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2007年1月15日 (月)

(ほ) ホチキス [ホッチキス] STAPLER

☆持ってきて後悔するもの
 予算の関係上、渡英の際に日本から持って来たものはそれほど多くないのだが、わざわざ持ってきたことを後悔するものが幾つかある。ホチキス(ホッチキス)もその一つ。

 後悔する大抵のものは、イギリスにはないだろうと思って持ってきたのに、案外普及していたり簡単に手に入ったりするもの。
 連合いの場合は、カビキラーや片栗粉などが、私の場合は、水撒き用カールホースなどがそうだ。重かったり嵩張ったりすればするほど、後々後悔する度合いが高くなる。だが、消耗品の場合は使い切ってこちらのものを買えばいいし、そうでない場合は、ただそのまま使い続ければいいだけのことだ。

 ホチキスの場合は多少事情が異なった。当然、イギリスにもホチキスがあることは承知していたが、さして重くもないし小さい物なので、荷物の空いている隙間に針(芯)とともに放り込んだのだった。

 1年が過ぎて、針(芯)がなくなり、買いに行った。大抵どこのスーパーでもホチキスの針が売られている。買ってきて箱を開けて、唖然とした。サイズが明らかに大きく、ホチキス本体に入らない。


☆日英で異なるホチキスの針(芯)のサイズ

Stapler_staple そういえば、こちらイギリスで見かけたホチキスはどれも大きかったし、閉じられた針(芯)も大きかったような。日本から持ってきた箱には「No.10」と記されているが、買ってきた箱には「26/6」と表示されている。違うスーパーに買い物に行く度に探してみたが、どれも「26/6」だった。

 このまま「No.10」の替え芯が見つからなければ、持ってきたホチキスが無用の長物になってしまう。そもそも、「26/6」なんて表示を見たことがなかったので、調べてみた。

Stapler_staple_size_1  日本でもいろんな大きさのホチキスが出回っているが、一般家庭で一番普及しているのは、小型ホチキスである。替え芯(針)は10号針(No.10)で、幅(内径)は8.4mm、針足の長さは5mmである。
 ご存知のように中型や大型も出回っており、中型は3号(No.3)、大型は12号の針を使うようになっている。3号針は、幅(内径)11.5mm針足6mm、12号針は、幅(内径)11.5mm針足10mmだそうだ。

 これら、3号針(No.3)や10号針(No.10)という呼び方は、日本工業規格(JIS)で規定されているもので、欧米では一般に使われていない。
 一方、欧米では、「26/6」や「24/6」、「26/8」といった表示が一般的のようだ。

 私が買った「26/6」針の場合、幅(内径)は11.5mm、針の長さは6mm。日本の3号針(No.3)と同じサイズだが、針の太さ(厚み)が違うようだ。3号針に相当するものは、24/6(No.16)というものらしい。

 これらの欧米表示の最初の2桁の数字は針の太さを表し、後ろの1桁の数字は針足の長さを表す。針の太さは、針金の太さの基準(Wire Gauge、ワイヤゲージ)に準じており、「26/6」の場合は、26ゲージの太さということだ。数字は規格に沿った通し番号で、小さいほど針は太くなる。

 つまり、「26/6」は26ゲージ(約0.4mm)の太さの、針足(shank) 6mmの針で、「24/6(=3号針)」よりも細いのである。日本で「26/6」針に相当するものは、「No.35」のようだ。


☆日本は持って、イギリスでは置いて。

Stapler_mini_set  針だけあっても仕方がないので、一時しのぎに、こちらのホチキスを購入した。
 日本では片手にホチキスを持って留める閉じ方が一般的だが、イギリスでは、ホチキスは卓上に置いて使うのが普通のようだ。だから、サイズの大きいものが多い。
 しかし、最近では、5〜6cmほどの手のひらサイズのホチキスも出回っている。小さくても、卓上に置いて使うことを考慮されているのか、安定がいいのが特徴だ。
 

