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2006年11月27日 (月)

(な) ナンバープレート NUMBER PLATE

 ナンバープレートといえば、日本では、地名が漢字またはひらがなで載っており、「なにわナンバーは怖い。」とか、「湘南ナンバーはかっこいい。」とか、車種や仕様以外に車を判断するときの材料になったりすることがあるが、イギリスではどうだろうか。

 イギリスののナンバープレートは、アルファベットと数字の組み合わせからなるのが通常だ。多くは7桁。例えば、「A123 ABC」だとか、「AB51 CDE」、「ABC 123A」といった具合だ。日本から来た私達にとっては、このアルファベットと数字が何を意味するのかさっぱりわからない。
 

☆頭の文字は登録年号を表す?
 ある時、知人が、「最初のアルファベットは、車を登録した年号を表すものだ。」と教えてくれた。例えば、「M123 ABC」と「Y123 ABC」の場合、前者は1994年(平成6年)8月から1995年(平成7年)7月までに登録されたもので、後者は2001年(平成13年)の3月から8月までに登録されたものとなり、頭についているアルファベットの順番が後である後者の車のほうが新しいというわけだ。

 じゃあ、「AB51 CDE」などのように、頭のアルファベットが2桁のものは、「Z」で始まるものの次なのか、つまり、アルファベットが足りなくなったから 2桁になったのかというと、少し違うようだ。
 

☆地域と登録時期を表す現行型のプレート
Number_plate_info_1  2001年(平成13年)9月ににナンバープレートの形式が改正されて、イギリスも地域と登録時期が比較的わかりやすいものに変わったのである。

 最初のアルファベット2文字は地域名を表し、次の数字2桁は登録時期を表す。登録時期は前回同様に半年ごとに分けられており、3月から8月までに登録された車はその西暦の下二桁が、9月から翌年2月までに登録された車はそれに50を足したものが割り当てられる。
 例えば、「BA51 CDE」の場合は、バーミンガム(Birmingham)で2001年(平成13年)9月から2002年(平成14年)2月までの間に登録された車ということになる。
 

☆頭か尻か、20世紀のナンバープレート
Number_plate_suffix  では、「ABC 123A」のようにアルファベット3文字で始まる車はどうなるのか。このタイプの車を見て気づくことは、どれもかなりクラシックな感じの車だということだ。

 この場合は、最初のアルファベットではなく、最後のアルファベットが意味を持ち、登録年度を表している。このタイプのナンバープレートは、”suffix number(サフィックス・ナンバー)”と呼ばれている。サフィックス(suffix)とは、「末尾についたもの」という意味。”プレフィックス(prefix、前についた)”と対をなす言葉で、最初に示した「A123 ABC」のようなアルファベット1文字で始まるナンバープレートは、”prefix number(プレフィックスナンバー)”と呼ばれている。

 サフィックスナンバープレートは1963年から1983年(昭和38年から昭和58年)までに登録された車に、そして、プレフィックスナンバープレートは1983年から2001年(昭和58年から平成13年)までに登録された車に付けられているナンバープレートなのである。
 

☆時代別、3種類のナンバープレート
 つまり、最初のアルファベットが1個の場合は、昭和の終わりから5、6年前までに登録された古い車で、アルファベットの順が早いほど古い車ということ。最初のアルファベットが2個の場合は、ここ5、6年の間に登録された新車で、比較的簡単に地域がわかる車だということ。そして、最初のアルファベットが3個の場合は、昭和の半ばから昭和の終わりまでに登録された骨董品で、末尾のアルファベットの順が早いほどより古いということが、「おおよそ」言えるのである。

 「おおよそ」と書いたのは、例外があるからだ。ナンバープレートがイギリスで導入されたのは1903年(明治35年)のこと。初期のナンバープレートは、「A1」といったように、1文字のアルファベットの後に数字がくるものだった。車の普及につれて、このような単純な文字と数字の組み合わせでは足りなくなり、次々とナンバープレート制度が変わっていったのである。だから、上記の3種に当てはまらない「A123」や「56ABC」などの年代もののプレートも存在する。
 「昭和最後の車ですら 18年ものの超中古車なのだから、それ以前のナンバープレートを付けた車なんて走ってないだろう。」と思われるかもしれない。しかし、実際に走っているし、最近購入されたらしき新車にもサフィックスやプレフィックスのナンバープレートがついていたりするのである。
 それは、バニティプレート制度があるからだ。
 

☆お好きなナンバーをどうぞ。バニティプレート制度
Number_plate_vanity  アメリカの映画などで、「LOVE」や「2BWITHU (To be with you、いつも一緒に)」、「QT PIE(cutie pie、かわい子ちゃん)などの語呂合わせや、個人の名前などを記したナンバープレートをつけた車を目にした方もおられると思う。これらのナンバープレートは、バニティプレート(vanity plate)と呼ばれ、車の持ち主によって数字や文字が選ばれているのである。

 庶民の私には縁がなく、ずっと知らなかったのだが、実はイギリスも、このバニティプレート制度が英国運転免許庁(DVLA)によって認められている。イギリスでは、”Personalised Registrations(個別登録)”と呼ばれている。
 日本でもナンバープレートの希望ナンバー制度が1999年(平成11年) 5月から導入されて、下四桁の数字が自由に選べるようになった。語呂合わせや連番でで人気のあるナンバーは抽選になるとしばしば聞く。

