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2007年8月27日 (月)

(さ) サイダー CIDER

☆甘い炭酸飲料?リンゴジュース?それとも?
 渡英したての頃、同じく渡英したての欧米人と話していて、イギリス英語とアメリカ英語の違いが話題になったことがある。同じ英語だが、発音だけでなく、全く違う意味になってしまう言葉がたくさんあるのだ。場合によっては、日本でさらに意味が異なることがある。

 サイダーがそうだ。日本でサイダーといえば、一般に無色透明な甘い炭酸飲料水のことだろう。ソーダーやラムネと呼んでいた人もいるかもしれない。

 しかし、アメリカでは、サイダー(cider)は、一般には熱加工していないリンゴジュース、アップルジュースのことだそうだ。
 一方、イギリスでは、サイダー(cider)は、同じようにリンゴがベースなのだが、れっきとした酒類。炭酸のリンゴ酒のことを指す。リンゴジュースのような琥珀色をしたアルコール飲料だ。
 フランス語では、シードル(cidre)と呼ばれている。この名前で知っている人も多いかもしれない。

Cider_high_alcohol_3  だから、イギリスのパブなどで、ビールの代わりにソフトドリンクをと思ってサイダーを注文すると、大変なことになるかもしれない。サイダーは甘くて飲みやすいが、概してビールよりもアルコール度が高い。ビールは大体4~5%程度だが、サイダーは4.5~7.5%が一般的だ。
 

☆イギリスでは大変ポピュラーなアルコール
 イギリスの日常的なアルコールといえば、ビールが一般的だが、サイダーも人気のある飲み物だ。
 パブに行けば、ビールと同じように、大きなパイントグラスに注がれる。サイダーの大きな樽を目にすることもしばしば。地域によっては、ビールより一般的なところもあるそうだ。

 価格は、パブなどではだいぶ割高になるが、大体瓶入りの500mlのもので1.5~2ポンド(約3~4百円)、750mlのものでで2.5ポンド(約5百円)程度。4個セットの500ml弱の缶もよく売られており、こちらは3.5ポンドほど(約700円)。ビールとあまり変わらない値段だ。

 さすがにちょっと手を出せないでいるのだが、2、3Lのペットボトルに入ったものもまで2~3ポンド(約4~6百円)ほどで売られていたりする。その見かけは、まさにソフトドリンクのサイダー。
 

☆サイダーのブランド
 最もよく見かけるブランドは、イングランドのストロングボウ(strongbow)とアイルランドのマグナーズ(Magners)だろう。

 ストロングボウの製造をおこなっているブルマー社(HP Bulmer Ltd)によると、ストロングボウは、1960年から発売されており、現在でもイギリスで一番よく飲まれているサイダーなのだとか。
ブルマー社のHPはこちら(英語)。60年代からのCMの映像を見ることが出来ます。上の"Our brands”のタブからお入りください。(注)アルコール飲料のサイトのため、最初にイギリスに住んでいるかどうかと年齢を訊かれます。
 パプのカウンターにも、ビールを注ぐハンドポンプ(hand pump)に並んで、ストロングボウのハンドポンプがあったりする。

←ストロングボウ(楽天市場)

Cider_variation_4  マグナーズは、本国アイルランドでは「ブルマーズ(Bulmers)」という名で販売されているもの。17種類のリンゴを使って製造されているそうだ。
 イギリスのブルマー社の製品との混乱を避けるため、アイルランド国外では創始者のウィリアム・マグナー(William Magner)の名をとって、この名で売られている。

 その他、イギリスで出回っているサイダーのブランドと言えば、ブラックソーン(blackthorn)やゲイマーズ(Gaymers)、メリーダウン(Merrydown)、ウェストンズ(Westons)、スクランピー・ジャック(scrumpy Jack)、ウッドペッカー(Woodpecker)などなど。甘いものからドライなもの、アルコール度数の低いものから、スパークリングワインに近いものまで様々だ。
 これらはアルコール専門店だけでなくスーパーの店頭に並んでいる。そして、もちろん、スーパーのブランドのものまである。Cider_low_alcohol
 
 また、アルコールが飲めない人のための、ノンアルコールワインなどのようにアルコール度数が1%以下のローアルコール(low alchohol)サイダーも売られている。だいたい、500ml入って、1ポンド(約200円)。
 

☆サイダー用のリンゴ
 ワイン用と食用とでぶどうの種類が一般に異なるように、サイダーには専用のリンゴが使われるのが通常のようだ。イギリスには、600種を超えるリンゴの種類があり、サイダーに適したリンゴは大体その4分の3ほどだそうだ。そして、複数のリンゴがブレンドされることによって、個々のサイダー独自の甘みと酸味と苦味が生み出されているのだとか。

Cider_coxetc  しかし、最近では、単一種のりんごを使ったサイダーも出回っている。
 1904年から続くイギリスのサイダー製造販売会社、サッチャーズ(thatchers)のサイダーでは、デザートのりんごとしてお馴染みのコックス(Coxs)のほか、ケイティ(Katy)、レッドストリーク(redstreak)、スパートン(Spartan)などなど様々なサイダーを出している。
サッチャーズのHPはこちら(英語)。特にケイティのサイダーについて詳しく載っています。(注)アルコール飲料のサイトのため、最初にイギリスに住んでいるかどうかと年齢を訊かれます。

 
☆イギリス人が定める本当のサイダーの条件とは?

