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2007年7月19日 (木)

(し) シフォンケーキ CHIFFON CAKE

 イギリス暮らしも早数年の我が家。渡英して間もない頃はイギリス暮らしの不便さに途方にくれ、あれもこれも日本から持ってくればよかったと思う日も多かった。

 しかし、探せば案外イギリスにも似たようなものや代用できるものがある。周りの人の生活を見ているうちに、暮らしもだんだんシンプルになっていき、さほど日本の物を切望することも少なくなった。

 しかし、一種のマイブームとでもいうのか、たまにどうしても食べたいものがある。シフォンケーキだ。中央が空洞になったふわふわした軽い口当たりのケーキ。
 

☆シフォンケーキが見つからない
Chiffon_cake シフォン(chiffon)とは、スカーフなどによく使われる絹などの軽く柔らかい織物のこと。「ぼろ切れ(rag)」を意味するフランス語に由来するそうだ。

 「フランスのケーキなのだから、当然、イギリスにもあるはず。」
 そう思って、あちこちのケーキ売り場や菓子コーナーを覘いたが見つからない。
 プリンにしても、スフレチーズケーキにしても、見つからないときは手作りしてきた。シフォンケーキもそうしようと思ったが、肝心の型がない。またもや、シフォンケーキの型を探して、あちこちの店をまわることになった。
 

☆パンダンケーキ?
 結局、適当な型も見つからず、諦めてかけていたある日、オリエンタル食品店においてあったあるケーキに目がとまった。
 「もしや・・・シフォンケーキ??」
 中央に大きな穴のあいた高さのあるケーキだった。しかし、名前は、”Pandan cake(パンダンケーキ)”と記されていた。価格は2.5ポンド(約500円)ほど。

Chiffon_cake_pandan_cake  夕食後、早速、いただくことにした。わくわくしながら包丁を入れると、中は鮮やかな黄緑色。一瞬ぎょっとした。イギリスの菓子の中には、特に子供用など人工着色料などで鮮やかに色が付けられている物も多い。まさかこれもと怯んだが、ココナッツのとてもよい香りがする。生地もふわふわで美味しそうだ。

 誘惑に負けて食べ始めた。まさにシフォンケーキ。しっとりしてとても美味しい。パサパサしたケーキが苦手な連合いも大喜びだった。

 それにしてもパンダンとはなんだろうと思って調べてみた。パンダン(pandan)とは、日本ではニオイタコノキ(匂いタコの木)と呼ばれている熱帯植物のこと。葉に独特の芳香があり、幹からタコの足のように太い気根が出ていることから、この名が付いたようだ。

 パンダンの葉は、タイなどの東南アジア料理で、や肉に香りをつけたり、デザートの香料として用いられたりしているもののようだ。
 パンダンケーキが黄緑なのは葉から絞った汁を使っているから。人工着色料ではなく、天然のクロロフィルの色だったというわけだ。

 パンダンケーキは、国によっては、パンダン・シフォンとして知られているそうだ。やっぱりシフォンケーキだったのだ。

 一般のイギリスのスーパーで見かけることはないが、もちろん製造はイギリス国内。シフォンケーキが簡単に手に入らないイギリスで、このケーキは重宝されそうだ。
 

☆エンジェルケーキ=シフォンケーキ?
 シフォンケーキの特徴はあのふわふわ感だろう。バターではなく植物油を使い、ベーキングパウダーでなく泡立てた白によって生地を膨らませているのも特徴の一つ。

 エンジェルケーキ(angel cake)という名の同様にふわふわしたケーキもシフォンケーキに分類されることがある。しかし、こちらは植物油も使わず、クリームターター(Cream of tartar、酒石酸)というベーキングパウダーの一種を加えるもの。

Chiffon_cake_angel_cake  また、イギリスでは、エンジェルケーキは一般にシフォンケーキではなく、写真のようなバタークリームがサンドされたカラフルな層状のケーキをさすようだ。残念ながら、質感は普通のスポンジケーキと同じ。
 

☆イギリスにシフォンケーキがないのは?
 それにしても、一般のイギリスの店でシフォンケーキが見つからないのはどういうわけか。
 実は、シフォンケーキは、フランスではなくアメリカ生まれ。今から約80年前の1927年(昭和2年)、カリフォルニアの保険勧誘員であり、同時にケーキの宅配業をやっていたハリー・ベイカー(Harry Baker)氏が考案したものだと言われている。

 むろん、ロンドンなどの都会に行けば、もしかしたら簡単に現地流にアレンジされたシフォンケーキが手に入るのかもしれない。しかし、一般にイギリスでシフォンケーキを見つけるのはなかなか困難なようだ。

 日本人の感覚からすると、イギリスなんてアメリカと似たようなものという感じがする。しかし、実際イギリスで暮らしてみると、むしろ、日本とアメリカの共通点のほうが多いことに気付く。
 勝手な想像だが、シフォンケーキも、アメリカから日本にすんなりやってきて広まったものの、イギリスを始めヨーロッパ圏ではまだまだ馴染みの少ない菓子なのかもしれない。
 まぁ、見つからなかったおかげで、パンダンケーキを知ることができたわけだが。
 

 まだ、シフォンケーキの型すら手に入れていない我が家。しかし、そのうち美味しいシフォンケーキを作って、周りの人に振舞ってみたいと思う。もちろん、現地の人の好みに合わせて、たっぷりの生クリームを添えて。その感想はまた後日、追記しますので、お楽しみに。
 

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コメント

パンダンケーキみつかってよかったですね!
ケーキには特有の芳香(?)はするのですか?
オリエンタル食品店にあったということは、英国人向けではないのでしょうか?

私もシフォンケーキ、大好きです。
日本ではどこのケーキやさんにもあるので欧米では一般的と思っていました。
あのフワフワ感がたまりませんよね。

はやく型をみつけて、生クリームたっぷりのふわふわシフォンができるとよいですね!

投稿: ぱんちゃん | 2007年7月19日 (木) 19時30分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

オリエンタル食品店は、店によってはイギリス人のお客も多く
訪れますが、基本的にイギリス在住のアジア人向けという
感じがします。

パンダンのココナッツのような甘い香りがする以外は、
普通のシフォンケーキの味と香りだと思います。
パンダンの香りも嫌味がなくて、本当に美味しかったです。

パンダン自体は、今のところイギリスでも見かけていないのですが、
もし日本で入手されたら、是非使ってみてくださいね。

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年7月22日 (日) 01時35分

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