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2008年7月21日 (月)

(ま) マンゴー MANGO

 薄暗く霧の立ち込めた肌寒い景色。イギリスにそういうイメージを持っている人は多いかもしれない。いや、実際に、曇りがちな日が多く、冬場なんてあっという間に日が沈み、初夏ですら霧が立ち込めることもある。夏も日が差していないととても寒い。
 そんなイギリス。トロピカルフルーツとは全く無縁のような国だが、意外や意外、様々な南国の果物が一般に出回っており、日本以上に食べられているように思う。

 バナナはもちろんのこと、マンゴー、パパイヤ、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツ、ザクロ、などなど。今回は、そんなイギリスのマンゴー事情についてご紹介したい。
 

☆マンゴーはどこから?
 マンゴーの原産はインド。インドではマンゴーの木は神聖なものと考えられており、マンゴーの木が登場する伝説や神話が多くあるそうだ。今でも年間に約1千万トン以上のマンゴーが生産され、世界一の栽培量を誇っているのだとか。

 紀元前4、5世紀頃に仏教徒の僧侶によってインドからマレーシア、東アジアに伝わり、10世紀頃にペルシャ人によって東アフリカに伝わったと考えられている。そして、16世紀の初期にポルトガル人によって西アフリカやブラジルに伝わったのだとか。アメリカで栽培され始めたのは19世紀の半ば頃。

 イギリスではどうか。マンゴーの栽培に必要なのは充分な太陽と気温。最低20℃以上ないとダメだそうで、イギリスでは温室でのみ栽培が可能だそうだ。それでも開花させたり、結実させるのはなかなか難しい。そのため、インド、パキスタン、プエルトリコ、メキシコ、ブラジル、イスラエル、南アフリカ、ペルーをはじめ、二桁以上の数の国々から年間2千2百万ポンド(約44億円)相当のマンゴー輸入しているのだそうだ。
 

☆イギリスではお手頃なマンゴー
Mango  イギリス連邦のインドや南アフリカなどからの移民が多いせいだろうか、イギリスでは生のマンゴーがバナナやイチゴと同じ感覚で簡単に手に入る。中サイズは1個0.5~ポンド(約100円)。500gほどの大サイズは1ポンド(約200円)と価格もお手頃だ。

 日本では缶詰のマンゴーのほうがずっとメジャーだが、生が簡単に手に入るためだろうか。イギリスでは缶詰のものはあまり見かけないような気がする。
 おちびが大好きなドライマンゴーもよく出回っている。

 しかし、皆、そんなにしょっちゅうマンゴーを食べているのかというと、それほどでもなく、リンゴネクタリンを昼食にかじっている人は見かけても、今のところ、マンゴーを持参している人には会ったことがないような気がする。イギリスで定期的にマンゴーを買っている人は1%ほどなのだそうだ。
 

☆マンゴーの種類
Mango_keitt  中ぐらいの大きさのマンゴーと大きいマンゴー。大きさは違うものの、どちらも果皮が赤と黄色と緑の勾配になっていて、外見はよく似ている。だから、マッシュルームのように生長段階で区別されているのかと思ったが、どうやらそうではないようだ。

 中も同じように山吹色なのだが、中ぐらいのものは見たところ殆ど繊維がないのに対して、大きいものはたくさんの繊維が走っている。中ぐらいのものはケント(Kent)、大きいものはケイト(Keitt)と呼ばれる種類で、イギリスのマンゴー協会(the Mango Association)によると、この二つはイギリスで最もよく出回っているマンゴーなのだとか。

 どちらも種の大きさはほぼ同じぐらいなので、ケイトのほうがお得感があるが、個人的には繊維の少ないケントがお勧め。トロッとしたマンゴーの舌ざわりがたまらない。
 
 日本ではペリカンマンゴーやアップルマンゴーという分類で大きく分けられているようだが、イギリスで出回っているマンゴーの多くは、赤と黄色と緑の勾配の果皮のアップルマンゴーのようだ。

