2006年8月 7日 (月)

(こ) ゴートミルク [ヤギの乳] GOATS MILK

Goats_milk☆山羊乳
 こちらでは様々なタイプの「ミルク」が出回っている。「牛乳」ではなく「ミルク」と書いたのは、牛の乳だけでなく、ヤギの乳(ゴートミルク、goat milk)や、豆から絞った乳(豆乳、soya milk、ソイミルク)などがあるからである。

 豆乳は日本でも普及しているけれど、ゴートミルクは殆ど見たことがなかったので、面白半分で購入して飲んでみることにした。スキムミルクタイプと普通の低温殺菌の全ミルクタイプがあり、両方を試してみた。
 

☆ラム肉の香りのミルク?
 まずは、そのままカップに注いで、ゴクリ。・・・・・・。独特の強い香りがする。「これは・・・ラム(肉)の香り!」、連合いと二人でつい叫んでしまった。ラム肉はヒツジなので完全に種が違うのだが、似たような個性のある香りが口に残る。

 個人的はラム肉は結構好きなのだが、ミルクにこの香りがついているのはいただけなかった。コーヒーを混ぜれば まだおいしく飲めるかもと思い、カフェオーレにしてみたが、完全にコーヒーの惨敗。コーヒーの香りはゴートミルクの香りにかき消されてしまった。温めたのが却ってよくなかったのかもしれない。

 連合いはまだ比較的飲めるようなので、残ったゴートミルクは連合いのカフェオーレ専用となった。
 製品によっては、かなりマイルドで飲みやすいものもあるが、日本でゴートミルクが普及していない理由がよくわかったような気がした。
 

☆イギリスでゴートミルクが普及している理由は?
Goats_milk_which   しかし、イギリスでは、もちろん牛乳ほどメジャーでないにしろ、普及している。その理由は、おそらく、味というよりも、牛乳を飲むことができない人達にとって優れた代用乳として機能しているからだと推測される。

・牛乳アレルギーの子供でもOK
 ゴートミルクのパッケージには、牛乳アレルギーの子供が、ゴートミルクを飲み始めてから、アレルギー症状を起こさなくなったという例が紹介されている。

 牛乳アレルギーは、牛乳中のカゼインやラクトグロブリンといったタンパク質が抗原となって引き起こされるアレルギーである。

 ゴートミルクは、牛乳と違い、人乳と同様に主要な抗原の一つと考えられるα-カゼインを含まない。だから、上記のように牛乳アレルギーの子供でも、アレルギーを起こさずに、牛乳と同程度、またはそれ以上のカルシウムやビタミンなどの栄養を補給することができ、しばしば、牛乳の代用として用いられるようである。
 ただし、全ての牛乳アレルギーの子供が大丈夫というわけではないので、要注意。

・おなかがゴロゴロしにくい
 また、牛乳を飲んでおなかがゴロゴロする人、下痢をしてしまう人、お年寄りにとっても、ゴートミルクは強い味方である。

 おなかがゴロゴロしたり、おなかを壊してしまうのは、牛乳中の乳糖を分解するラクターゼという酵素が機能しないためである。
 私達は、赤ん坊の頃はラクターゼを皆持っており、母乳の中の乳糖を分解・吸収している。しかし、離乳期を過ぎると徐々にラクターゼが減っていき、分解できなくなった乳糖が腸にたまり、おなかを壊すという乳糖不耐性の人が出てくるのである。

 ゴートミルクは人乳と同様に、乳糖を含んでいるのだが、乳糖の含有量が少ないため、おなかを壊しにくいそうだ。また、脂肪球が牛乳に比べて1/6の大きさしかないため、格段に消化吸収されやすいそうだ。

・ヤギ製品へのなじみ
 実は、こちらでは、日本やアジアに比べて、乳糖不耐性の人の割合は少ない。だから、乳糖不耐性というよりは、牛乳アレルギーが、ゴートミルクが普及している主な理由なのかもしれない。

 また、フランスのゴートミルクチーズ(ヤギのチーズ)もこちらでは普及しており、ゴートミルクというものにさほど抵抗がないのだろう。案外、慣れれば却って牛乳よりおいしく感じるのかもしれない。
 

☆ゴートミルクソープ
 アメリカや日本でも、カナダ産のゴートミルクソープという石鹸がはやっているそうだ。匂いもなく、肌が潤うというので、大変人気があるとか。こちらでも既にあるそうだが、私がそういうものにうといだけなのか、田舎に住んでいるためなのか、まだ見かけていない。

←ゴートミルクソープ(楽天市場)

