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2007年7月16日 (月)

(わ) 割り勘 [ラウンド] ROUND

☆奢ってもらった??
  知人達と一緒に、仲間内で、最初にパブに行ったときのこと。時間厳守は禁物と、イギリス流にだいぶ遅れて行くと、皆は既にもう飲んでいた。自分達の分のビールを注文して、談笑する。

 しばらくして、何人かのビールが残り僅かになっているのに、ある人が気付いたようで、皆に「お代わりはいらないか。」と訊いてまわっていた。
 当然、連合いと私にも声がかかり、希望のビールを一緒に注文してもらった。イギリスのパブは注文ごとに支払いを済ませるシステム。私達の分も彼が支払っていた。

 また、しばらくすると、また何人かのジョッキ(グラス)が空になり、また別の人がそれに気付き、声を掛けてまわっていた。今度のお代はこの人持ちだった。

 そして、帰り際。ビール代を立て替えてくれた人に代金を支払おうとすると、いらないと言う。周りも誰も支払おうとしていなかった。
  

☆ラウンド制って?
Round_1  実は、これ、ラウンド(round)と呼ばれるイギリス流の割り勘[わりかん]なのである。
 一人が全員分の料金を支払い、つまり全員に奢り、それが注文ごとに持ち回りでおこなわれる。今回払い損なった人は、いずれまたの機会に全員の分を払えばいい。

 一般に、割り勘を英語でいうと、”split the bill”になるそうだが、今のところ、聞いたことも使ったこともない。昔、”go Dutch”と覚えた記憶があるが、オランダ人(Dutch)に対して失礼にあたるためだろうか、最近ではあまり使われないとか。

 イギリスのパブでの仲間内の飲み会では、やっぱり「ラウンド(round)」だろう。”buy drink in round”や”buy a round [rounds]”といった具合で使われるようだ。「ラウンド」と呼ばれるのは、車座に集まって飲んでいるからなのか、持ち回りでくるくると順番が交代するからなのか、そのところはよく分からない。
 

☆紳士協定なアバウトさ
 毎回同じメンバーだとも限らないし、持ち回り制と言っても、誰かが厳密に決めているわけでもないので、払う人、おごってもらえる人に偏りがでる。実に、紳士協定的な制度だ。
 昔は男性のみが支払っていたそうだが、最近では、おかわりはいらないかと声をかけている女性の姿もよく見かける。

 端数をどうするか、年齢や性別で取立て金額に差をつけるか、先に帰った人や後から来た人をどうするかなど、毎回、頭を悩ませながら、幹事が裏で勘定を計算する必要もない。見た目がとてもスマートなシステムだ。
   

☆どうして持ち回り制?
 これには、多少、事情がある。
 イギリスには、日本の居酒屋のような店がない。大勢集まる場合は、たいてい、家で行われるパーティーかパブだ。
 まず、家で開かれるパーティーの場合。それぞれ多少の持ち寄りはするものの、会費(実費)を徴収することはない。招かれた人は何か機会があれば、招待し返すだけである。これもある意味、ラウンド制。

 そして、パブの場合。パブでは注文の度にカウンターに行って支払うのが通常だ。そして、カウンターは混んでいることが多い。だから、日本のような割り勘や、個々人の清算よりも、ラウンド制のほうが合理的なのだ。
 また、パブできっちりと食事を取る人はあまりおらず、その後、繰り出して食事に行くことが多い。だから、ラウンド制にしても大して負担にならないのである。
 

☆普通の割り勘もあるけれど・・・
 といっても、通常の食事の場合は、個人別に払ったり、普通の割り勘にしたりすることも多いようだ。普通の割り勘といっても、日本よりもずっとアバウトな感じ。

 いつだったか、ある知人のイギリス人は、店のサービスの悪さと他の人とのメニューの格差に納得がいかず、「これはサービス料を差し引いた分」と言いながら、1人だけ少なく手渡していた。
 

☆パブ以外でも
 パブだけでなく、食堂などでの食後のお茶なども、この割り勘方式を採用している人達も多いようだ。
 連合いの職場では、小さなグループ内で各人の誕生日を祝うという習慣がある。その際に用意される(事前に購入される)ケーキもラウンド方式だそうだ。日本のように誰かが買って来て清算するということはないのだそう。
 

 イギリス流の割り勘、ラウンド。私達日本人が「ここは私が。」と言いながら、喫茶店でコーヒー代のレシートを掴む感覚に似ているのかもしれない。違いは、「いえいえ、私が。」と、押し問答にならない点だろうか。

 ちなみに、イギリスにいる日本人の集まりの場合は、きっちり割り勘になっていた。なぜか送別会の主賓まできっちり割り勘。イギリス流割り勘に慣れてしまっていたのか、連れ合いは、ちょうど持ち合わせがなく、主賓に借りる羽目になってしまったそうだ。
 

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コメント

とてもスマートでいいシステムですね。
でも紳士の国だからこそ。
日本だと、かたくなに払わない人がでてきそう。

この年になると、年下でも相手のほうが収入があったり、
とか、特に年下の男性なんかをたてたほうがいいとき、
などなど困ります。

女同士は別々ででお願いしたらいいんですけど。

難しいですよね。金の切れ目は縁の切れ目ともいいますし。

私は最近正直に年収をいって、相手が多ければおごってもらっています(笑)

投稿: ぱんちゃん | 2007年7月16日 (月) 20時58分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

確かに、先輩後輩や収入の上下を気にしなくていいのは
とても楽ですね。

もめているのは殆ど見たことがないのですが、
この割り勘のおかげで飲み過ぎる人も多いそうですw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年7月17日 (火) 22時25分

お金に限らず面倒なことが嫌いなので、
その点サッパリしていて好感が持てるシステムですね。

少し違いますが日本の飲み会で
「まぁ、まぁ、一杯どうぞ」
と注いでまわる光景あるじゃないですか。
私はお酒を飲まないので、あれ下手なんですよね。
慣れるまではラウンドも、
タイミングを察するのが難しそうです。

ただ私の場合「自分で飲みたいものは、
        自分で勝手に飲め」と思っているので、
根本的にコミュニケーション能力が欠如しているのかもw

投稿: KAZU | 2007年7月18日 (水) 10時30分

KAZUさん、コメントありがとうございます。

お酒を飲まない方にとっては、ラウンドで周りのイギリス人の
ペースに合わせるのは大変かもしれないですねw
でも、飲まないことを含めて、飲む量は個人の自由と
割り切られているので、強制されたことはないです。

自分が飲みたい時に、ついでに声をかけるといった感じなので、
ある意味KAZUさんのやり方と同じなのかもしれません。
私もすっかりイギリス流に慣れてしまったのか、空いている人の
グラスに気付いてさりげにビールを注ぎ足すという技が
できなくなってしまいましたw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年7月22日 (日) 01時18分

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