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2007年9月20日 (木)

(き) きのこ -前編- MUSHROOM -part1-

 味覚の秋。きのこが美味しい季節だ。日本でキノコといえば、しいたけ、しめじ、えのきたけ、松茸、エリンギ、なめこ、まいたけ、ひらたけといったところだろうか。
 
 イギリスでは、一にも二にも、まずマッシュルーム。ビートルズの髪型、マッシュルームカットでもお馴染み、日本でも普及しているツクリタケという和名をもつ丸いきのこだ。イギリスの店頭にあるきのこの95%は白いマッシュルームだそうだ。
 そう聞くと、イギリスのきのこには全くバラエティがないように感じられるかもしれない。しかし、実際、いろんな形や味のマッシュルームがイギリスで出回っている。Mushroom_closedvsopen
 

☆マッシュルーム---出世魚ならぬ、出世きのこ
 一番よく見かけるのが、日本でもお馴染みの白く丸いマッシュルーム。イギリスでは、クローズドカップ・マッシュルーム(closed cup mushroom)という名で出回っている。

Mushroom_white_variety_2 クローズドカップ(closed cup)とは、「(きのこの)傘が閉じている」という意味。そして、対照的に、傘の開いた「オープンカップ(open cup)」というものもある。しかし、これらのマッシュルームは品種が異なるわけではない。収穫時期の違う同種のマッシュルームなのだ。

 日本のきのこは、どの段階で収穫されようと、椎茸は椎茸、シメジはシメジと、名前が変わることはない。Mushroom_name_4
 しかし、イギリスのマッシュルームは、収穫される段階によって異なった名前が付けられている。それは、1週間に渡り、24時間で倍の大きさになり、見かけも味も異なるものに生長するからだろう。

 最初は、ボタン(マッシュルーム)、次がクローズドカップ・マッシュルーム(closed cup mushroom)、その次がオープンカップ・マッシュルーム(open cup mushroom)、そして、フラットマッシュルーム(flat mushroom)。

Mushroom_button_saute ・ボタン・マッシュルーム
 ボタン・マッシュルーム(button mushroom)は、直径2~3cmの小さく丸いマッシュルーム。名前の通り、洋服のくるみボタンのような可愛らしいマッシュルームだ。ベイビーボタン(baby button)と呼ばれることもある。
 味は淡白で、歯ざわりがしっかりしている。この特徴と大きさと生かして、そのままや半分に切って炒めたり、サラダに入れたりすると美味しいように思う。こちらでは、そのままキャセロールに入れられることも多いようだ。

Mushroom_closed ・クローズドカップ・マッシュルーム
 次の段階が、クローズドカップ(closed cup)。日本の一般的なマッシュルームのイメージといえばこれだろう。前述の通り、イギリスでも一番よく出回っているタイプだ。大きさは、3~6cmほど。

 量り売りもされており、20個ほど入った250g入りが0.5~0.7ポンド(約100~150円)ほどとかなりお手ごろだ。薄切りのパックやパプリカやもやしなどとセットになったものもよく見かける。試したことはないが、缶詰も売られている。

Mushroom_closed_pasta  汎用性が高く、焼いても煮ても適度な歯ざわりと香りを楽しむことができるのが、クローズドカップのよいところ。薄切りや四つ切りにして炒め物やパスタに入れたり、サラダに入れたり。また、次項のオープンカップ・マッシュルーム同様に、マッシュルームスープに使われたりもしているようだ。

・オープンカップ・マッシュルーム
 その次が、オープンカップ(open cup)。クローズドカップより、1、2周り大きめの傘が開いたマッシュルームだ。軸の周に細かいヒダが見える。

 この時期になると、歯ざわりよりも、舌触りや香りを味わうものという感じ。ソテーにしたり、グリルで焼いたり、薄切りにして炒めものに入れたりするのに向いているように思う。
 また、刻んだ香味野菜とともに炒めてマッシュルームスープにもよくされるようだ。

