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2007年3月29日 (木)

(か) カウンシル税 [住民税] -前編- COUNCIL TAX -part1-

 おそらく、どこの国でも同じだと思うが、住む限りは税金を払わなくてはならない。イギリスで働いて暮らしている多くの日本人が払っているのが、所得税(income tax)、住民税、付加価値税(VAT)のこの3種だと思う。今回は、この中の住民税の話。
 

☆住民税のお知らせ
 イギリスでは、春を迎えた4月上旬に、毎年、”council tax bill (カウンシル・タックス・ビル、カウンシル税の請求書)”というものが郵送されてくる。
 カウンシルとは地方議会、日本の地方公共団体(市町村)の役所にあたるところである。つまり、役所から送られた住民税の納税通知書というわけだ。
 住んでいるのだから、そこの住民税を払うのは当たり前のことだ。しかし、これを受け取った初年度の私達は、その課税システムがわからなく、戸惑ってしまったのである。
 

☆日本は所得、イギリスは家?!
 住民税といえば、ご存知のように日本では、所得に応じて課税される。自営業の人やフリーターなどの場合は、確定申告をして、役所から6月頃に郵送される納税通知書をもとに、役所か金融機関に納税しに行くことになる。給与所得者の場合は、大抵、会社側が代わりに申告してくれるので、毎月給料から天引きされるのを眺めて、5、6月頃に特別徴収税額通知書を会社で受け取るだけである。

 うちはイギリスで働いて暮らしているものの、給与をイギリス国外から支給されているので、所得税を納税していない。申告もしていないので、当然、カウンシルもうちの所得を知りえるわけがなく、なんだか腑に落ちなかった。しかし、請求書をよく見て気が付いた。
 イギリスの住民税は、所得に応じて課税されているのではなく、住んでいる家に応じて課税されているのである。
 

☆納税義務者は、住人全員
 イギリスに住んでいる限り、そのがどんな家であれ、また、家の代わりに車に住んでいようが、ヨットに住んでいようが、カウンシル税を払わないといけない。
 一見、一種の固定資産税のように思われるかもしれないが、そうではない。この場合、税を納めなくてはならないのは、家の持ち主ではなく、そこに住んでいる住人である。

 基本的には、18歳以上の住人全員に納税義務(liable)がある。夫婦であっても、配偶者(パートナー)も共に納税義務を持つことになる。といっても、税額は基本的に家単位で定められているので、頭数で割ればいいだけだ。家計を共にする夫婦の場合、「MR [夫の名前] & MRS [妻の名前] [苗字]」というように、共同名義で納税している人も多い。我が家もそう。
 

☆例外:納めなくてもいい人達
Council_tax_notliable  18歳以上の住人全員が納税しないといけないと述べたが、もちろん例外はある。まず、空き家の場合は住人がいないので、家の持ち主が払うことになる。
 また、所得のない学生だけで住んでいる場合や、学生でなくとも18歳未満だけで住んでいる場合は、納税が控除される。

 そして、イギリスらしいのがシェア(共同生活)をしている場合の納税方法である。こちらでは、家やマンション・アパートを他人同士が共有して生活することも多い。特に学生の場合は大抵シェアのようだ。また、家賃が高い都会では、単身者だけでなくカップル(夫婦)同士もシェアし合っている。このような場合の多くは、カウンシル税が予め家賃に組み込まれており、家の持ち主(大家)が納税するシステムになっている。

 また、日本の借り上げ社宅のような感じだろうか、社員や従業員が住む家のカウンシル税を雇用者が払う例も認められている。

 イギリス在住の日本人の中には、家賃の高いロンドン住まいの人や、留学や駐在で来ている人も多いので、このような例外に該当している人が少なからずいるように思う。
 

☆控除や減額の対象は?
 日本の住民税と同様、イギリスのカウンシル税にも控除(減額)の対象がある。しかし、課税の対象が所得者ではなく家(住人)であるため、だいぶん事情が異なる。

 日本では、配偶者、障害者、勤労学生、老年者、寡婦(夫)などがその対象になる。学生や退職者など、前年に収入のない人はもちろん納税する必要がない。

Council_tax_benefit  一方、イギリスでは、所得がなくともカウンシル税を払うことになる。しかし、収入が1万6千ポンド(約320万円)以下の人や無職の人は控除(Council Tax Benefit)の対象になるそうである。また、住んでいる家族の中に障害者がいる場合も減額の対象になる。

 また、2人以上が本宅として住んでいることが基本となっているので、単身で住んでいる場合は、単身割引(single person’s discount)が適応され、25%引きになるし、本宅と別宅を両方持つ人の場合は、本宅は通常通りだが、別宅(別荘)に別宅割引(second homes’ discount)が適用され、10~25%の割引になる。
 また、別宅ではなく空き家を持っている場合は、空き家割引(empty homes discount)で半額になる。ただし、別宅を空き家と申請する人がいるからなのだろうか、家具付きでないことが条件のようだ。詳しくはこちらの政府のガイドをご覧ください(英語)。
 

☆いないのに払わないといけない人?
 また、ややこしいのは、納税義務(liable)がない人とは別に、税の対象にならない、つまり住人の頭数に入らない(not counted)人がいることである。
 それは、基本的には家の場所やグレードで納税額が決まるものの、住人の数も納税額に影響してくるからだ。学生や見習いの人、18歳と19歳、介護士が介護のために住んでいる場合や、教会に住んでいる神父、国や外交の機関で働いている人などは、税の対象者とならず、住人の頭数に入らない。
 
Council_tax_not_counted  しかし、税の対象者とならなくても、必ず納税免除となるわけではないところがこのシステムの不思議なところ。これらに該当しないAさんが、これらに該当するBさんと2人で暮らしている場合を例にとって説明したい。
 まず、通常の場合と違い、Bさんは課税対象にならない、つまり頭数に入らないので、Aさん1人で暮らしていると見なされ、単身割引された額をAさんが納税することになる。
 さらに、経済的な事情か何かで、AさんよりBさんのほうが納税者として適当と見なされた場合は、人数にカウントされていないにも拘らず、Bさんが納税義務者としてAさん1人分の税金を納めることもあるのである。
  詳しくはこちらのイギリスの地方自治体財政情報(Local Government Finance Information)のサイトをご覧ください(英語).(注) PDFファイルがダウンロードされます。
 

 まぁ、イギリスに住んでいる日本人の場合、働いていない学生さんか、家賃込みの物件か、会社が払ってくれているのでない限りは、まず自分で納税することになると考えていいようだ。
 では、いくらぐらい支払わないといけないのか。その話は後編で。

 後編はこちら
 

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