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2007年2月19日 (月)

(は) パンケーキデー PANCAKE DAY

Pancake_day_serving  こちらイギリスでは、明日2007年2月20日はパンケーキデーだ。これは、名前のとおり、パンケーキを作って食べる日である。

 日本では、毎月26日は風呂の日、27日はツナの日、29日は肉の日。それぞれ数字のゴロに合わせて付けられた日だ。ゴロ合わせにはなっていないが、あんパンの日(4月4日)、アイスクリームの日(5月9日)、ピザの日(11月20日)、なんてものもあるらしい。
 これらは、主に企業や団体によって、日本に導入された記念を祝ったり、販売流通促進の目的で制定されたものが多いようだ。なんだか、パンケーキの日というのもありそうな雰囲気である。

 しかし、イギリスのパンケーキの日は、製粉協会や養鶏協会が小麦粉や卵の需要を増やすために設けた記念日ではなく、古くからある宗教行事なのである。
 

☆パンケーキデーはキリスト教の行事の一つ
 聖書によると、イエス・キリストは40日もの間、断食をして、悪魔の誘惑を断って修行したそうだ。これに習って、この期間に今までの生活を悔い改め、断食(節制)して、清い生活を送ろうという行事が行なわれるようになった。これが、レント(Lent、四旬節、大斎節、受難節)と呼ばれるものである。レントの間は、肉や、乳製品、油などを控えて食事を制限し、結婚式などの行事を控えなければならない。

Pancake_day_date  レントが始まるのは、”Ash Wednesday(アッシュ・ウェンズデー、灰の水曜日)”と呼ばれる日から。この日は、懺悔の象徴として灰を頭にふりかけることから、そう呼ばれるようになったとか。アッシュ・ウェンズデーは、イースター(復活祭)の46日前だそうだ。

 そして、アッシュ・ウェンズデーの前日がパンケーキデー。正式には、”Shrove Tuesday(シュロウヴ・チューズデー、告解[懺悔]の日)”と呼ばれている。レント突入の前日であるこの日、レントの期間中に食べない卵や牛乳、油を使って、パンケーキを焼いて食べるのである。
 節制生活に入る前の羽のばしの日でもあり、且つ、傷んでしまう生ものを片付けてしまう日でもある。なんて、合理的。
 

☆毎年イースターと共に変動します
 面白いのは、何月何日という決まった日が定められているわけではないこと。毎年、イースターの日にちが変動するのに伴って、アッシュ・ウェンズデーとともに、パンケーキデーも変わる。2006年は2月28日、2007年は2月20日、そして2008年は2月5日の火曜日。
 

☆イギリスのパンケーキ
Pancake_day_size  パンケーキ(pancake)という名で呼ばれているが、イギリスのパンケーキは、日本のホットケーキとクレープの中間のような感じのもの。大きさは、大体、直径20cm前後、厚さ2mm弱程度のものが一般的だろうか。
 イギリスには、日本のどら焼き[三笠(みかさ)]の生地と同じぐらいの大きさのパンケーキもあるが、そちらはスコッティッシュ・パンケーキ(Scottish pancake)と呼ばれて区別されることが多いようだ。

 パンケーキの材料は、小麦粉、、牛乳、バターと塩少々。フライパンに生地を薄く広げ、お好み焼きやホットケーキをひっくり返すような要領で高く放り投げて(tossing、トッシング)焼くのが一般的だ。
 レモン汁とグラニュー糖をかけて2つ折りにしたり、巻いたりして食べるのが基本的な食べ方のようだが、ゴールデンシロップやジャム、生クリームをかける人もいるようだ。
 

☆断食はせずとも・・・
 今では、レントの間に断食をする人は殆どいないようだが、パンケーキデーにパンケーキを焼いて食べる人は案外多い。日頃、体型を気にして殆どケーキに手をつけない知り合いのイギリス人女性も、ちゃんとこの日はパンケーキを焼いて食べるのだとか。

 また、各地でパンケーキ・レース(Pancake race、パンケーキ競争)というものが開催される。これはパン食い競争のようなパンケーキの早食い競争ではなく、フライパンにパンケーキを乗せて走る競走のこと。パンケーキをトッシングしながら、フライパンから落とさないように路上や廊下などを走るのである。こちらのCBBC(子供用のBBC)のニュースからその様子の写真をご覧になれます(英語)。
 

 不思議なのは、パンケーキデー間近になると、卵や小麦粉、牛乳、挙句の果てには、パンケーキミックスや既製のパンケーキが店頭に山積みされ、人々が買いあさっていること。レントの期間中に食べない卵や牛乳、バターなどを片付けてしまうはずの日ではなかったのか。
 いまや、イギリス人にとって、パンケーキデーは、単なるパンケーキを食べるお祝いの日に過ぎなくなってしまっているのだろうか。
 

 ちなみに、有名なブラジルのリオのカーニバルや、アメリカのニューオリンズのマルディグラは、パンケーキデーと同じく、レント前の羽のばしの行事だそうだ。
 

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コメント

以前ドイツの田舎町で、ビュッフェ形式の朝食があった。
パンやシリアル、ソーセージやお菓子なども食べ放題。
そこにパンケーキ焼き機なるものがあり、使い方がわからずに苦労した。

日本のおせち料理も、正月は台所に立たないため、
といわれている気がするけど、あえて普段は作らない
凝った料理をしたりする点でパンケーキデイと通じるものがあるかも。

しかし、ダイエットを気にせずに、甘いものをみんなで食べよう、という欲求は日本のバレンタインや、おぜんざいと同じで、各国共通なのかもしれないですね。

トッピングを工夫したパンケーキなど、また耳よりレシピがあれば紹介して下さい。

投稿: ぱんちゃん | 2007年2月20日 (火) 21時50分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

パンケーキ焼き機ですか。見た事ないですね。
まさか、生地を流して自分で焼くんじゃないですよね?

イギリスのパンケーキは、フライパンで手軽に焼くものなので、
日本のホットケーキやクレープと違って不恰好なものも多いですが、
食べてみると案外美味しいです。

私もイギリスのパンケーキデーをみて、ふと日本の
お正月やクリスマスを思い出しました。

数ヶ月前にクリスマスでたらふく食べて、またこの後、
1ヶ月ちょっとするとイースター。
冬は、行事にかこつけて、食べてばかりですねw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年2月21日 (水) 00時37分

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