないのではないだろうか。私もクラシックや日本のポップスの『亜麻色の髪の乙女』ぐらいしか思い浮かばない。しかし、日本でも身近なところに、亜麻の製品がある。

 世界最古の織物といわれる リネン(linen)である。リネンは、シルク(silk、絹)やコットン(cotton、綿(めん))よりも、吸水性・発散性がいいため、日本では夏の衣料の布地としてしばしば用いられる。最近では、素朴で滑らかな風合いから、リネンのキッチンクロス(タオル)が人気のようだ。

プロヴァンス リネンタオル 青/ナチュラル ←亜麻50%のリネンタオル (楽天市場)

 こういったリネンの製品には、「リネン(麻)」と記されていることが多い。なので、私も 「リネン」=「麻(あさ)」だと思っていた。しかし、リネンは、イラクサ目(バラ目)アサ科の麻(アサ)の繊維ではなく、アマ目アマ科の亜麻(アマ)の茎からとった繊維である。布地の意味で使われる「麻(あさ)」とは、亜麻や黄麻、大麻、マニラ麻などの植物から取れる繊維を総称のことだそうだ。

 ここイギリスでもリネンは主要な織物の一つである。北アイルランドのリネンは有名で、その繊維業は北アイルランドの大きな収入源となっていた。1998年に設立した北アイルランド議会のシンボルは、青い亜麻の花である。
 

☆大きめのゴマのような亜麻の種、アマニ
Linseed_and_sesame タイトルの亜麻仁(あまに)とは、その亜麻の花が咲いた後に取れる種のこと。イギリスでは、”linseed(リンシード)”と呼ぶのが一般的なようだが、その他の英語圏では、”Flax seed(フラックス・シード)”と呼ばれているようだ。

 亜麻と聞いてもピンとこないぐらいだから、亜麻仁を知っている訳もなく、スーパーでゴマの隣に陳列されている”linseed(リンシード)”というものを見ても、何だかよくわからなかった。とりあえず、買い物カゴに入れておくかという程度で購入した。

 ゴマの隣にあったのだから、ゴマと同じように使えばいいのだと思って、まずは、炒め物にふりかけて味わってみることにした。
 こちらでは、ゴマは主にパンやお菓子に使われる。なので、市販のゴマは炒りゴマではなく、生ゴマだ。パンやケーキの生地に入れて一緒に焼いてしまうので、予め炒っておく必要がないからだ。
Linseed_magnify 
 私が買ったリンシード(亜麻仁)は、炒られたゴマのような色をしていたが、きっとゴマのように生なのだろうと思った。実際、何粒かつまんで食べてみたが、生ゴマのようにあまりおいしくない。

フライパンに入れて、十分ほど炒ってみた。すると、パチパチ爆(は)ぜる音とともに、香ばしいかおりが。炒りたてを数粒つまんで食べてみる。ゴマとはまた違った香ばしい味がした。確かに、パンの表面やシリアルなどに入っていそうな感じである。連合いの感想は、せんべいのような味がするというものだった。

Linseed_dish  亜麻仁の粒の大きさはゴマの倍ぐらいで、殻もゴマより固い。そのため、プチプチとした歯ごたえを楽しめる。炒め物にふりかけたところ、香ばしい味とともに、とてもいいアクセントになっていた。サラダのトッピングにしてもよさそうだ。ゴマほど特有の香りがせず、主張しないので、案外、何にでも合うかもしれない。

 こちらでは、パンやシリアルのほか、デザートにも使われるようだ。BBCが公開しているレシピの中には、その他の種(ゴマ、カボチャの種など)と一緒に砕いて、アイスクリームに入れるというものが紹介されていた。
 我が家では、早速、ゴマ同様にいつでも使える常備スパイスとすべく、大量に炒って保存した。
 
 
☆亜麻仁油
 亜麻仁は、ゴマのように絞って油をとることができる。そのため、油絵の絵の具の乾性油の材料としても使われていたようである。油絵の具に使われている亜麻仁は、殻が茶色いブラウン種で、日本ではペットフードに入っていることもあるそうだ。疲れた目を冷やして休めるためのアイピローの詰め物としても使われている。

