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2007年8月23日 (木)

(し) 車検 MOT TEST

☆車検はいつ?
 この国イギリスのの登録方式を全く知らずに車を入手してしまった我が家。
 自動車保険に関しては、前のオーナーから、「購入前に入っていないと違法になる。」と教えてもらい、慌てて加入した。しかし、他のことに関しては、「譲渡手続きを済ませておいたので、そのうち案内が来るから。」という言葉だけ聞いて安心し、車検の期限日すら、まともにチェックしていなかった。

 確かに案内は来た。車を買って数ヶ月後、英国運転免許庁のDVLAから。しかし、それは自動車税の支払いの案内。
 どこで伝言ゲームを間違えたのか、来るはずの車検の案内はいつまで経っても来なかった。

 車検の案内は来ないのだということに気付いたのは、自動車税を支払おうとしたときだった。自動車税を払うためには車検証が必要となる。
 日本では、車検証は車にいつも積んでいる必要があるが、前のオーナーによると、イギリスでは必要ないとのこと。家の棚で眠っていた車検証(MOT test certificate)を引っ張り出し、眺めて呆然としてしまった。そこには、1ヶ月以上も前の日にちが手書きの汚い文字で書かれていた。とっくの昔に車検が切れてしまっていたのだ。

 慌てて車のフロントガラスのステッカーを見に行くと、ステッカーに記載されている日付は、まだほんの少し先のもの。それは、車検の期限ではなく、自動車税の納税の期限だった。

 
☆ステッカーは車検期限ではなく納税期限
Mot_test_procedure  混同した頭が少しずつほぐれてきた。
 日本とイギリスでは、車検のシステムがかなり違うのだ。車のフロントガラスにはるステッカーは、車検後にもらえるものではなくて、納税後にもらえるものなのである。

 毎年納税の際には、車検証が有効である必要がある。つまり、有効なステッカーが車に貼ってあるということは、納税されており、車検も通っていることの証明になるようだ。車検の日にちは車検証を見なければわからないのである。
 

☆車検はどこで?
 事情がわかったところで、解決したわけではなく、車検してくれるところを慌てて探した。

 日本では、ディーラー車検、整備工場での車検(民間車検、モーターズ)、ガソリンスタンド車検、そして、自分で車を試験場に持っていっておこなうユーザー車検などがあり、「車検」と書かれた看板をあちこちで見かけた。

Mot_test  こちらイギリスでは、車検は”MOT test (エムオーティー・テスト)”と呼ばれる。しかし、MOTと大きく書かれた看板を見かけることはあまりない。その代わりに見かけるのが、車検のマーク。三角形が3つ配置されたこのマークが民間車検場(ディーラーや整備工場での車検)の目印だ。
 また、ユーザー車検はあるようだが、ガソリンスタンド車検は今までに見かけたことがないように思う。

 うちの場合は、車が運べるように近所の町の整備工場を検索し、電話予約を入れた。大抵のところは、日本と同様に予約が必要だ。
 イギリス在住の方は、このMOTUKのサイトから、近所の整備工場を検索できます(英語)。


☆整備工場での車検
 私が頼んだところは、ごく普通の下町の整備工場といった感じで、日本のものとあまり変わらない雰囲気だった。受付で必要なものを渡す。

Mot_test_garage  日本の場合は、「自動車検査証(車検証)」、「自賠責保険証」、「自動車税納税証明書」を持参する必要がある。しかし、イギリスでは、必要なのは「自動車検査証(車検証)」のみ。これと鍵を預けておしまい。
 「じゃあ、45分後に終わりますからから。」と言われ、名前の確認すらなかった。しばらく預かってもらう場合ですら、電話番号と名前を口頭で告げるだけ。
 
 合格であれば、45分後に車の鍵と領収書と新しい車検証をもらって終了だ。

 45分とは早すぎる。いい加減な所なんじゃないかと最初は思ったが、イギリスの車検はそういうものだそうだ。
 日本では、大抵しっかり点検までしてくれるが、こちらの車検は最低限の検査項目をチェックするだけ。それが普通。

 だから、車検に通ったからと言って、次回の車検まで車の安全が保障されているわけでは全くない。今走らせては危ない不良車を撥ねるだけの検査なのだから。車検証にも「注意:車検証は自動車が良好な状態であることを証明するものではない。」と記されている。車の点検は自分でおこなうというのが、この国のやり方のようだ。

 もちろん、自動車整備工場なので、頼めば、車検終了後に気になる点を点検してくれたり、整備してくれたりする。その場合は再度予約が必要になるが。
 MOTで点検される項目について詳しく知りたい方は、同じくMOTUKサイトのこちらをご覧ください(英語)。
 

☆日本の車検との違い---費用は安いが期間は短い
Mot_test_comparison_2  その他、日本の車検との大きな違いは、車検にかかる費用の内訳と車検の期間だ。