 オープンカップ・マッシュルームは直径も厚みもあるので、ひき肉詰めにするのもお勧めだ。
 実際、スタッフト・マッシュルームというレシピもよく見かける。ただ、この場合は中に詰めるのは、ひき肉ではなく主にチーズ。中には、カニやリンゴなどを加えるレシピもある。刻んだフレッシュハーブや摩り下ろしたニンニクを混ぜて、パン粉、粉チーズをかけてオーブンで焼いた料理だ。そのレシピと写真はこちらのイギリスの大手スーパーの一つ、ASDAのサイトからご覧になれます(英語)。

Mushroom_open_flat・フラット・マッシュルーム
 そして、最後が、フラットマッシュルーム(flat mushroom)。ラージフラットマッシュルーム(large flat mushroom)と呼ばれることもある。大きさは大体直径10cmほど。
 大きな傘の裏側には無数の奥深いヒダが走っている。肉厚で、香り高いきのこだ。
 
 こちらも、オーブンやグリルで焼いたり、詰め物にされたりすることが多いようだ。BBQにもお勧めだそう。Mushroom_monster_2

  モンスターマッシュルーム(monster mushroom)、直訳「おばけきのこ」と呼ばれる、直径15~20cmのフラットマッシュルームもたまに市場に出ている。
 

☆ブラウンマッシュルーム---栗きのこ
 白だけでなく、茶色の傘のマッシュルームも出回っている。日本でブラウンマッシュルームと呼ばれているきのこだ。イギリスでの名前はチェストナッツマッシュルーム(chestnut mushroom)。直訳すると、「栗きのこ」。
Mushroom_chestnut  ホワイトマッシュルームに比べて、香りも香ばしく、歯ごたえもあるマッシュルームだ。

・種類
 こちらも、ホワイトマッシュルームのように、収穫時期よって呼び名が違っている。
 ボタンマッシュルームにあたるポータベリニ(portabellini)、クローズドカップにあたるチェストクローズドカップ、オープンカップにあたるブレックファスト(breakfast)、そして、フラットマッシュルームにあたるポータベロ(portabello)Mushroom_portabello

 やはり一番普及しているのは、チェスト・クローズドカップ。250gで0.7~0.9ポンド(約140~180円)。次が大きなポータベロだろう。2枚入って1ポンド(約200円)。
 ポータベロという名前は、マッシュルーム業界市場で作られた名前だそう。だから、時と場所によって、”Portobella ”や”Portabello”といった微妙に違う名前で表示されていたりするようだ。おそらく、ポータベリニも同様だろう。

Mushroom_in_breakfast_2  ブレックファスト・マッシュルームは、英国式朝食(イングリッシュ・ブレックファスト、English Breakfast)にしばしば登場するマッシュルーム。
 料理名はフライドマッシュルーム。その名の通り、丸ごと油で炒められ(揚げられ)た黒い大きな物体にびっくりする人も多いかもしれない。しかし、ブラックプディング同様、焦げているわけでも傷んでいるわけでもないのでご安心を。
 

・使い方
 チェストナッツマッシュルームの使い方は、同時期のホワイトマッシュルームのものとほぼ同じと考えていいように思う。ただ、難点は茶色い色が染み出やすいこと。色鮮やかに仕上げたい炒め物や色の薄い煮物などにはあまり向いていないかもしれない。
 

☆我が家のおすすめのマッシュルームの食べ方
・ボタン・マッシュルームを生食
 好き嫌いが分かれるかもしれないが、マッシュルームの食べ方として、一度は試していただきたいのが、生食。

 日本では元来きのこを生で食べる習慣はないが、イギリスの養殖されたマッシュルームは生で食べることができ、しばしば、そのままサラダに入れられたりしている。生食に向いているのは、香りが穏やかで歯ざわりのあるボタン・マッシュルームやクローズド・マッシュルーム。