 イギリスのマンゴー協会によれば、その他、イギリスではトミーアトキンス(Tommy Atkins)、ヘイデン(Haden)をはじめ、いろんなマンゴーの種類が出回っているようだ。
 イギリスで出回っているマンゴーの種類はこちらのイギリス、マンゴー協会のページよりご覧になれます(英語)。
 

☆スパイシーなマンゴー料理
Mango_drink  マンゴーを使った料理といえば、マンゴープリンといったデザートを思い浮かべる人も多いかもしれない。イギリスでもレストランなどでマンゴープリンを食べたことはあるが、意外にも日本ほどにはこのデザートは普及していないような気がする。

 では、イギリスでどうやって使われているのかというと、まずは、飲み物。リンゴ&マンゴージュースや、スムージーやラッシーなどが広く普及しているように思う。
 また、アイスクリームやシャーベットなどのデザートに使われることもある。

 面白いのは、肉料理やスパイシーな料理と合せて使われていることだろう。マンゴーはサラダのほか、ソースにも使われている。

Mango_salsa  代表的なのがマンゴーサルサ。メキシコ料理のサルサ(ソース)は、イギリスでもトルティーヤなどと同様にかなり普及している料理の一つだ。
 イギリスでは、主にサルサといえば、みじん切りのトマトと玉ねぎとコリアンダー、そしてトウガラシが入ったサルサ・クルーダ(Salsa cruda)がより一般的だが、このマンゴーサルサは、トマトの代わりにマンゴーが入っている。

 ショートブレッドやポテトチップスのメーカーとしてお馴染みのイギリスのウォーカーズ社からは、マンゴーチリ味のポテトチップスまで出されていた。甘いマンゴーとピリリと辛いトウガラシの味が、とても不思議な感覚なのだが、意外にはまってしまいそうな感じだ。Mango_crisps

 その他、しばしばカレーなどに入れられるインドのチャツネ(Chutney)のマンゴー版のマンゴーチャツネや、スイス料理のロスティ(Rosti)にマンゴーのソースをかけたマンゴーロスティなど。どれもイギリス伝統料理ではないが、マンゴーも他の国の料理の普及とともにイギリスの食卓に浸透して行っているのだろう。

 イギリスのマンゴー協会のレシピでは、ブラックプディングを使ったマンゴーロスティが紹介されていた。そのレシピはこちらの同サイトからご覧になれます(英語)。
 

Mango_pudding☆マンゴーの栄養価
 マンゴーにはビタミンCやビタミンA、繊維質が豊富で、カリウムやベーターカロテンも多く含まれている。ねっとりした食感から、カロリーが高そうに思えるかもしれないが、意外にローカロリー。
 

☆生マンゴーの扱いにはご注意を
 美味しく、ヘルシー。おまけに安価で生のマンゴーが手に入るものだから、我が家ではにわかマンゴーブーム。特に、マンゴープリンをしょっちゅう作って食べていた。

Mango_how_to_cut  果皮が付いたまま縦に3等分して、両端は内側に格子状の切れ目を入れて、ひっくり返し、さいころ状になった果実を切り離す。真ん中の物は果皮を剥いて種の周りの果実をこそげとる。
 
 ある時、連合いがこの作業をすることになった。アボカドのようにポロリと果皮や種が外れればいいのだが、マンゴーの場合どちらもぴったりと付いていて、切り離したり、こそげとったりしても、多少の果実が皮や種に残ってしまう。
 大のマンゴー好きの連合いは、勿体なく感じ、皮や種にかぶりつき、自らこそげとって食べていた。
 
 数日後、連合いの口の周りがひどくただれていた。口の周りに湿しんができ、口角はただれて、口を開けるのも辛いほどだったそうだ。

 実は、マンゴーは漆(うるし、poison oak)やツタウルシ(poison ivy)の仲間で、果皮にはその漆のかぶれの成分が含まれているそうだ。そのため、果皮を食べると口の中がヒリヒリしたり、湿しんができてしまうのだとか。

 美味しいマンゴーですが、調理の際にはご注意を。
 

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