 サイダーはリンゴの入った酒ではなく、リンゴから作られた酒。昔、何かのウィスキーの宣伝であったように、「何も足さない何も引かない」のが理想的だが、実際は、濃縮果汁を使ったものや、滅菌処理をされたもの、甘味料や保存料を加えたものも多く出回っているそうだ。

 イギリスのビールの一つ、エール愛好家の消費者団体、CAMRA (Campaign for Real Ale)が、エール同様に、本当のサイダー(Real cider)の推進キャンペーンを展開している。
 それによると、真のサイダーとは、以下の条件を満たさないといけないそうだ。
・発酵前に低温殺菌をおこなっていない
・濃縮果汁を使っていない
・着色料や香料が入っていない
・人工的に炭酸が加えられていない
・発酵に必要な以上に甘味料が入っていない
・果汁の比率が90%未満になっていない
・フィルター処理がされていない
詳しくは、CAMRAのこのサイトをご覧ください(英語)。

Cider_scrumpy また、イギリスの一部のサイダー醸造者達が中心となって運営している活動団体、UKCIDERのサイトでは、サイダー用のりんごの紹介やスーパーでのよいサイダーの見分け方なども公開されている。UKCIDERのサイトはこちら(英語)。

 こういったサイダーに対するこだわりから、ビール同様、イギリス人のサイダーに対する愛情や誇りがなんとなく伝わってくるような気がする。
 

☆ビールが苦手な人や女性にもお勧め
 サイダーは、ほんのり甘く、ビールのような苦味がないので、ビールが苦手な女性にも人気があるように思う。私は炭酸飲料が苦手なのだが、不思議とサイダーの炭酸は気にならないように思う。

 そして、アルコール度がワインほど高くなく、飲みやすいので、軽めのスパークリングワインや日本のチュウハイの感覚で飲むというのもいいかもしれない。Cider_glass_2

 また、周りの人が皆ビールのを頼んでいる中で、一人だけワインやカクテル類を頼むのに気が引けてしまう人にもお勧め。少なくともイギリスでは、サイダーはビールと同じパイントグラスに注いでもらえ、ビールと見分けがつかないからだ。
 

☆酒があるところ酢あり
 ちなみに、サイダーと共にリンゴも普及している。ワインビネガー(wine vinegar)をグレープビネガーと呼ばないように、リンゴ酢もアップルビネガーではなく、サイダービネガー(cider vinegar)と呼ばれている。

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コメント

イギリスでサイダーを頼むと、
致命傷ということがよく分かりました。
命に関わる情報提供ありがとうございますw
「ガレットにはシードル(サイダー)」
うちの奥さんの口癖です。

投稿: KAZU | 2007年8月28日 (火) 23時26分

KAZUさん、コメントありがとうございます。

事前に防げてよかったですw
ちなみに、連合いは致命傷を負いましたw

ガレット、探してるんですが、まだ見つかってないです。
ちなみに、最近の私の一押しの組み合わせは、
「ポークパイにサイダー」。。。
・・・どっぷりイギリスの食生活にはまっていますw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年8月29日 (水) 18時25分

飲み会で乾杯の時は、好きでもないビール(だいたい中ジョッキ)を注文して
その後、好きなカクテルやチューハイを頼んでいる私としては、
サイダーは歓迎すべき飲み物ですね。

この間、梅田で世界の48種類のビールが飲める、という店にいったのですが
いずれもビールだし、しかたがないなーと思っていたら、
リンゴ果汁の入ったアルコール度の低いビールがありました。
その名は、リンゴにちなんでNewton。
ビールよりは断然飲みやすかったです。

ただし、イギリス製ではなく、確かベルギー製でした。

昔、シンビーノというリンゴの炭酸飲料をよくのみましたが最近はみかけないですね。

投稿: ぱんちゃん | 2007年8月29日 (水) 22時18分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

Newtonは飲んだことがありませんが、おいしそうですね。
今度探してみますw
例のリンゴの炭酸飲料は、こちらでは殆ど見かけないように思いますが、
日本ではまだ発売されているみたいですね。

私もあまりビールが好きではないので、パブでもピアフェスティバルでも、
もっぱらサイダーです。
ただ、サイダーは基本的にリンゴからできたアルコールで、
果汁入りのカクテルではないので、ビールやワイン、日本酒のように、
種類によって味が様々です。
それが良い所でもあるのですが、たまに頼んだものが好みに合わなくて
後悔することもありますw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年8月30日 (木) 21時25分

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