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2007年2月 1日 (木)

(う) 運転免許証 DRIVING LICENCE

 イギリスでの生活も2年目になると、英語は上達しなくても、「地元民」へのステップを大きく一歩踏み出すことになる。

 1年未満では申し込めなかったスーパーマーケットのポイントカードが申請できるのも、ちょっぴり「地元民」感をアップさせるが、何よりもそれを感じさせるのは、運転免許証の切り替えだろう。
 

☆1年未満の滞在での運転なら、国際運転免許証か日本の運転免許証で
Driving_licence_international  海外で車を運転する際、1年以内であれば、日本で発行してもらう国際(国外)運転免許証を使うことができる。これは、通称「ジュネーヴ条約」と呼ばれる、1949年(昭和24年) 9月19日にスイスのジュネーヴで締結された道路交通に関する条約(Convention on road traffic of 19 September 1949)に基づく運転免許証である。

 この条約では、「条約締約国は他の締約国が発給した同条約の附属書9又は附属書10の様式に合致する免許証を所持する者に対し、上陸の日から起算して1年間は、自国において運転することを認めること」と定めている。

 現在90ヶ国以上の国が条約締約しており、日本はもちろんのこと、私達にとって身近な国の殆どは、この条約締約国の中に入っている。当然、イギリスや、フランス、イタリア、ベルギーなど殆どのヨーロッパ諸国も。そのため、この薄っぺらい冊子1つあれば、一年間は、イギリス国内はもちろん、ヨーロッパでのドライビングを気軽に楽しむことができるのである。 *(注)ドイツとスイスは締約国の中に含まれていませんが、日本の免許証とその翻訳文、または国外免許証があれば1年間運転できるそうです。

 そして、私たちは知らずに国外運転免許証を取得して来たのだが、イギリスでも、なんと、条件つきで日本の運転免許証で運転してもよいそうだ。イギリスに住居を持つ人、非居住者(短期滞在者)、学生でそれぞれ条件は多少異なるが、どれも1年以内に限り普通乗用車の運転が認められている。
 詳しくはこちらのイギリス政府が運営する”Directgov”の運転免許証のサイトをご覧ください(英語)。文中の ”Use the 'driving in GB' interactive tool”をクリックすると、それぞれの条件を確かめることができます。
 

☆国際運転免許証の便利な点と不便な点
Driving_licence_international2  国外免許証は、出国前に陸運局に行って手続きをするだけなので、比較的、楽に入手することができる。だが、そのデザインはちょっといただけない。通常の免許証の2倍以上の大きさの灰色の厚紙冊子である。大き過ぎて財布や服のポケットに入らないし、耐水性もない。
 そして、逆にイギリス人には”Cool(クール、かっこいい)”と言われる漢字のオンパレード。国外免許証だから当たり前なのだけど、いかにも「一時滞在の外国人」風。

 財布に入らないものだから、必要時(運転時)以外はパスポートと同様に家に置いて来てしまう。すると困るのが、身分証の提示を求められたときだ。東洋人は若く見えるのか、何十年も前に成人していても、未だにレジでの酒類購入の際などに身分証を求められることがある。

 職場等で発行される身分証は、カードキーを兼ねているため、写真は載っていることはあっても、名前や詳細が記されていない。クレジットカードも写真や誕生日が載っていないので意味をなさない。
 だから、結局、とっさのときには日本の運転免許証を差し出すことになる。しかし、載っている名前は漢字のみ。生年月日や発行年月日ですら、昭和や平成といった和暦で書いてあるので、そのままこちらの人に見せても、全く意味を解してもらえない。

 今まで、スーパーのレジ以外で提示を求められたことはないが、とっさに身分を証明するものを出せないというのは、なんだか、宙に浮いた感じだった。

 そんなわけで、早くイギリスの運転免許証がほしいと思っていた。もちろん、1年を待たず、切り替えをおこなうことも可能だが、年に数回の運転のためと、鞄から灰色の大きな冊子を取り出す気恥ずかしさを拭い去るためだけに、切り替えをすることもあるまいと思って、1年が経つのをじっと待っていたのだった。
 

☆運転免許証の切り替え---試験なし。書類のみ。
 海外で取得した運転免許証を日本のものに切り替える場合は、適正試験や、交通規則の知識の確認、実際に運転免許センター内のコースを走っての運転技能の確認が必要だそうだが、日本の運転免許証をイギリスのものに切り替える作業は、書類のやり取りだけ。

 イギリスの運転免許証を発行するのは、英国運転免許庁、DVLA (Driver and Vehicle Licensing Agency)である。イギリス各地40箇所にDVLAの地方事務所があるので、実際に出向いて書類処理を済ますこともできるが、私の場合は、すべて郵便で済ました。
 (ご注意:これはあくまで、2006年に申請した我が家の例です。手続き法が変更される場合がありますので、事前にDVLAにご確認ください。) DVLAのサイトはこちら(英語)。
 