 イギリスの場合は、それどころではない。現在使われていない好きなナンバープレートをDVLAから購入することができるのである。そう、ナンバープレートを買い取るのである。個別ナンバープレート登録サイトに入って、希望のナンバーを入力すると、在庫があれば、販売金額が表示される。最低は、250ポンド(約5万円)から。

 試しにやってみたが、例えば「AB53ABB」の場合は499ポンド(約10万円)、「AB53ABY」の場合は3999ポンド(約80万円)だった。ご丁寧に車種を指定して車に取り付けた画像まで見せてくれる。そのDVLAの個別登録のサイトはこちらからご覧になれます(英語)。
 

☆高額なナンバープレート
 DVLA以外にも民間の会社がナンバープレートの売買を仲介しており、また、オークションも行われている。やはり、名前や語呂合わせのものが人気があるようだ。「UGO 2HEL(you go to hell,、地獄に落ちろ)」が12万ポンド(約2千4百万円)で売られていたり、「K1 NGS(kings、国王)」が23万ポンド(約5千6百万円)で買い手がついた例が紹介されていたりする。

 もちろん、どの組み合わせでもOKなわけではなく、一応ルールがある。1と紛らわしい「I」の文字や、年数のわからない改造車に付けられる「Q」の文字を使っていないこと、現在他の車に使われていないものであることが必要である。
 また、実際の車の年数よりも新しいものを取り付けてはいけない。例えば、現在、「R123 ABC」(1997~8年)の人は、「P123 ABC」(1996~7年)や「STU 123G」(1968~9年)などを付けてもかまわないが、「S123 ABC」(1998~9年)や「AB51 ABC」(2001年)などは付けれない。

 これらのルールさえ満たしていれば、財力で好きなナンバープレートを手に入れることができるのである。まさに、金持ちや車好きの道楽といった感じなのだろうか。
 
 1902年(明治34年)に登録されたナンバープレート「M1」が、ロシア出身の石油王であり、イングランドのサッカーチームのチェルシーを買収したことでも有名なロマン・アブラモヴィッチによって、2006年(平成18年)7月に33万千5百ポンド(約6千6百万円)で入札されたのも新しい話。彼はその前に、1979年(昭和54年)にローマ教皇ヨハネパウロ2世がアイルランドに訪れたときに登録した「VIP1」のプレートを28万5千ポンド(約5千7百万円)で落札している。
 

☆プレート泥棒にご注意
 高額を出して買う人がいれば、こっそり盗む人もいるのが世の常。イギリスでは、主に車の偽造(偽登録)の目的でナンバープレートの盗難が横行しており、2006年(平成18年)5月のBBCニュースによると、年間3万3千枚以上のナンバープレートが盗まれ続けているという。対策として、政府は、無理やり車から取り外すとボロボロになって使えなくなるナンバープレートを導入する予定だそうだ。日本のナンバープレートのような封印制度ではだめなのだろうか。 
 

☆ユーロプレートをつけた車も
Number_plate_euro  また、イギリスでは義務ではないが、EU加盟国だけあって、ユーロプレート(EURO plate、European vehicle registration plates)を付けている車もある。ユーロプレートとは、青地に12個の黄色の星からなるEUの旗のシンボルマークと各国名を表すアルファベットが左端に付いたプレートで、イギリスの場合、GBと印されているのが通常のようだ。
 

☆一台の車に二種類のプレートが付いている?
Number_plate_fr  イギリスと日本のナンバープレートの違いはそれだけではない。
 日本のナンバープレートは、地名の後の数字は車体の大きさを表し、ひらがなやその色、プレートの色によって、その車がレンタカーか、自家用車か、業務用か、軽自動車かがわかるようになっている。例えば、レンタカーには「わ」や「れ」のかな文字が使われており、一般用の車は白地に緑文字で、業務用は緑地に白文字。軽自動車は事業用を除いて黄色地に黒文字で記されている。
 しかし、イギリスではそのような区分けはなく、どの車も、前は白のプレート、後ろは黄色のプレートをつけている。

 もちろん、いくつか例外はあって、実際に見たことはないのだが、大使館の車や国際組織の車には、3桁の国番号(組織番号)、「D」および「X」、3桁の身分番号からなるナンバープレートが適用されているそうである。

 また、日本の皇室の車(天皇御料車)には、「皇」の文字と数字が記されたナンバープレートがつけられているが、イギリス王室の公用車にはナンバープレートが付けられていない。私用として使われるものには付いているそうだが。その画像はこちらのイギリス王室のサイトでご覧になれます(英語)。
 

 
 日本人の中に湘南ナンバーをかっこいいと思う人がいるのと同じように、もちろん、地域を示すアルファベットの入った現行のナンバープレートから、ある種のイメージを思い浮かべることができるイギリス人もいるにはいるかもしれない。しかし、それよりももっと端的に、イギリスのナンバープレートは、その人のこだわりやユーモア、そして経済力を表すものになりつつあるようだ。

 ちなみに、ナンバープレート(number plate)というのはイギリス英語で、アメリカでは”license plate(ライセンスプレート)”というのだそうだ。
 

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