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2006年10月16日 (月)

(た) タオル TOWEL

☆どっちがハンドタオル?
 渡英して1年目の初夏のこと。日本から母が泊まりに来ることになった。日帰りの来客は、国籍を問わず多々あったが、我が家に宿泊する最初の客である。慌てて、寝具やらタオルやらを買いにいった。

 自分達用のタオルは日本から持って来たものを使っていたので、イギリスでタオルを買うのはこれが初めてだった。バスタオルに、中ぐらいのタオルに、ミニタオルなど、いろいろ物色していて、ふと気が付いた。

 「ハンドタオルとフェイスタオルの商品札が間違ってるのでは?」

 ご存知のように、タオルにはちゃんとした規格はないものの、大体のサイズと用途によって名前が違う。バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオル(ウォッシュタオル)、スポーツタオル、タオルハンカチなどなど。

 日本では、「バスタオル」は、入浴後に体を拭くのに使う大きいタオル(大体 50~75cmX100~140cm)、「フェイスタオル」は、一番よく普及しているサイズ(大体 30~35cmX70~90cm)の、よくタオルハンガーにかかっている、洗顔後に顔を拭いたり、入浴時に体を洗ったりするのに使われるタオル、そして、「ハンドタオル(ウォッシュタオル)」は、おしぼりサイズの小さなタオル(30~35cmX30~45cm)で手を拭くのによく使われるものという感覚が一般的であるように思う。

 私がイギリスで手に取ったタオルは、バスタオルは大体同じ大きさなものの、中ぐらいのサイズのものに、”hand towel (ハンド・タオル)”という札が付けられ、おしぼりサイズのものに、”face cloth (フェイス・クロス)”という名札が付けられていた。それで、「ハンドタオルとフェイスタオルが逆なんじゃないか?」と思ったわけである。

 しかし、商品札の記載はもちろん正確で、これらのタオルの呼び名と使い方が日本とイギリスで違っていたのである。
 

☆イギリスのハンドタオルは、濡らすと大変
Towel  ”hand towel(ハンドタオル)”は、その名のとおり、手洗い後に使うタオルである。50cmX70~90cmと、日本のフェイスタオル(30~35cmX70~90cm)に比べて幅広。厚みもバスタオルと変わらない。
 ホテルなどで経験された方もあるかもしれないが、このタオルで体を洗うのはかなり困難だ。タオルが大きく厚いため、なかなか泡立たないし、絞りにくい。しかし、逆に、手や顔をを拭くタオルとしては大きさも厚みも申し分なく、使い勝手がいい。
 イギリスの”ハンドタオル”は濡らして使うものではなく、乾いた状態で使うものなのである。

 
☆イギリスのフェイスタオルは、洗うため
 一方、”face cloth(フェイス・クロス)”は、顔を拭くタオルではなく、顔を洗うタオル。正確にいうと、入浴時に顔や体を洗う時に使うタオルである。濡らして使うタオル。アメリカ英語では、”wash towel(ウォッシュタオル、直訳「洗いタオル」)”というそうだ。大抵30cmX30cm。まさに日本のハンドタオルの大きさである。

 私は、ナイロンタオルやスポンジが嫌で、子供の時から一人だけ、日本のハンドタオルを使っていた。フェイスタオルでなくハンドタオルを選んだ理由は、フェイスタオルでは大きすぎるためだった。その頃は、体が比較的柔らかく、背中に簡単に手が届いたというのも理由の一つかもしれない。ハンドタオルは小さいので泡立ち泡切れがよく気に入っていた。
 そういう事情なものだから、フェイス・クロスというお手拭サイズのタオルで体を洗うこの国の人達の習慣には全く違和感を感じず、むしろ共感してしまうのだが、他の日本人はどう感じるのだろうか。

 最近はだいぶんよくなってきたが、この国の石鹸やボディソープは泡立ちが悪いものが多い。また、浴槽で使う場合も多い。イギリスでは、小さなタオルで体を洗うのは、理にかなったことのかもしれない。
 もちろん、スポンジやブラシ、素手を使って洗っている人も多くいるが。
 