 ご存知のように、日本では、車検の際には車検の実費のほか、重量税(9千円弱~5万円程)、自賠責保険料(3万円弱)、印紙代(1100円)という法定費用が必要なる。それに対して、イギリスでは車検の実費のみ。重量税は払わなくていいし、自賠責保険は自動車保険会社に支払う保険の中に含まれているので、車検の際には必要ない。

 車検の実費費用は、普通の乗用車の場合、44.15ポンド(約8千8百円)。日本よりやや割安だ。
 もちろん、修理や再車検の場合はその分が費用がかさむ.。しかし毎回10万円近くかかることも少なくない日本の車検に対して、イギリスの車検は数万円で済んでしまい、お手軽な感じがする。

 しかし、いくつか落とし穴もある。まず、前述のように、最低限度の点検がおこなわれるだけということ。
 そして、日本の場合、最初は3年、そしてその後は2年毎の車検となるが、イギリスでは、最初の3年を除いては、なんと毎年車検を受けなければならないのだ。
 

☆持ち主がわからない車検証
Mot_tesr_certificate  また、車検証そのものも日本とはだいぶん異なっている。
 まず、以前の車検証も報告書と共にそのまま返してもらうのが通常のようだ。

 また、イギリスの車検証には、車の所有者や使用者の情報が一切記載されていない。住所だけでなく、名前すら載っていない。書かれているのは、車の登録情報と、車検を通した整備工場などの整備者の名前とサインだけ。

 日本の車検証は偽造防止印刷になっているが、イギリスのものはなっていない。その代わり、異なる工夫がされているようだ。
 2006年以前のA5サイズのものは、コピー偽造防止のため、紙に凹凸が付く判が押されており、2006年以降のA4サイズのものは、バーコードで識別できるようになっている。
 

☆あなたはどちら派?
 日本の車検制度とイギリスの車検制度。どちらがいいかということは一概にはいえない。
 しかし、日本の制度は、費用は多少かかってもいいから、なるべく手間をかけずに乗りたいという人に向いており、イギリスの制度は、自分の車は自分で管理したい、費用を安く抑えたいという人に向いているのではないだろうか。

 なんとなく、イギリスの車のあり方はイギリスののあり方と似ているような気がする。週末になると家の修理を嬉々としてやっているイギリス人にふさわしい制度なのだろうか。
 

☆車検の結果は?---我が家の場合
 ところで、我が家のイギリス初の車検の話に戻りたいと思う。
 車検の結果は、残念ながら不合格。車の部品については全く疎いのでよくわからないのだが、ブレーキホースが圧力でボールのように膨らんでしまい危険な状態だったとのこと。

 なんとかお願いして、その日のうちに修理と再車検をやってもらった。4時間後、再車検が通ったとの連絡を受け、車を受け取り、無事車検が終了した。
 ブレーキホースの交換と、ブレーキ液の交換、その他諸々の備品の交換で、材料費が25ポンド(約5千円)、工賃が40ポンド(約8千円)、車検と再車検を含めて、合計120ポンド(約2万4千円)かかった。

 そして、車検が通った2日後、車がエンストして動かなくなった。ロードサービスを呼んだところ、バッテリーを交換する必要があるとのこと。その場で整備工場に逆戻りとなった。

 ちなみに翌年は、エンジンがかかりが悪く、走行すると激しい音がなり、運転席側の鍵穴が外れてドアが開けられない、というかなり最悪の状態での車検だった。
 しかし無事合格。工賃込みで車検費用は65ポンド(約1万3千円)ほどだった。エンジンのかかりと走行中の音に関しては、車検と同時に直してくれたそうだが、問題の鍵穴に関してはノータッチ。再度、鍵穴を直してもらうべく予約を入れた。
 

 我が家の車は、普通の日本人の感覚なら怖くて乗れないほどの十数年物のオンボロ車。
 2回目の車検の前に不合格の際の修理費用の上限を連合いに相談しようとすると、確信に満ちた声でこう返答が返ってきた。
 「今度はきっと合格すると思うよ。」
 結果を知り、連合いも伊達にイギリス生活が長いわけじゃないんだなと妙に感心してしまった。
 

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コメント

車検に出すたびに「高いなぁ~」と思うのですが、
この記事を読むと機械が苦手な私には、
日本式の車検が良さそうですw

しかし相変わらず連れ合いさんは適当ですね~w
海外だとその適当さに救われることも多いでしょうけど^^
ちなみに、うちの奥さんも仏国滞在時に、
20年物の車に乗っていました。
記事を読んで思い出し「車検は?」と聞いたら、
「う~ん、車検に出した記憶がない」だそうですw

投稿: KAZU | 2007年8月25日 (土) 23時03分

KAZUさん、コメントありがとうございます。

連合い本人は、「このファジーさがイギリスに合っているみたい」と
言っていましたw

奥様、車検を通さずにずっと乗られてたのですか??
フランスのシステムも、また違って面白そう(?)ですね。

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年8月26日 (日) 03時36分

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