 ブラウン種ももちろん食べることができるが、食用としては、今は、ゴールデン種(イエロー種)がポピュラーである。ゴールデン種は品種改良によって作られたもので、ブラウン種よりナッツのような香ばしい味がするというので人気だそうだ。私がスーパーで見かけたのも、ゴールデン種だった。
 種だけではなく、オイルも市販されている。こちらはリンオイルではなくて、フラックス・オイル(flaxoil)と呼ばれている。これも、風味付けにサラダやケーキに入れるといいようだ。
 

☆流行のオメガ3脂肪酸がたっぷり
 おいしいだけではなく、亜麻仁は、その栄養価の高さでも注目されている。特に、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれるということで、現代人の生活習慣病に効果があると期待されているそうだ。
 オメガ3脂肪酸とは、日本でもサプリメントとしてよく販売されていると思うが、食べれば賢くなると噂された、青魚に含まれる DHA(ドコサヘキサエン酸)や、EPA(エイコサペンタエン酸)、アルファ・リノレン酸などに共通する構造をもつ脂肪酸のことである。オメガ-3脂肪酸は、血液を固まりにくくする働きがあり、中性脂肪を下げる効果があると言われている。
そのほか、亜麻仁には、ゴマのようにリグナンや食物繊維が含まれている。ブラウン種もゴールデン種も栄養価には違いがないらしい。
 

 日本にどれだけ出回っているのか分からないのだが、料理のアクセントとして、サプリメントの代わりとして、一度試されてみてはいかがだろうか。

←日本でも購入可能のようですね。(楽天市場)
 

Linseed_colour  ちなみに、冒頭の「亜麻色の髪の乙女」の「亜麻色の髪(flaxen hair、フラックスン・ヘアー)」だが、実際に亜麻色というのは右図のような色。かなり想像よりも薄い色のような気がする。
 

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2006年9月28日 (木)

(く) 黒砂糖 MOLASSES, DARK MUSCOVADO

☆黒砂糖を探して
 日本に住んでいるときに、毎日のようにあんみつを食べていた時期があった。黒砂糖から手軽に黒蜜が作れることを知ったのがきっかけだった。少しずつ熱は冷めていったものの、今でも大好きな和のデザートの1つである。イギリスに来てからも時々食べたくなる。

 黒砂糖(黒糖)を辞書で引くと”brown sugar(ブラウンシュガー)”となっているが、その名前であの黒砂糖を探してもなかなか見つからない。
 

☆まさに黒砂糖の味!モラセス
 あきらめきれず、スーパーの砂糖コーナーを隅から隅まで探したところ、”Unrefined Molasses cane sugar(未精製"モラセス"糖)”というものを見つけた。パッケージに載っている砂糖の色もこげ茶色で、まさにという感じ。「モラセス」というのが何かわからないけれど、ものは試しと思って買って使ってみた。Molasses_dessert

 中はパッケージと同じ濃い褐色で、しっとり且つキメの荒い砂糖である。早速黒蜜を作ってみた。あんみつにしてみたが、連合いも私も大満足。これぞ黒蜜!これぞ黒砂糖!それからというもの、黒蜜だけでなく、黒砂糖の代わりとして、カレーやシチューのコクを出したいときや、お菓子作りに利用している。

 でも、頭の片隅に何かがひっかかっていた。「モラセス」という名前だ。パッケージにはちょっと大きめに書いてあったので、商品名のようなものだろうと思いつつも、念のために調べてみた。
 

☆モラセス≒ 黒砂糖 - 精製糖
Molasses_refine  モラセス(molasses)とは糖蜜(廃糖蜜)のことだそうである。
 サトウキビから絞った糖液は結晶化され、「結晶(糖分)」と「残りのもの」に分けられる。前者の「結晶」は、その後、精製されて、私達のよく知っている上白糖やグラニュー糖になる。