 
☆バスタオルやバスシート
 バスタオルの大きさは、日本とやや同じ70cmX115~150cmのようだ。大抵、タオル売り場には、小さいフェイスクロス、中ぐらいの”ハンドタオル”、大きなバスタオル、そして特大のバスシート(bathsheet)が置かれている。大体100cmX150~200cmで、小柄な私達にとっては、小さめのタオルケットやタオルシーツとして使えるようなサイズ。しかし、この国の体格の大きな人にとっては、風呂上りに使うタオルとしてちょうどいいサイズのかもしれない。
 

☆紅茶タオル?
 その他、ティータオル(tea towel)というのもある。これは、日本のキッチンタオルに相当するものだ。「ティー(紅茶)タオル」という名前が、紅茶好きのイギリスという感じがする。アメリカ圏では、ディッシュタオル(dishtowel)と呼ばれている。
 どれも食器を拭くのに使うタオルである。ただ、イギリス人のティータオルの使い方は、かなりダイレクト。洗剤液に漬けた食器の水分をティータオルでぬぐう。最近は食器洗い機を使う家も増えているので、ちゃんとすすがれているのかもしれないが、基本的に、洗剤が付いているほうが清潔と考えられているようである。入浴も同様にすすがずにタオルでぬぐう人がいまだに多い。

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☆タオルの洗濯回数は?
 日本では、バスタオルやキッチンタオルを毎日や数日に1回洗う家がかなり多いようだが、こちらでは、もちろん人によるが、1週間に1度程度の人が多いようだ。これは、推測するに、気候や入浴の習慣によるものかもしれない。
 この国は、1年を通して日本のように湿度が高くなく、また、2日に1回風呂に入る人もまだまだ多く、バスタオルを共有するという習慣もない。だから、タオルを頻繁に洗う必要性をあまり感じないのだろう。それとも、ひょっとしたら、拭った際に付いた洗剤の効果で雑菌が繁殖しにくいと考えられているのかもしれない。日本人はきれい好きというのもあるのかもしれないが。
 

☆日本のタオルはイギリスから
 タオルが最初に作られたのは、1811年(文化8年)のフランスで、最初は絹のタオルだったそうだ。イギリスはもとは毛織物の産地であったため、羊毛で作られたタオルを使っていたそうだが、産業革命のきっかけとなった綿工業が盛んになることにより、1848年(嘉永元年)、イギリスで、初めて綿のタオルが作られたそうだ。
 日本にタオルが輸入されたのは、イギリスからで、1872年(明治4年)のことだったそうだ。その頃の日本は薄い手ぬぐいが主流だったため、タオルはマフラーとして使われたのだとか。
 

 冒頭の話に戻って、客人用に買い揃えたタオルは、分厚く、毛羽立ちがひどいという理由で、母には気に入られず、結局、最後には、普段、私達が使っている洗いざらしのやや薄手の日本製フェイスタオルを貸すことになった。
 

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コメント

我が家にもティータオルが何枚もあります。たぶん両親がイギリスから持って帰ったもの。

かご収納の上にかぷせたり、テーブルの上に小さいクロスとして使ったり。ごわごわしてるんで拭くよりも飾りによいなと思います。くたくたになったら台ふきんにしてますが。

柄がたくさんあってかわいいですよね。
日本ではナショナルトラストの店とかで売ってますね。
でもなんでタオルのくせにあんなに吸水性がないんだろう。

投稿: ぱんちゃん | 2006年10月18日 (水) 20時23分

ぱんちゃん、コメントありがとうございます。

きっと、ご両親は、伝統的なものを持ち帰られたのですね。
日常的に使われるものは、今ではかなり実用的な柄や素材のような気がします。

我が家のティータオルも、スーパーブランドの、どこにでもありそうなものですが、ワッフル調の綿(コットン)素材なので、吸水性は悪くないです。柄がいまいちなので、飾りには使えそうにありませんがw
日本のフェイスタオル(手ぬぐい)に近いサイズなので、むしろ体を洗うのに使えそうな感じです。

投稿: ろっきぃ(管理人) | 2006年10月19日 (木) 18時17分

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