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2007年4月12日 (木)

(ほ) ほうれん草 SPINACH

Spinach_souffle  ほうれん草は、もちろんこちらイギリスでもメジャーな野菜の一つである。茹でたり炒めたりして付け合せとなったり、スープになったり、キッシュやスフレに入れられたり。
 最近では生のままサラダに入れる人も増えているようだ。

 普通のほうれん草(Spinach、スピニッチ)のほかに、”Young spinach(ヤングスピニッチ)”や”baby spinach(ベイビースピニッチ)”というアクの少ない若いものも多く出回っている。
 

☆束ではなくカットタイプ
Spinach_bag_1  しかし、日本の感覚でほうれん草を探すと見つからない。イギリスのは、日本のように束になっているのではなく、葉だけが袋に入って売られているからだ。

 イギリスの袋入りのほうれん草、手軽に使えて便利といえば便利なのだが、根元(株元)や茎の歯ざわりも楽しんでいた私には、ちょっと物足りない感じがする。
 ほうれん草の根元の赤い部分には、骨の形成に働くマンガンが含まれており、この部分が赤いほど甘いほうれん草なのだそうだ。栄養もあり、味の指標にもなる根元を最初から除いてしまうなんて、ちょっともったいない感じ。

 しかし、日本でも根元をきらって食べない人は多い。「ほうれん草をくたくたになるまで煮て、こってりとした味に仕上げることが多いイギリス料理では、根元や茎の味や食感なんて、あまりどうでもいいのかもしれない。」とか、「こっちの人にはあの赤い色が気持ち悪いのかもしれない。」、なんて勝手に想像していた。
 

☆ほうれん草の東西
Spinach_leaves  束で売らないのは食文化の違いのせいだと思っていたのだが、実は、ほうれん草の種の違いのためだったようだ。東洋種と西洋種。ほうれん草には大きくこの2種に分けることができる。

 イギリスには14世紀頃に西洋種がスペインを経て入ってきた。日本には16世紀ごろ中国を経て東洋種が、そして1860年代にフランスから西洋種がそれぞれ入って来ている。現在の日本で出回っているのは、東洋種と西洋種の交配種だそうだ。

 東洋種は、根元が赤く、茎が長く、葉は薄くギザギザの剣葉である。一方、イギリスで出回っている西洋種は、根元の赤みが少なく、茎が短く、葉は厚みがあり丸い、丸葉である。想像するに、おそらく日本のほうれん草のような甘みや栄養がそれほど根元にないのだろう。また、丸葉で厚みがあるため、葉を一枚一枚分離しやすく、消費者のニーズに合わせやすいのかもしれない。

 西洋種は、東洋種に比べて、アク(シュウ酸)がやや多いと言われている。しかし、サラダで食べる場合は、冒頭のヤングスピニッチやベイビースピニッチを使えばいいし、大抵は茹でて食べるので特に問題はなさそうだ。それほど苦味も感じないし、おひたしにしても充分おいしい。
 

☆カット葉でも砂にご注意
 ただ、袋入りの葉だからといって、すべてのものに土が付いていないわけではない。洗ってありそのまま食べれる(washed, ready to eat)と明示されているものはまず大丈夫だが、中には、洗っていない安価なものもある。用心してちゃんと洗わないと、ジャリジャリした砂の食感のみが口に残る羽目になる。
 

 ちなみに、たまにオリエンタル食品店に東洋種が置いてあるのを見かける。日本のほうれん草と同じ、束になった状態のものだ。きっとイギリスでもどこかで東洋種が栽培されているのだろう。
 

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・食材(野菜・果物)」カテゴリの記事

コメント

ほうれん草、美味しいですよね~。大好きです!
・・・シュウ酸が無ければ。
持病の結石さえなければバクバク食べるのですが、
もっぱらコマツナですw
東洋種と西洋種があること知りませんでした。
こちらで西洋種が売られているのか分かりませんが、
ほうれん草が食べたくなった時は東洋種にしますw

投稿: KAZU | 2007年4月12日 (木) 16時40分

KAZUさん、コメントありがとうございます。

ほうれん草、好きなのに食べられないなんて、辛いですよね。

こちらは逆に、コマツナを食べれません。
イギリスでは(少なくともうちの近隣では)売っていないみたいです。
大好きなんですけれどね〜w

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年4月12日 (木) 18時48分

spinachといえば、葉緑体の密度が高いため、大学院の実験で
いつも新鮮な市場で青々としたのを選んで実験していたのを思い出します。

ほかの植物から抽出した葉緑体とくらべて、ものすごく活性が高いです。

栄養価満点、と思います。

葉緑体を抽出して、液体窒素にピペットで滴下すると、
こい緑色の仁丹のようなものができます。
タバコでつくった仁丹はニコチンだらけなので食べたら死んでしまうとのこと。
おそろしいですね。

月曜の朝に市場でほうれん草をしこんで、一週間かけて
葉緑体の仁丹をつくって、アッセイする、
っていうのが何ヶ月も続きました。汗と涙の青春です。

マニアックでごめんなさい。でもほうれん草は青春の野菜です。

投稿: ぱんちゃん | 2007年4月12日 (木) 21時12分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

なるほど~。
ポパイがほうれん草を食べて強くなっていたのは、
あながちウソではなかったんですねww

あれはアメリカの作品ですが、実はイギリスでも、
どこかのスーパーで、ほうれん草の缶詰を見かけたことがあります。
(それほどメジャーなものではないようでしたが。)

ほうれん草の仁丹、液体窒素でカチコチに凍ってさえいなければ、
缶詰より手軽にパワーアップできて、いいかもしれませんねw
シュウ酸も除かれてそうですしw

面白い青春の思い出をありがとうございました。

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年4月12日 (木) 22時58分

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