 モラセスは後者の「残りのもの」にあたる。つまり、糖液から結晶(糖分)を取り除いたもののことらしい。糖分を取り除いたとはいえ、完全に結晶化・分離できるわけではない。だから、モラセスにも砂糖やその他の糖が50%ほど含まれており、甘みがあるそうだ。実際、十分に甘い。

 一方、黒砂糖とは、サトウキビから絞った糖液をそのまま煮詰めたもので、基本的に全く精製していない。
 だから、大雑把に言ってみれば、「黒砂糖 - グラニュー糖=モラセス」という感じ。モラセスは黒砂糖のコクや風味を濃くしたようなものと考えてよいかもしれない。
 

☆「究極の黒い砂糖」
 モラセス(糖蜜)は、一般には液状のものを指すことが多いようだが、私が購入したものは煮詰めてあるのか、しっとりした固形だった。液状のものは、ゴールデンシロップで有名なライル社から、”Black Treacle(ブラック・トリークル)”という名前で売られ、親しまれている。こちらのほうはまだ試していないのだが、黒蜜の味がするのだろうか。

 モラセスは厳密な意味では黒砂糖ではなかったものの、黒砂糖の代わりとして充分使える。黒砂糖に含まれているカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルもたっぷりだ。
 砂糖製造会社であるBillington's社からも、「究極の黒糖」と呼ばれており、クリスマスケーキや大人のチョコレートケーキ、エスニック料理にも最適だそうである。
 

☆本当の黒砂糖は? 
Molasses_brown_sugars_1  では、本当の黒砂糖は? Muscovado(ムスコバド、ムスカバド?)という砂糖が黒砂糖にあたるものだそうである。

 しかし、黒砂糖と同じようにサトウキビから絞った糖液を煮詰めたムスコバドもあるものの、糖液を結晶化して液状のモラセスを除いたものや、製品によっては、普通の精製された砂糖に糖液(又はモラセス)を多く加えたものがムスコバドとして販売されていたりすることもあるようだ。
 だから、ライト・ムスコバドやダーク・ムスコバドという製品が存在する。黒砂糖の味がするのは、未精製(unrefined)のダーク・ムスコバド。

 イギリスでは、ムスコバドは、ブラウンシュガーと同じように、ケーキやクッキーに入れたり、タフィーソースに使ったり、チャツネのコクを出すのに使ったりされているようである。
 

☆ブラウンシュガーではダメ?
Molasses_brown_sugar_cake  ちなみに、ブラウンシュガーとは、普通の精製された砂糖にモラセスを加えたものだそうだ。
 モラセスの含有量はだいたい3~7%のようだ。モラセス含有量の少ないものは色の薄い”light (soft) brown sugar(ライトソフトブラウンシュガー)”になり、比較的多いものは、”dark soft brown sugar(ダークソフトブラウンシュガー)”と呼ばれる。
 これらの、精製砂糖がベースになっているものは、黒砂糖風の味がするものの、黒蜜などにするには、ちょっと物足りない感じがする。

 別名コーヒーシュガーと呼ばれる褐色のグラニュー糖も、ホワイトシュガーに対する言葉として、ブラウンシュガーと呼ばれることがあるが、これは、デメララ(demerara)という名で売られている。
 

☆我が家の結論
 確かに、未精製のダーク・ムスコバドのほうが、塩味が強く、沖縄産などの黒砂糖の味に近いような気もするのだが、黒蜜にしたり、黒かりんとうなどのお菓子にしたりするには、モラセスのほうがより適している感じがする。
 写真でお見せした4種の黒い砂糖がのった皿も、いつの間にか、モラセスの部分を中心に、連合いという名のカブトムシの食害に遭っていた。

 モラセスとダーク・ムスコバド、そして日本の黒砂糖が同時に手に入った方は、是非、食べ比べた感想をお聞かせください。

←ちょっと見かけが違うようですが、日本にもあるようですね(楽天市場)
 

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