 
 さて、写真のグラスに入ったミルクは、ゴートミルクが右で、牛乳が左が正解。意外にも、ゴートミルクのほうが白い色をしている。
 

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2006年5月 8日 (月)

(な) 生クリーム FRESH CREAM

 イギリスの生クリームは、シングル(single)、ダブル(double)、ホイップ(whipping)に分かれて、 用途や好みに応じて使えるようになっている。サワークリーム(soured cream)や、クロティッド・クリーム(clotted cream、固形クリーム)も普及している。

☆脂肪分で使い分け?
 この場合の「シングル」、「ダブル」というのは、容量のことではなくて、脂肪分をさしている。Fresh_cream
 シングルクリームは、脂肪率が約18%の軽いクリームで、日本のコーヒーフレッシュに近い感じ。
 それに対して、ダブルクリームはそれよりも乳脂肪濃度の高い(約48%)、こってりしたクリームである。シングルクリームと違って、温めても分離せず、ホイップすることも可能だそうで、用途が広く、よく使われている。日本の生クリームに一番近いものだと思う。

 ホイップクリームは、その名のとおり、泡立てに適したクリームである。脂肪分は 35%ほど。泡立て済みのスプレー缶タイプもある。
 一応、ダブルクリームもホイップできるということになっているが、ブランドにもよるようで、一度、連れ合いがダブルクリームを泡立ててうまくいかなかったそうだから、うちはホイップ用にはホイップクリームを使うようにしている。
 

☆サワークリーム、クロティッドクリーム Fresh_cream_soured_etc
 サワークリームは、生クリームを乳酸発酵させたクリーム。酸味があり、爽やかなので、普通の生クリームの代わりに使ってお菓子の風味を軽やかにしたり、刻んだチャイブ(ねぎの一種)を入れてディップにしたり、料理のトッピングクリームにしたりする。焼いた皮付きのジャガイモ(jacket spud)の間に挟んでもおいしい。

 アメリカ英語では、”sour cream(サワークリーム、酸っぱいクリーム)”と呼ばれるが、こちらでは、”soured cream(サワー・クリーム、酸っぱくさせたクリーム)と呼ぶ。
 味は確かに違うのだけど、サワークリームも、ヨーグルトの一種のグリークヨーグルトもどちらも、脂肪分が高い発酵乳。サワークリームが手元にないときは、グリークヨーグルトを使うのも手かもしれない。

Fresh_cream_thick_ones また、クレーム・フレッシュ(Crème fraîche)というフランスのサワークリームもよく店頭に並んでいる。クレーム・フレッシュは、イギリスのサワークリームの倍の濃さで、リッチな味わいが特徴。言わば、普通のサワークリームが発酵版シングルクリームだとすると、クレームフレッシュは発酵版ダブルクリームといった感じ。
 サワークリームの代わりに使えるほか、脂肪分が約30%と高く加熱しても分離しにくいので、スープやソースに使うこともできる。こちらでは、今やスーパーブランドのものまで出ているくらいメジャーになっているが、入手できない場合は、サワークリームに濃い生クリームを混ぜるといいのだとか。
 ちなみに、クレーム・フレッシュとは、フランス語で「生クリーム(fresh cream)」という意味だそうだ。

 クロティッド・クリームは、柔らかいバターのような黄色っぽい色のクリームである。 クロティッド(clotted)とは、「凝固した」という意味。イギリス南西部のデボン(Devon)やコーンウォール(Cornwall)が産地であるため、デボンシアクリーム(devonshire cream)と呼ばれることもある。
 通常のクリームの水分を蒸発させて作られ、脂肪分が55%以上と非常にこってりしている。無塩のソフトバターのような感じなので、そのまま食べるにはかなりきついが、パンに塗って食べるとおいしい。こちらでは、アフタヌーンティーの時にスコーンにつけて食べたり、アイスクリームに使われたりしている。
 

☆特濃なのは舌触り 
Fresh_cream_extra_thick イギリスには、”extra thick cream (エスクトラ・シック・クリーム)”というものがある。直訳すると、「特濃クリーム」。普段から店頭に置かれているが、特に、クリスマスになると、クリスマスプディングに添えるためにこのクリームを買いあさる人達を多く見かける。
 「特濃」なのだから、脂肪分が非常に高い脂っこいクリームなのだろうと思って、ずっと敬遠してきたのだが、実はこれ、「脂肪分が特濃」なのではなくて、「舌触り、質感が特濃」で、通常の流動タイプ(pourable)と全く同じ成分だそうだ。
 違うのは、製造方法。ご存知のとおり、生クリームは、牛から絞られた牛乳の上にできる脂肪の層を集めたものであるが、低温殺菌後、通常の流動タイプは、ゆっくりとかき混ぜながら冷やされるのに対して、「特濃(extra thick)」クリームは、かき回されずに急速に冷やされるため、しっかりとした舌触りになるのだそうだ。なので、「特濃(extra thick)」なのだけど、ちゃんと、シングルとダブルの両方がある。
 

