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2007年6月25日 (月)

(な) なし [梨] PEAR

☆リンゴに並ぶメジャーな果物
Pear_comice_etc  梨(ナシ)といえば、日本では夏から秋にかけての果物、そして和ナシが主流だが、イギリスでは、もちろん、洋ナシばかり。そして、秋から冬にかけてが季節と言われつつ、大体一年中出回っている。

 人気の果物だけあって、リンゴや柑橘類と同様に、山積みされて置いてあることが多い。大体、どれもリンゴ同様に小ぶりで、1個 0.2~0.5ポンドほど(約40~100円)。
 残念ながら、リンゴのように外でナシをかじっている人には今まで遭遇したことがないが、タルトやコンポート、クランブルなどの菓子だけでなく、ソースやチャツネ、サラダなどの料理にも使われている一般的な果物だ。
 

☆種類で季節を表すイギリスの梨
 年中あるからといって季節感がないわけではなく、時期によって店頭に並ぶ種類が違っているようだ。

Pear_conference  よく見かけるのは、イギリス原産のカンファレンス(Conference)。細長い洋ナシ型の枯葉色をした甘いナシで、イギリス市場を出回っているナシの約9割を占めているのだそうだ。

 フランス原産のコミス(Comice)もよく見かける。その他、イギリス原産のウィリアムBC(Williams BC)、レッド・ウイリアムス(Red williams)、ポルトガル産のロシャ(Rocha)や、ドイツ原産のフォレレ・ブラッシュ(Forelle Brush)、ローズマリー・ブラッシュ(Rosemarie blush)、パッカム?(packhams)、テイラーズ・ゴールド(taylors gold)、エインジェリー(angelys)などなど。
 青リンゴのような薄緑色のものから、日本の梨のように黄色いもの、リンゴのように赤いものまで、色鮮やかだ。

Pear_pachams_etc  我が家で特に人気なのは、主に初冬に出回るレッド・ウィリアムス。洋ナシ特有のねっとりした歯ざわりと爽やかな酸味の絶妙なコンビネーションに魅了されて、この時期になるとこればかり食べてしまう。
 

☆イギリスの洋ナシは日本のより美味しい?
 種類が多いので、連合いと洋ナシの食べ比べをして楽しんでいるのだが、予想に反して、どれも高得点になりがちだ。日本のなしに近いものもあれば、濃厚な味のものもあるのだけれど、ハズレが少ないのだ。

 「予想に反して」と言ったのは、日本で食べた洋ナシにそれほどよい思い出がなかったからだ。洋ナシに対して期待をしていなかったからだ。
 日本では、たまに貰いもののラ・フランスを生で食べたりしていたが、大抵は缶詰の洋ナシ。いただきものの生は、さすがにおいしいのだけれど、缶詰の洋ナシは私にとっては今ひとつという感じだった。だから、店頭で洋ナシを見かけても、ジューシーで爽やかな和ナシを選んでいた。

 同じように感じる方も多いのではないだろうか。実は、洋ナシは日本に明治時代からあるそうだが、それにも拘らず、日本では今まであまり人気がなかったように思う。
 ということは、イギリスの洋ナシは日本の洋ナシよりおいしいのだろうか。そして、それは品種の差なのだろうか?

 どうやらそうではないようだ。これは、日本のナシと洋ナシの性質の違い、そして、日本とイギリスの気候の違いによるもののようだ。
 

☆イギリスの洋ナシがおいしいのはなぜ?---「和ナシのように食べるべからず」
 同じ梨(PEAR)と呼ばれ、どちらもバラ科ナシ属に属するのだが、日本のなしと洋ナシでは、形、食感だけでなく、食べ方まで、全く異なる。

 日本のナシは水分が多く、しゃりしゃりとした歯ざわりを味わうもので、冷やして、なるべく早くに食べたほうがおいしい。

 それに対して、洋ナシは、ねっとりした歯ざわりと甘い芳香を味わうものなので、購入してすぐに食べるとなんだか味気ない。数日室温において、熟成させてから食べたほうがおいしく味わえる。熟成させすぎると、甘臭くなってしまうのだけど。
 種類にもよるが、個人的には、軽く指で押さえて、軽い弾力を感じる程度の時が食べ頃のような気がする。

 同じナシ属だが、全く違う食べ方をしないといけなかったのだ。
 

☆イギリスの洋ナシがおいしいのはなぜ?---「日本では温度調節が必要」
 そして、洋ナシの性質は、温暖な日本の気候にはあまり向いていなかったようだ。
洋ナシは木に生っているときには、熟成しないという性質がある。収穫後に熟れ始めるのである。ちょうどいい具合に熟成させるためには、適度な温度と日数が必要だ。
 夏でも比較的涼しいイギリスではちょうどいいのだが、日本の夏から秋の温度では、あっと言う間に熟れてしまってまずくなってしまう。

Pear_compote  そして、缶詰。みかんや桃の味や食感が缶詰と生とで違うように、洋ナシも生と缶詰ではだいぶ味や食感が違う。日本の多くの人達は、缶詰の洋ナシを食べる機会のほうが多いので、洋ナシ=缶詰の洋ナシとなってしまって、苦手意識を持ってしまうのだと思う。

 例えば、イギリス原産のウィリアムBC。確かに、ずば抜けておいしいわけではないが、そう悪くはない。しかし、実はこれ、日本の缶詰の洋ナシに使われるバートレットと同じ種類だそうだ。
 バートレットは日本でも生食されかけたが、暑い日本では出荷中に熟れきってしまうことが多く、不評だったらしい。

 ちなみに、写真の洋ナシのコンポートゼリーは、連合いがイギリス原産のコンファレンスとピムズを使って作ったもの。新鮮な洋ナシを甘く煮たコンポートは、味も香りも歯ざわりも絶品だった。缶詰ではどうやっても真似できない美味しさだろう。

 最近では、クーラーの普及や洋ナシの食べ方の普及によって、日本でもおいしい洋ナシが食べれるようになった。そのうち、こちらのように様々な種類の色とりどりの洋ナシが、日本の店頭を賑わせることになるのかもしれない。
 
 
 
Pear_asian_etc  ごくたまにだが、日本のなしにそっくりな、アジアン・ペア(Asian Pear)というものも見かける。日本のナシに慣れた人にとって、洋ナシの味が新鮮なように、イギリス人にとって、和ナシは新鮮なのだろうか。
 

ー最終更新日 05/Sep/2007ー

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コメント

チャツネってなんですか?(突然ですが。。。)

私も洋なしはいまひとつ、でしたが、なんだかおいしそうですね。
うちでも洋なしは堅いうちに食べていたからいまいちだったのかもしれませんね。
今度洋なしをいただいたら、ちょっと熟れさせてみます。

赤い洋なしというのも意外な感じ。

デザインとしてもかわいらしですよね。
この間かわいい洋なしのブローチを発見しました!

投稿: ぱんちゃん | 2007年6月25日 (月) 19時32分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

チャツネとは、カレーなどに入れる甘い薬味の一種です。
果物や野菜がベースのジャムのようなものです。
日本のカレールーにはもともと入っていたように
思います。また、詳しくは後日記事にしますね。

先日、知人宅で、洋ナシを使ったカクテルをだしてもらったんですが、
とても美味しかったです。また、これもそのうち
写真とともに追加記事にしますねw

洋ナシのデザインのブローチ、きっと可愛いでしょうね。
赤いのは不可でしょうかw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年6月27日 (水) 03時33分

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