 日本のきのこは、しばしば軸やいしづきを除く作業が必要だが、マッシュルームは軸の処理は要らない。もちろん、水洗いをする必要もない。

・ラージフラットマッシュルームの焼き物とひき肉詰め
 そして、きのこ好きの方に是非ともお勧めしたいのが、ラージフラットマッシュルーム。

Mushroom_grilled あまりのサイズの大きさに、味も大味なんじゃないかと、我が家でも最近までずっと敬遠していた。しかし、食べた途端、このマッシュルームに対する見方が180度変わってしまった。
 あっさりとしたクローズドカップとはまた異なり、きのこらしいよい香りがする。加熱しても程よい弾力があり、熟成したきのこの美味しさを楽しめる。

 我が家では、そのままグリルでじっくり焼いたものをレモン醤油やポン酢と七味をかけてよく食べている。この焼き物は特にボータベロがお勧め。連合いも喜ぶ一品だ。

Mushroom_stuffed  また、もう一つのお勧めレシピとして挙げたいのが、ひき肉詰め。日本ではしばしば椎茸が使われるが、味は異なるが、断然フラットマッシュルームを推薦したい。傘が大きいので詰めやすく、傘を逆さにしても安定しており、ヒダの目が細かく深いため、詰め物が外れにくい。また、厚みがあるため肉と対等にきのこを味わうことができる。
 詰めてオーブンに放り込むだけで、ジューシーなメインの出来上がり。よいことづくめの料理だ。

 もちろん、ごく普通にスライスして炒め物に入れたりしても充分に香りと舌触りを味わうことができる。日本でどの程度出回っているのかよくわからないのだが、でっかい傘の開いたマッシュルームを見かけた際は是非お試しを。
 

☆マッシュルームにまつわる疑問
 ところで、白いボタンマッシュルームから茶色いポータベロまで、これらのマッシュルームのパッケージを見ていて気がついたのだが、イギリス国内で栽培されたもののほか、なぜかオランダ産が多い。オランダはマッシュルームの産地として有名なのだろうか。

 また、よくは知らないのだが、日本で、シャンピニオンエキスというものが口臭や体臭を抑えると話題になっているのだとか。これ、実はマッシュルームから抽出されたエキスだそうだ。シャンピニオン(Champignon)とは、フランス語でマッシュルームのこと。
 ただ手軽で美味しくヘルシーという理由で、2、3日に1度は必ずマッシュルームを食べているうちの家族。いつかマッシュルームの防臭効果を実感できる日がくるのだろうか。

←シャンピニオンエキスの入った消臭錠剤(楽天市場)

 後編では、マッシュルーム(=ツクリタケ)以外のきのこをご紹介します。お楽しみに。

 
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コメント

フラットマッシュルーム食べたいです!!
きのこ、特にマッシュルームは好きで、
この連休も得意のオムライスに入れようと思っていたのですが、
いままで買っていたスーパーのマッシュルームは国産ではないことが判明。

がんばってブラウンマッシュを探してみますが、なかったら
エリンギにしようか。。。などと思っています。

最近、国産の食べ物だけを食べようと思っても難しいですね。
まあ、国産だから安心、というわけでもないのでしょうが。

最後のフラットマッシュの肉詰め、すごくおいしそうですね!
来年の冬あたり、欧州逃亡をたくらんでしまっています。

投稿: ぱんちゃん | 2007年9月22日 (土) 21時03分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

マッシュルーム、私も大好きです。
オムライスに入れると美味しいですよね。
よかったら後編でご紹介したポルチーニもお試しください。

イギリスでは日本と同様に国産をアピールしているものもありますが、
スペインやオランダなど国外のものも多く出回っています。
国にも依ると思いますが、おっしゃるとおり、
国産だから安全、国外産だから要注意とは一概に言えない
かもしれませんね。

老婆心ながら、地中海以外の欧州はサマーシーズンのほうが
お勧めですよ。
フラットマッシュルームは一年中出回っていますので、
ご心配なくw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年9月24日 (月) 21時37分

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