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2008年3月10日 (月)

(く) クランペット CRUMPET

Crumpet  マフィンを知っている人は多くても、クランペット(クランペッツ)と聞いて、それが何かわかる人は日本には少ないかもしれない。クランペット(crumpet)は、パンのようなケーキのようなイギリスの食べ物だ。

 大きさは、大体直径8~10cm、厚み1.5cm強。マフィンや、ちょっと薄めの今川焼き(大判焼き、回転焼き)といったところだろうか。一見、分厚い小さいホットケーキのようにも見える。
 

☆ポイントは表面の穴凹
Crumpet_section  何といっても、クランペットの最大の特徴は、片面の蜂の巣のような穴だろう。ホットケーキを焼いたことのある方なら体験済みだろうが、最初に生地の片面を焼いているときに、もう片面にブクブク泡が現れる。その泡の跡が全部そのまま残ったような、小さな奥深い管のような穴が片面にびっしり開いている。

 見栄えはあまりよくないが、クランペットをおいしくしているのはこの穴だと言えよう。食べ方としては、パンやマフィンのようにトーストしてバターやジャムなどを塗って食べるのが一般的だ。

 小さく分厚いが、このボコボコの穴が奥深く開いているおかげで、バターやジャムなどが滴り落ちることなく、たっぷりと塗ることができる。だから、食パンのようにそのままかぶりつくことができる。

 また、パンやマフィンと違って、クランペットの生地はしっとり、もちもちとしている。しかし、この穴のおかげで重たくならず、不思議な食感が味わえるのだと思う。
 

☆ケーキよりパンの仲間。クランペットの作り方
 見かけは小さいホットケーキのようなクランペットだが、味は、パンのようにうっすら塩が効いており、ほんのりイーストの香りがする。あっさりしているので、バター、ジャム、マーマイト、はちみつ、チョコレートシロップ、チーズ、レモンカードなど、甘いものでも塩系のものでもどちらでもよく合う。

 ボコボコの穴、もちもちの食感、そして、何にでも合うあっさり味の秘密はその材料と作り方にあるようだ。クランペットの材料は、小麦粉、温めた牛乳、湯、ドライイースト、そして少量の塩と砂糖のみだ。
 これらの材料を混ぜて1時間ほど発酵させ、油を塗った鉄板の上に置いたクランペットリングと呼ばれる金属の鋳型に流し込んで10分ほど焼くと出来上がりだ。
 クランペットの作り方は、こちらのBBCのレシピサイトからご覧になれます(英語)。

 
☆作るより買ったほうが楽?
 しかし、実際に作ったことがないのでどうなのかはわからないのだが、クランペット特有の蜂の巣のような穴が残るように焼くのは案外難しいそうだ。2002年のBBCニュースでは、完璧なクランペットを焼く方法を研究するために、4万ポンド(約8百万円)を費やしたサウサンプトン大学とレディング大学の数学研究者の話が紹介されている。そのBBCニュースのサイトはこちら(英語)。

Crumpet_on_the_market  そして、実際にクランペットを焼いている家庭は少ないように思う。どこのスーパーに行っても、そこそこの味の市販のクランペットが格安で売られているからだ。もちろん、スーパーのブランドのものもある。8枚入りで0.4ポンド。食パンを買う感覚でクランペットを手に入れることができる。
 

☆暖炉でクランペットは憩いの証?
 クランペットは、20世紀頃まではイギリスの朝食の定番だったようだが、今では昼や夕方の軽食として食されているようである。一昔前までは、寒い冬の日に家族や友人と共に暖炉でクランペットをあぶりながら紅茶を飲むというのが、イギリスの中流階級の人達の典型的なくつろぎの光景だったようだ。
 映画でもお馴染みのJ. K. ローリングの『ハリーポッターと賢者の石(Harry Potter and the Philosopher's Stone )』でも、仲の良い主人公達が休暇中に暖炉でクランペットをあぶるシーンが登場する。

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 日本で言うと、囲炉裏やストーブで餅を焼くようなものなのだろうか。

 

☆名前の由来は?
Crumpet_snack_bar  クランペットという変な名前が使われ始めたのは18世紀頃からのようだが、それ以前からあったクロムピッド・ケーキ(crompid cake)というものがクランペットの前身ではないかと言われている。昔の鉄板で薄いケーキを焼くと端が上に反り返ることがよくあったが、”crompid (クロムピッド)”とはそういった「反り返る」ことを指す言葉だそうだ。

 この”crompid (クロムピッド)という言葉が”crimp (クリンプ、縮らせる)”やクランブルの語源ともなった”crumb(クラム、パンくず)”といった言葉と一緒になって、クラムピット(crumpit)となり、そして、クランペット(crumpet)になったのだろうと言われている。
 

☆「クランペット」のもう一つの意味
 クランペットという言葉にはもう一つ意味がある。1930年代に生まれたイギリスのスラングで、「セクシーな女性」という意味だ。当時、若い男性達が魅力的な女性の譬えに使うほど、クランペットは皆の大好物としてもてはやされたのだろう。
 現在では男性に対しても使われている。また、猥語(わいご)として使われることもあるので要注意だ。
 

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