☆申請の実際---1:申請書の入手から総領事館とのやり取り
Driving_licence_how_to  まずは、運転免許証の申請書(Apprication form for Driving Licence)を郵便局でもらい、同時に、総領事館に「自動車運転免許証抜粋証明書(Certificate of Japanese driver's licence)」を申請した。総領事館のサイトはこちら(日本語)。

 申請の際に用意したのは以下のもの。
・各種証明書申請書---同サイトの所定のPDF書類
・現在有効な日本の運転免許証(原本)
・パスポートのコピー
・手数料11ポンド(約2千2百円)の小切手
 大事な日本の運転免許証が郵送中になくならないように、返信用封筒も特別郵便(special delivery)にして、特別郵便で郵送した。

 すると、1週間もしないうちに、総領事館から「自動車運転免許証抜粋証明書」が送られてきた。
  

☆申請の実際---2:申請書用の写真とサインの準備
Driving_licence_form それまでにしたことは、免許証用の写真の準備と、サインを知人に頼むことだった。

 イギリスでは、日本の運転免許証用の写真は使えない。日本のサイズは3.0×2.4cmなのだが、こちらのは、パスポート申請用と同じく4.5x3.5cmだからだ。ちなみに、日本の履歴書用も4.0x3.0cmと大きさが足りない。スーパーの中に3分間証明写真の機械が設置されているが、うちの場合は家のデジカメで写して体裁を整えた。

 そして、知人へのサインの依頼。イギリスやヨーロッパ諸国(EC/EEA)のパスポートを持っていない人がイギリスの運転免許証への切り替えをおこなう場合は、身分を証明するため、写真にサインをしてもらう必要がある。

 この場合のサインは誰のでもよいわけではもちろんなくて、免許証申請者を2年以上知っている、イギリスに永住権を持っている人でなくてはならない。また、免許証申請者の親戚や家族、同居人、そして郵便局局員であってはいけない。私が頼んだのは職場の人。快く写真の裏にサインして、申請書に名前や住所を記入してくれた。
 

☆申請の実際---3:いざ申請
 必要書類がそろえば、いざ申請。
・写真を貼り付けたDVLAの所定の申請書(D1)
・総領事館に発行してもらった「自動車運転免許証抜粋証明書」
・日本の運転免許証(原本)
・パスポート(原本)
・手数料38ポンド(約7千6百円)の小切手
 以上のものを、返信用封筒も特別郵便(special delivery)にして、特別郵便でDVLAに郵送した。(DVLAの住所は、Foreign Licence Section, D3. DVLA, Swansea SA99 1BT)
  

☆運転免許証申請の実際---運転免許証が届いた!
Driving_licence_ukandjp  すると、2週間もしないうちに、DVLAからパスポートの返還があり、そのすぐ後に運転免許証が送られてきた。なんでものんびりしたこの国にしては、恐るべき早さだった。

 送られてきた運転免許証は、日本の免許証と同じ、クレジットカードサイズ。国外免許証の3分の1以下の大きさだ。日本の運転免許証と同じく、氏名と誕生日、現住所などが記載されている。
  

☆イギリスの運転免許証の特徴---EUもOK。切り替え10年。
 日本の免許証との大きな違いは、UKのマークと有効期限、そして、サインとバーコードだろう。

 左上には、ナンバープレートのユーロプレートのマークと同じように、青地に12個の黄色の星からなるEUの旗のシンボルマークの中に国名のUKが入ったものが印されている。つまり、イギリス国内だけではなく、EU国内もこの免許一つで運転することが可能なのである。詳細を知りたい方はこちらのイギリス政府の運営する”Directgov"の運転免許証のサイトをご覧ください(英語)。

 そして、日本の運転免許証で一番目立っている文字は、ご存知のとおり、名前でも生年月日でもなく、有効期限。しかし、イギリスの免許証の場合は、発行日の隣に同じように小さく記載されているだけだ。
 これは、日本では運転免許証は、2、3年で更新しないといけないが、イギリスの運転免許証の場合は、住所氏名などに変更がなければ、10年間更新しなくてよいからである。そして、この10年というのも、本人確認のための写真の更新が主な目的だ。そして、それも70歳まで。70歳を過ぎると写真の更新が要らなくなるからだそうだ。

 そして、表に自分のサインが、裏にバーコードが付いているのも面白い相違点だろう。実際に警察に提示を求められたことがないし、そういう人の話も聞いたことがないので、どのように活用されているのかわからないのだが、気になるところだ。
 

☆日本の運転免許証を返してもらいたいときは?
 さて、DVLAから送られてきたのは、パスポートとイギリスの運転免許証だけ。自国(日本)の運転免許証は、通常は返還されないらしい。