☆お手ごろ感覚 
 普及しているだけあって、生クリームはどれもおいしく、そして、とても安い。150mlほど入ったものが、シングル 0.3ポンド(約60円)、ダブル 0.5ポンド(約100円)、ホイップ 0.33ポンド(約70円)、サワークリーム 0.4ポンド(約80円)、クレーム・フレッシュ 0.6ポンド(約120円)、クロティッド 0.8ポンド(約160円)。「特濃」タイプは300ml弱入ったものが、シングル、ダブルともに0.9ポンド程度(約180円)。
 日本のように牛乳パックのような入れ物に入っているのではなく、小さめのヨーグルトのような入れ物に入っている。こちらの牛乳のパックのように色分けされており、大体、シングルは赤、ダブルは青、ホイップは緑、サワークリームは紫のようである。
 牛乳と同様にスーパーブランドが主流のよう。大抵のものは低温殺菌なので、開封後は3~5日以内に使い切るように表示されている。
 

☆イギリス人は生クリームが大好き? 
 日本で生クリームを使う時というと、コーヒーや紅茶にに入れたり、ババロア、アイスクリームなどの冷たいデザートに使ったり、ケーキのデコレーションに使ったりするぐらいではないかと思う。あと、パスタのクリームソースぐらい。牛乳の代わりにクリームシチューやグラタンなどに入れると、コクがでるが濃すぎるように思うことも多々。

Fresh_cream_and_fruits こちらでは、生クリームは本当によく使われる。料理番組のレシピはいつもこればっかりじゃないかと思うぐらい、みじん切りにした野菜をバターで炒め生クリームを加えたソースが頻繁に登場しているし、お菓子ではないタルトやパイの中にも入っている。

 また、イギリスのお菓子であるトライフルには大量の生クリームはかかせないし、フルーツケーキやチョコケーキ、クランブルやプディング横に大量のホイップクリームや「特濃」クリームが添えられていることもしばしばである。ホームパーティでも、サマープディングが盛られた皿とともに、ボール一杯の生クリームがまわってきてびっくりした記憶がある。

 これらの生クリームの入った食事を濃厚でおいしいと感じるか、ちょっとヘヴィ(濃い)と感じるかは民族性の違いなのかもしれないが、これらに含まれる大量の脂肪分が体に影響するのは間違いない。

 
 うちは一番小さい100ccほどのものがあれば1週間はもつのだが、スーパーに行くと500ml以上入ったパックを3~4個、ドデンと買う人達をよく見かける。最初は大家族かイベントの買出しかと思っていたが、どうやら皆さん少人数で日常的に消費しているらしい。こちらの人の胃袋にはいつも驚かされる。
 

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2006年4月17日 (月)

(よ) ヨーグルト YOGURT

 牛の放牧をよく見かけるだけあって、牛乳やチーズ、生クリーム、ヨーグルトといった乳製品はよく出回っており、どれもおいしいように思う。特に、ヨーグルトはとろみがあっておいしいように思う。

☆「ヨーグルト」はどこから?
 ヨーグルトの発祥地は、残念ながらイギリスではない。ブルガリアであるとも、トルコであるとも言われている。ヨーグルトを英語で書くと”yogurt”だが、”yoghurt”や”yoghourt”と書かれることもたまにある。発音は、むしろ”ヨガート(最初のヨにアクセント)”といった感じ。日本の「ヨーグルト」という発音は、むしろトルコ語の”yogurt(ヨールト)”からきているようだ。
 

☆プレーンヨーグルト、フルーツヨーグルト Yogurtfruits
 日本のプレーンヨーグルトの多くは、砂糖やシロップの入った小袋が付けられているが、こちらイギリスでは見かけない。低脂肪のものも多く、オーガニック(有機栽培)製品もある。
 人気のイチゴやオレンジの他、パイナップル、リンゴ洋ナシ(pear)、クランベリー(cranberry)、ラズベリー(raspberry)、ブラックベリー(blackberry)などのベリー類や、プラム(plum)、ルバーブ(rhubarb)、タフィ味等々、様々な味のものがある。
 いくつかを試してみたが、どれも適度な甘みで、しっかりした果肉がいっぱい入っていて、なかなかの味だった。
 

