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2007年6月11日 (月)

(あ) あじさい [紫陽花] HYDRANGEA

Hydrangea_garden ☆梅雨の花??
 日本で6月の花や梅雨の花といえば、多くの人は真っ先に紫陽花を思い浮かべるのではないだろうか。しかし、ここイギリスでは、5、6月はもちろんのこと、8月の半ばになっても紫陽花が咲いている。
 時折雨は降るが、日本に比べて温度や湿度が低く、からっと過ごしやすい。こんなイギリスの夏の陽射しに照らされた紫陽花は、なんだか奇妙な感じ。
 

☆ブルーではなくピンク
 紫陽花はイギリスでも一般的な花で、庭に植えている人も多い。街に植えられた紫陽花を見ていて、ふと気になることが。みんな花の色がピンク色なのだ。花屋などの店頭で売られているものは、青いものや白いものもあるけれど、庭などに植えられた紫陽花の花の色は皆ピンク。

Hydrangea_flower  日本で見かけた紫陽花は、もちろんピンク色もあったけれど、圧倒的に青色や紫色のものが多かったように思う。種類が違うのだろうか。
 

☆日本からイギリスへ
 実は、イギリスの紫陽花は元は日本からやってきたものだそうだ。といっても、18世紀頃のこと。もう何百年もの間、人々に親しまれてきており、今ではすっかり一般的な花である。改良を経て、様々な品種が出回っているようだ。

Hydrangea_market_4  現在イギリスで栽培されているアジサイは、日本原産のガクアジサイ種(Hydrangea macrophylla)に属するマリエシー(モモイロアジサイ、Mariesii)、クアトリカラー(Quadricolor)、リラシナ(Lilacina)、パーフェクタ(Perfecta)のほか、日本原産のノリウツギ (H. paniculata)や、ミナズキアジサイ(Grandiflora)、中国産のアスペラ(H. aspera) 、北米原産のカシワバナアジサイ(H. quercifolia)などなど。

 中でも、マリエシーは、1879年(明治12年)に、イギリスの園芸家、チャールズ・マリーズ(Charles Maries)が日本から持ち帰った品種の一つだそうで、現在、日本でもアジサイやガクアジサイに並んで人気の西洋アジサイ(hortensia)のもととなったものだそうだ。

 私は花の種類に疎いので、品種の区別がつかないのだが、イギリスで見かけた紫陽花の多くは、日本のものによく似ていた。おそらく同じ品種のものも多いのだろう。

 どうやら、日英の紫陽花の花の色が違うのは、品種の違いということより、他の要因の影響のほうが大きいようだ。
 

☆紫陽花の花の色が違う理由
Hydrangea_soil  紫陽花の花(装飾花)の色を決めている要因の一つは、土の酸性度なのだそうだ。酸性土壌では青く、中性、アルカリ性土壌ではピンクになりやすい。

 紫陽花の花の色は、アントシアニン色素と補助色素によって決まると言われている。この色素が、根から吸い上げられた土壌中のアルミニウムイオンと結合すると、赤(ピンク)から青に発色する。

 酸性の土壌では、アルミニウムが溶け出しやすく、土壌中のアルミニウムイオンが多くなる。日本は火山が多く雨も多いため、土壌は酸性となり、紫陽花の花は青色になりやすい。対して、イギリスを含む欧米諸国では、土壌が中性またはアルカリ性なので、色素が変化せず、花の色がピンクになりやすいようだ。

 イギリスで青い紫陽花を咲かせたい場合は、土に硫酸アルミニウムを加える必要があるとか。
 

☆モップ頭とレースの帽子
 ちなみに、英語の”hydrangea(ハイドレインジア)”とは、「水の器」を意味する言葉だそうだ。
 また、イギリスでは、いわゆるホンアジサイのような丸いボールのような形のアジサイは、”Mophead hydrangea(モップヘッド・ハイドレインジア)”、そして、ガクアジサイのような平らで花の小さいアジサイは、”lacecap hydrangea(レースキャップ・ハイドレインジア)”と呼ばれている。
 「モップ頭」に「レースの帽子」。言い得て妙だ。
 

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コメント

そろそろうちのも咲いてきました。

母が、土壌のpHだけじゃない。うちの庭の同じ土を使ってるのに
色が違う花がさいている!
と主張しています。

種は同じかもしれないですが、素人目にみても
亜種か株かなにか違うと思うんです。

ちがう種類の株だったら、同じpHでも違う色、咲きますよね?

投稿: ぱんちゃん | 2007年6月12日 (火) 20時35分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

もちろん、お母様のおっしゃるとおり、一般的に紫陽花の色を決定するのは、
土壌のpH(酸性度)だけではなく、品種の違いも大きいと思います。
土壌の酸性度はあくまで要因の一つではないでしょうか。
本文にもそう書いたつもりだったんですが、誤解を招いたようですね。
ごめんなさいw

ただ、イギリスと日本の紫陽花の傾向を比べると、イギリスのものに
ピンク色が多いのは、土壌の影響が強いせいではないかと思います。
もしかしたら、イギリス人の好みも多少なりとも入っているのかもしれませんがw

まぁ、実際に、日本の青い紫陽花をイギリスに持ってきて確かめることが
できないので、結局は推測に過ぎませんが。

ひょっとして、お庭の色の違う紫陽花の下には、何かが埋まっていたりしてw
何かの推理小説のトリックでそんなのがあったようなw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年6月13日 (水) 03時32分

赤い色のアジサイの下には、死体がうまってるんですよ。
これは、水谷豊と寺脇康文の「相棒」の話です。

おなじ庭に、昔はあおいアジサイばかりが咲いていたのに、
今は、赤いアジサイがさいているところがある、

ということに気付いた水谷豊氏が、赤いアジサイの下をほってみたら
死体が・・・というはなしでした。

もちろん、うちの庭には、死体はないですよ。
ねずみの死骸くらいはあるかもしれませんが。。。

投稿: ぱんちゃん | 2007年6月13日 (水) 21時46分

ぱんちゃん、再度コメントありがとうございます。

私はタイトルすら覚えていなかったのですが、
よくご存知でしたね〜w
私は、むしろ何かの埋蔵品(お宝)を期待していましたw
(土壌をアルカリ性にするお宝が何なのかも分かりませんがw)

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年6月14日 (木) 03時08分

紫陽花は栽培していませんが、個人的には好きな花です^^
近くに鎌倉という観光地があるのですが、
梅雨時になると、あちこちの寺院で紫陽花が咲き誇ってます。
昔はよく行ったものです。
しかし、最近は5月上中旬によく見ます。
なぜなら・・・母の日ギフト用に市場によくあるからですw
様々な種類や色の紫陽花が市場内に溢れていますよ。
phを調整するのは農家的にさほど難しくないと思いますが、
おそらく園芸種なので色は固定かもしれません。
でも個人的には旬を感じることができる在来種が好きですw

投稿: KAZU | 2007年6月17日 (日) 21時20分

KAZUさん、コメントありがとうございます。

鎌倉の寺院の紫陽花、きれいでしょうね。
そうえいえば、私も日本にいた頃、近くの寺社の紫陽花祭りで、
一面の紫陽花のしっとりとした情景に感動した覚えが。
知る限りでは、イギリスにはそういうのはなさそうです。

母の日の贈り物になっているとは、びっくりしました。
「移り気」という花言葉が気になったものでw
でも「元気な女性」というのもあるようですね。

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年6月18日 (月) 17時51分

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