 しかし、2004年(平成16年)の11月から、総領事館を通しての返還が可能になったそうで、運転免許証が届いて3ヶ月ほどしてから、総領事館から、DVLAから運転免許証が返還されてきた旨の手紙が来た。

 そして、郵送で受け取るために、
・同封の返還希望届
・パスポートのコピー
 以上のものを返信用封筒を特別郵便(special delivery)にして、総領事館宛てに郵送すると、その後、数日で日本の運転免許証が送られてきた。
 

☆書き換えに必要な日数とコスト
 免許証入手までにかかった時間は、数週間。かかった料金は、約50ポンド(1万円)+特別郵便代(4ポンド弱x5回)+普通郵便1回で、70ポンド(約1万4千円)ほど。日本の運転免許証の返還を含めて、手続きすべてが終わるまでに、4ヶ月弱かかった。
 

☆新規取得も可能だが・・・
Driving_licence_instruction  もちろん、日本の運転免許証をイギリスのものに書き替えるのではなく、イギリスで運転免許証を新規に取得することも可能だ。

 しかし、新規取得の場合、仮免許(provisional)の書類申請(38ポンド(約8千円))に加えて、筆記テスト(theory test)のと実技テスト(practical test)を受けることになる。それぞれ、21.5ポンド(約4千3百円)、48.5ポンド(約1万円)かかり、一度で合格しても計108ポンド(約2万2千円)。詳しくは、イギリス政府の運営する"Directgov"のこのサイトをご覧ください(英語)。

 渡英後、日本の免許証が失効してしまった連合いは、こちらで新規に免許証を取得することを希望していた。しかし、日本での実技で、教習所教官の関西弁、「(ハンドルを)ようけきったらあかん!(=きり過ぎるな!)」がわからなくて大失敗した前歴の持ち主。いわんやイギリス英語をや。
 イギリスの運転免許証1枚のために一家路頭に迷うわけにはいかないので、夢を諦めて、日本での再発行をしてもらい、免許の切り替えとなった。
 

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コメント

免許証=身分証明書
取得おめでとうございます。

漢字はCoolなんですね。

そうそう、私の母は免許をもっていないので
健康保険証を身分証明書にしていますが
そのようなものはないのでしょうか?

あと、両親はイギリスから今の◯◯市に移住したので
住民票の転入元が「イギリス・バークシャー・なんとか」
になっていていちょっと格好いいです。

私は産まれていなかったので◯◯市にて出生なんで
ちょっとうらやましかったりします。

ろっきぃさんも帰国したら素敵な住民票をゲットできますよ。

投稿: ぱんちゃん | 2007年2月 4日 (日) 08時15分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

漢字の付いたグッズや衣服を身につけている人も
たまに見かけます。
「小形忍者」とか「武士の方法」とか、
意味がよくわからないものが大半ですね〜。
逆に、日本製の英語の書かれた衣服は、
こちらの人にとってかなり奇妙にうつるようです。

イギリスにも健康保険証のようなものはありますが、
写真も載っておらず身分証明書と使われることは
殆どないような気がします。
(そういえば、日本のも載ってなかったような気がしますが。
最近は載っているんでしょうか。)

酒類購入時など、身分証明書として使うには、氏名、
生年月日、住所に加えて、写真が載っていることが
必要な場合が多いようです。
そういう意味では、運転免許証かパスポートが
やはり一番有効のようです。

面白いのは、時によって、請求書(支払い書)が
身分証明書として使えることでしょうか。
公共料金や地方税の請求書、銀行の明細など、
写真や生年月日がなくても、パスポート等以上に
威力を発揮することがあります。

「イギリス・バークシャー・なんとかから転入」、ですか。
クール(笑)ですね〜。もったいなくて引越できないですねw
帰国が楽しみですw 
情報ありがとうございました。

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年2月 4日 (日) 21時10分

「英物 ろっきぃ」さんの免許証は秀逸ですねw
「なめんなよ」って猫の模造免許証を思い出しました。

健康保険証は、家族で一枚だったのですが、
最近1人につき1枚名刺サイズの保険証になりました。
写真はなしです。
(各自治体によって違いがあるかどうかは分かりません。
 調べる気もありませんw)

投稿: KAZU | 2007年2月 5日 (月) 23時12分

KAZUさん、コメントありがとうございます。

お褒めに預かり光栄です。
「な○ネコ」ですね。うちにもありましたw

個人別になったとは知りませんでした。
小さくなったものの、お子さんの分やらを携帯すると
結構かさばりそうですね。
やはり必要時のみということになるのでしょうか。

イギリスの健康保険証にあたるものは、
薄っぺらい紙一枚ですが、国際免許証の大きさに近いです。
(各自治体によって違いがあるかどうかは分かりません。
調べる気もありません、もとい、また調べて、後日の記事でご紹介しますw)

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年2月 6日 (火) 20時33分

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