☆プロバイオティックスヨーグルト 
 日本同様、こちらにも、いくつかプロバイオティックス(pro-biotics) 製品が置いてある。
 プロバイオティックスとは、抗生物質(anti-biotics、アンチバイオティックス)と対比される言葉で、「摂取することにより、腸内環境を改善し、健康に好影響をもたらす生きた腸内常住菌やそれを含む食品」を指す。簡単にいうと「腸で生きて働く善玉菌(の製品)」。
 日本では、LB〇〇菌が入っているとか、SB〇〇菌が入っているとか、いろいろ株の名前が表示されているが、こちらでは、株名の表示は殆どされていない。”pro-biotics(プロバイオティックス)”とも書かれているが、”bio-live(バイオ・ライブ)”と表示されていることも多い。
 バイオとは、バイオテクノロジーのバイオと同じで、「生命」や「生物」という意味の接頭語。「微生物が生きている」という意味のバイオ・ライブのほうが、簡潔だし、プロバイオティクスという用語を知らない人にも、受け入れやすいかもしれない。
 

☆日本で馴染みのないヨーグルト---グリークヨーグルトはおすすめ! 
 日本であまり目にしないものとしては、豆乳ヨーグルトやゴートミルク(ヤギ乳)、シープミルク(羊乳)のヨーグルトなどがある。Yogurt_nomal_and_greek_style

 中でもお奨めなのが、”Greek (style) yoguet(グリーク(スタイル)ヨーグルト)”。名前の通り、ギリシャ(Greece)で一般的に食されるヨーグルトで、生クリームの八-九分立てのようにしっかりとして、とろりとした舌触りと、クセのない濃厚な味わいが特徴である。

 脂肪分が、普通のヨーグルトでは 3-5% 程度なのに対して、グリークヨーグルトでは 9-10%。かなり体に悪そうに思われるかもしれないが、コーヒーなどにいれるフレッシュクリーム、こちらでいうシングルクリームは20%だし、普通の生クリーム、こちらでいうダブルクリームは40%を越えている。濃厚な味わいの割にはヘルシーである。実際、生クリーム、ホイップクリームの代わりに使っている人も多いようだ。最近では、同じ味わいで低脂肪のものが出ているそうである。
 日本で大流行したカスピ海ヨーグルトにはまだお目にかかっていない。
 

☆イギリスのヨーグルトメーカー(製造会社) 
 こちらで有名なヨーグルトメーカー(製造会社)は、V字の草の葉のマークが目印の Yeo Valley Organic(ヨバリー オーガニック)や、Rachel's Organic (レイチェイルス オーガニック)社など。スーパーブランドのものもある。 Yogurt_yeo_valley_1

 ヨバリー オーガニックのヨーグルトの容器は、こちらでは珍しい外側の包装を外すことのできるタイプ。
 創業は1974年と比較的古いのだが、このような環境に優しい包装にしたり、オーガニック製品に切り替えたり、HPで子供用のページを公開し、ヨーグルトのできるまでの過程を可愛らしいアニメーションで紹介したり、となかなか頑張っている。
 HPでは、その他、農場見学のアニメーションや簡単な塗り絵、ゲームが公開されている。ナレーションや文字は英語だが、言葉のわからない小さな子供でも楽しめる。英語教育にもなりそうだ。ヨバリーオーガニックのHPはこちら(英語)。てんとう虫マークの”Children's club”から子供用ページに入ることができます。

 海外のメーカー、フランスのダノン(DANON)社や、ドイツのOnken(オンケン)社なども幅をきかせている。ダノン社は、世界最大手のヨーグルトメーカーといわれている。日本でも、カルピス、味の素と合併し、プチダノンやダノンヨーグルトといった商品でお馴染みである。
 

☆おいしい手作りヨーグルトケーキ、でも食べ過ぎに注意Yogurt_cake
 我が家では、無糖低脂肪のオーガニックナチュラルヨーグルトを、おちび用に定期的に買っている。おちびは喜んで食べている。確かにおいしいのだが、こちらのヨーグルトはどれも賞味期限が開封後3日なので、つい余らせてしまう。そこで、余ったヨーグルトを使って、ヘルシーなヨーグルトケーキを作ることにした。
 材料は、、砂糖、サラダ油、レモン汁、ヨーグルト、小麦粉。順番通りに混ぜて焼くだけというお手軽なものである。こちらの酸味のある果物を入れて焼くと一層おいしく、いくらでも食べれてしまう。
 おかげでヨーグルトが余ることはなくなったが、ぽっこり突き出たおなかをお互い見合って、「このままではヤバイ」と感じているこの頃である。
 

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