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2007年1月29日 (月)

(す) スウィード [カブハボタン] SWEDE

☆大きな黄色いかぶ?
Swede  渡英してしばらくして、スーパーででっかい蕪(かぶ)を見かけた。頭が紫、尻が薄い黄色の丸いどっしりとしたかぶで、ソフトボール大から小型のメロンぐらいの大きさのものが0.75ポンド(約150円)程度ととても安い。イギリスのかぶはやっぱり違うなぁと思いながら買い物カートに入れた。

 このかぶ、イギリスでは、スウィード(swede、スウェード)と呼ばれている。
 外見は、かぶの仲間だが、中身は多少違うようだ。まず、かぶよりも断然硬い。硬いカボチャを切っているような感じ。なかなか包丁が入らないし、一度入るとなかなか抜けない。
 そして、中身は、薄い黄色。
 

☆加熱で本領発揮。
Swede_colour  とりあえず、いつものように、軽く茹でてみた。スウィードの特徴の一つは、その色の変化だ。加熱すると、鮮やかな黄色に変わる。そして、第二の特徴は、加熱してもいつまでもしっかりしていること。

 かぶやパースニップのような感覚で加熱調理すると加熱が足りずに期待はずれに仕上げるかもしれない。かぶとベーコンのスープならぬ、スウィードとベーコンののスープを作ったが、1時間も煮たのにカブのようにとろけず、まだまだしっかりとした歯ざわりが残っていた。大きめに切ったスウィードを中まで柔らかくするためには、かなりじっくり煮込む必要がありそうだ。

Swede_stirfry  しかし、その加熱してもしっかりしているという特徴は炒め物にも適しているように思う。千切りにして炒めても美味しいし、にんじんやブロッコリのように軽く下茹でして炒めると、シャキッとした歯触りと彩りの両方を楽しむことができる。

 また、蒸し器などで長時間加熱すれば、ホックリ甘くなるというのも、スウィードの特徴。
 もちろん、じゃがいもやさつまいものようにはでんぷん質が多くないので、少し違った味わいなのだが、イギリスでは、マッシュポテトのように茹でたものを潰して食べられたりしている。じゃがいもやにんじんと一緒にマッシュされたものや、マッシュ用にさいの目切りになったものも、店頭によく並んでいる。

Swede_soup  また、こちらでは、シチューやキャセロールなどの煮込み料理にもよく使われたりする。にんじん、小たまねぎ、パースニップ、スウィードがセットになったキャセロール野菜セットの袋もよく売られている。

 かぶの甘みと香りに加えて、大根ともにんじんともパースニップともセロリアックとも全く違った、クセのない根菜独特の味がほんのりとする。見かけの派手さに比べて味は控えめ。だから、和風にも洋風にも使えるように思う。

 生や軽く茹でて、サラダや炒め物としてシャキシャキ感を味わってもよし、じっくり煮込んで甘さを味わってもよし。アイデア次第でレシピが広がりそうな野菜である。
  

☆スウィード?、ルタバガ?、ニープ?
 スウィードという名前は一体どこから来たのか。
 普通のかぶはご存知のとおり、”turnip(ターニップ)”。このでっかいかぶには、パースニップ(parsnip)のように、かぶの仲間っぽい”〜ニップ(〜nip)”という言葉が付いていない。

 一般に、”swede(スウィード)”というのは、「スウェーデン人」のことを指す。そう、スウィードの原産国はスウェーデン。極まれに”swedish turnip(スウェーディッシュ・ターニップ)”と呼ばれることもあるのだとか。

 最初、イギリスのスコットランドに伝わり、それから、他のイギリス国内やヨーロッパに伝わったと言われている。スコットランドでは、”neep(ニープ)”と呼ばれたりするのだとか。現在のスウェードは、17世紀、ボヘミヤ(Bohemia)で発達したといわれている。 

 アメリカでは、ルタバガ(rutabaga)と呼ばれているそうだ。ルタバガ(rutabaga)という言葉は、スウェーデン語の”rotabagge(=root bag、直訳「根の袋」)”という言葉の由来しているそう。しかし、実はスウェーデンでは、”Kalrot(=cabbege root、直訳「キャベツの根」”と呼ばれているそうだ。なんだかややこしい。
 

☆イギリスの葉牡丹??
Swede_table  日本で見かけたことがないのだが、「カブハボタン」という和名もあるそうだ。「ハボタン」という名前が付いているが、花のような葉を観賞するあの葉牡丹の根の部分ではなく、全く種類が異なるようだ。実物の写真がないのでお見せできないのだが、スウィードの葉のつき方はかぶのような感じのようだ。

 では、かぶの一種かというと、やはり違う。どちらもアブラナ科のアブラナ属だが、種が違う。スウィードは、同じアブラナ属のキャベツとかぶの交配種だと言われている。

 学名は、Brassica napus var. napobrassica。”Brassica(ブラシカ)”とは「アブラナ」という意味。2つもブラシカという言葉が入っている。アブラナ中のアブラナといったところだろうか。
 

☆栄養価も「かぶ+α」
 気になる栄養価だが、かぶと同じく、食物繊維とビタミンCが豊富だそうだ。そして、黄色い色といえば、にんじんなどでお馴染みのベーターカロテン。ビタミンA効果も期待できるようだ。

 日本では、家畜のえさとして使われることはあっても、一般には浸透していないスウィード。実は、イギリスでは、かぶが最初は同じような境遇にあったようだ。牛の飼料としてしか使われず、なかなか普及しなかったのだとか。しかし、今ではかぶは、イギリス人にとってもなくてはならない野菜の一つ。

Swede_with_mince  そのうち、日本でもスウィードが日常野菜として食卓に現れる日がくるのだろうか。願わくば、新しい野菜「スウィード」としてではなく、復興した「カブハボタン」として広まってほしいと思うのだが、どうだろう。
 

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コメント

うちでは小さいかぶらをうすく切って
市販のすし酢に昆布を加えて浸けるだけの
簡単千枚切りを作っています。

千枚切り、あるいはおつけものにしてみてはどうでしょう?

大根やにんじんとなますにしてみるとか。

ポトフとか、色々使えそうですね!

投稿: ぱんちゃん | 2007年1月29日 (月) 22時30分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

早速、レシピのアイデアをありがとうございます。

実は、最初、千枚漬けも試してみました。
それなりに美味しかったのですが、かぶほど
柔らかくないためか、漬ける時間が短かったためか、
千枚漬け独特のとろっとした舌触りにはならず、
あともうひと工夫が必要なように感じました。

厚めのいちょう切りにして茹でたスウィードは、
見た目は沢庵漬けそっくりなんですが、
乳酸菌が死んでいますし・・w 
美味しい漬物に出来たら、またご報告しますね。

おっしゃるように、なますもよさそうですね。
来年のおせち料理には加えてみたいと思います。

生でも美味しいのですが、スウィードを堪能するなら、
やっぱり加熱料理という感じがします。
一番下の写真のひき肉あんかけは、スウィード自体は、
薄いだし汁で長時間煮込んだだけなのですが、
ほっくり甘くて、今まで作ったスウィード料理の中でも
一二を争う出来のレシピでした。

ポトフも美味しそうですね。
牛肉と一緒にはまだ煮たことはありませんが、
骨付きの鶏肉と一緒に煮込んだり、他のいろんな野菜と
一緒に煮込んでミネストローネ風にしたりもしましたが、
どれもよく他の材料と合っていたように思います。

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年1月30日 (火) 00時50分

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