☆便利なリムーバーに、仮とじ機能
 スーパーで購入した小さなホチキスには、ホチキスの針を取るリムーバーまで別に付いて、1.2ポンド(約240円)。

Stapler_remover_1  日本のホチキスの場合は、ホチキスの後ろに小さい突起があって、それをリムーバーとして使ったり、細いペン型(ナイフ型)のリムーバーが使われたりするのが通常だと思う。だから、こんな嵩張るリムーバーなんていらないと最初は敬遠していたのだが、使ってみてその使い心地に感動した。

 日本のリムーバーの多くは、どれもてこの原理で持ち上げるという感じ。それに対して、このリムーバーは、何の原理なのだかよくわからないのだが、ホチキスの逆版といった感じ。針と紙の間にノズルを軽く差し込み、ホチキスのように本体を閉じるだけで、紙を全く傷つけることなく簡単に針がとれるという優れものだ。

Stapler  また、仮とじ機能のついたホチキスも、ごく一般的に出回っているようだ。安いものだと、数百円で購入できる。
 これは、クリンチャーと呼ばれる受け皿の部分を回転させることによって、針を内側ではなく外側に向けて曲げて綴じる仕組み。綴じた後の針が比較的まっすぐになっているため、端を引っ張るだけで簡単に針を外すことができる。

 日本にどれだけ普及しているのかよくわからないのだが、どちらもお見かけの際は是非一度お試しを。

←日本でも割高ですが入手できるようです。(楽天市場)


☆ちなみに。「ホチキス」では通じないのでご注意を

 ちなみに、最近では日本でも、「ステープラー」と呼ばれたりすることがあるので、周知の事実かもしれないが、英語では「ホチキス(ホッチキス)」と言わず、”stapler(ステイプラー)”と呼ばれる。そして、ホチキスの針は、”staple(ステイプル)”、ホチキスで留めることも”staple”という。

 日本で使われる「ホチキス」という呼称は、機関銃とともにホチキスを発明したと考えられているアメリカ人のB. B. ホッチキス(B. B. Hotchkiss)の名前と、その弟が起業したE. H. ホッチキス(E. H. Hotchkiss Co)社の名前に由来する和製英語だそうだ。
 

 さて、肝心な「No.10」の針だが、イギリスにもあるようだ。ライマン(Ryman)などの大型の文房具店に行けば確実に手に入るし、その他の店頭でもごくたまにだが見かけることがある。しかし、中には、No.10と記されていても、大きさの違うものがあるので、ゲージと針足の長さを確かめてから購入したほうがよいようだ。

 しかし、イギリスのホチキスとリムーバーを気に入ってしまった我が家では、「No.10」の針が買い足されることはなかった。今では、日本のホチキスは、ひっそりと引き出しの奥で眠っている。
 

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コメント

仕事柄、たくさんの国からレターをもらいますが、
日本のような繊細な針は少ないと思います。

いずれもろっきぃさんが図示しているような、
しっかりしたやつです。

これはしっかりしていいんですが、コピーを取るために
取ろうとしても指ではとれず、針とり機を使って
取ります。

指でとって書類をぐちゃぐちゃにしてよく怒られます。

事務用品は、日本のが一番繊細でオシャレだと思います。

ホチキスについては、
書類に応じてサイズを使い分けてくれている
事務員さんをみると感動します!

投稿: ぱんちゃん | 2007年1月15日 (月) 20時19分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

私も日本の文具は大好きです。
日本では、ホチキスの留め跡が平らになって、
重ねても嵩張りにくいものや、閉じた状態で固定できて、
携帯に便利なものを、愛用してよく使っていました。
そういうさり気ない繊細な気遣いがされているのが、
日本の文具の良さのような気がします。

イギリスで普及しているものは、文具でも何でも、
一見無骨で不便だけれど、使い出してみると案外
よく出来ており、こちらの文化(暮らし)とうまく
調和している、というのが私の感想です。
だから、個人的には、優劣付け難いですね~w

ホチキスの針を外すのって案外厄介ですよね。
日本の針でも数多く取ったりしていると、
爪が割れてしまったり・・・。
今度、海外の頑丈なホチキスの針に出会った時は、
ご紹介したリムーバーを是非一度使ってみてください。
日本の文化に合っているかは分かりませんが(笑)、
ひょっとしたら、海外のもそれほど悪くないかも
と思われるかもしれませんよw

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2007年1月16日 (火) 01時39分

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