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2008年3月 3日 (月)

(し) 地震 EARTHQUAKE

☆25年ぶりの大地震
 ついこの間の2008年2月27日、ここイギリスで25年間で過去最大の地震が起こった。起こったのは夜中の1時。大きさはマグニチュード5.2の中地震で、震源地はイギリス東部のリンカンシャー(Lincolnshire)。南部のブライトン(Brighton)やスコットランドのエディンバラなど、イギリス全土のあちこちで揺れが観察されたそうだ。一部で多少の家屋の損害はあったものの、死傷者はでなかったようだ。
詳しくはこちらのBBCのニュースをどうぞ(英語)。

 イギリスに住み始めて数年になるが、今まで一度も地震を経験していなかった。日本では年に数度、「今、揺れたよね?」と周りの人とざわざわしていた。しかし、イギリスでは地面に振動があっても、我が家の薄い床板を伝わる近所の大音量の騒音や建設現場の音だったりする。
 こっちの人に尋ねても皆、地震を経験したことがなかったようだ。
 

☆イギリスの地震の頻度
Earthquake_recent  実際、イギリスでは、どれぐらいの頻度で地震が起きているのか。英国地質調査研究所(British Geological Survey, BGS)によると、イギリスでは大体年間に200~300の地震が起きているそうだ。

 結構、頻度が高いように思われるかもしれないが、そのうち、体感できる揺れはせいぜい30ほどで、殆どがマグニチュード3(M3)未満の微小地震。M4以上の中地震でも2年に1回。M5以上の中地震に至っては8年に1回しか起こらないそうだ。
 地震の分布地図は、こちらのBGSのサイトでご覧になれます(英語)。

 一方、お馴染み日本の場合は、M6以上M7未満のものでも年に十数回起きているし、M7以上の大地震でも年に1、2回の頻度で発生している。気象庁が毎月公開している地震の数を集計してみたところ、2006年(平成18年)、日本全国でM4以上の地震は983回起こっていたようだ。

 そう、イギリスでM4の中地震が起こる確率は、なんと、日本でM7の大地震が起こる確率よりも低いのだ。
 

☆イギリスには「震度」はない。
 ところで、地震の大きさや揺れを表すとき、日本では「マグニチュード」と「震度」という単位が使われる。
 ご存じのとおり、マグニチュードは地震そのものの大きさを表す単位なのに対して、震度とはある場所での揺れの程度を表すもの。だから、マグニチュードが小さい極小地震でも、震源地から近ければ大きく揺れ震度は高くなる。逆に、マグニチュードが大きい大地震でも、震源地から遠ければあまり揺れず震度は低くなる。

 一方、イギリスでは、「震度」という単位は使われない。私たちが知っている震度は日本の気象庁が1884年に制定したもので、海外では使われていない。震度を英訳すると、”seismic (intensity) scale* (地震強度の尺度)”だが、海外の人に説明する時にはジャパニーズという言葉を頭につけたほうがよいようだ。*発音はサイズミック・インテンシティ・スケール。

 一応、ヨーロッパではEMS(European Macroseismic Scale、欧州大地震尺度)という12段階の震度表示があるようだが、実際にイギリスで使われているのを見たことがない。大地震の被害を殆ど被っていないイギリスでは、震度表示を使う必要性はあまりないのかもしれない。
 EMSについてもっと知りたい方ははこちらのgeography-siteのサイトをご覧ください(英語)。
 

☆イギリスの有名な地震
 日本では、1923年(大正12年)9月1日の関東大震災、1995年(平成7年)1月17日の阪神大震災、2004年(平成16年)10月23日新潟県中越大震災など、全国で様々な被害をもたらし、多くの人が亡くなった。

 私の家族も連合いも大きな地震を経験し、当時の凄まじい経験を話してくれる。大きな揺れで、も家具も食器も次々に壊れ、電気もガスも水も通じなくなる。家の外に出ると、建物も崩壊し、町の様相がガラッと変わっているという。地域によっては火災が起き、一面が火の海になる。話を聞くだけでも恐ろしい。

 冒頭のとおり、今回の地震はイギリスではここ約25年で最大の地震。それまで、ここ10年で最大だったと言われていたのが、2002年(平成14年)9月23日、イギリスの中西部、バーミンガムの西北西にある町、ダッドリー(Dudley)で起こった、ダッドリー地震だそうだ。ロンドンやウェールズ、ビートルズの出身でお馴染みリバプールでも揺れが観測されたそうだが、M4.7の小地震。死者は出ていない。

 そして、イギリス最大の地震といわれるのが、1931年(昭和6年)6月7日に、ヨーロッパ大陸とイギリスのグレートブリテン島の間の北海で起こったドッガーバンク(Dogger Bank)地震だ。地震の大きさは、M6.1の中地震。イギリス全土のみならず、ドイツやフランスでも揺れが観測されたほどの地震だったが、幸い、死者はなかったようだ。地震のショックで心臓発作を起こしてなくなった方がおられたり、ロンドンの有名な蝋人形館の人形の首が1つ落ちてしまったりはしたそうだが。
 

☆地震を知らない人たち
 もちろん、欧米自体に地震が少ないわけではない。カリフォルニアなどアメリカでの地震も多く耳にするし、1977年3月4日、ルーマニアで起こったM7.2の大地震や1980年11月23日、イタリアで4700人の死者を出したM6.8の中地震を覚えておられる方も多いように思う。

 イギリスには移民の人も多い。きっと、現在イギリスに住んでいる人達の中にも、私たちと同じように他所で地震を経験した人が案外いるんじゃないかと思うのだが、今のところ手ごたえなしだ。
Earthquake_what_if  地震に慣れた日本人としては、スーパーの天井まで積まれた商品や、背より高い位置に平然と並べてあるワイングラスなどを見て、冷や冷やするのだが、誰も気にした様子がない。

 何百年も変わらぬ姿のレンガ造りの家に住む空襲にも地震も知らない人達。日本のような大きな地震が起こったら、一体どうなるのだろうか。そう思っていた矢先の地震だった。

 今回の地震が起こったとき、連合いも私もびくっとして目を覚ました。一瞬、階上の住人達がまた夜中に大騒ぎし始めたのかと思ったが、二人で「今のはやっぱり地震だったよね?」と半信半疑で確認し合った。
 翌朝、周りの人々に訊いてみたが、答えは一つ。皆寝ていて気付かなかったのだそうだ。新聞各紙はこの話題で大賑わいだったが。
 こちらはガーディアン紙のこの地震に関するブログの記事とコメント(英語)。日本人にとっては小さな地震でしたが、多くのイギリスの人が興奮している様子が伝わってきます。

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