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2006年9月28日 (木)

(く) 黒砂糖 MOLASSES, DARK MUSCOVADO

☆黒砂糖を探して
 日本に住んでいるときに、毎日のようにあんみつを食べていた時期があった。黒砂糖から手軽に黒蜜が作れることを知ったのがきっかけだった。少しずつ熱は冷めていったものの、今でも大好きな和のデザートの1つである。イギリスに来てからも時々食べたくなる。

 黒砂糖(黒糖)を辞書で引くと”brown sugar(ブラウンシュガー)”となっているが、その名前であの黒砂糖を探してもなかなか見つからない。
 

☆まさに黒砂糖の味!モラセス
 あきらめきれず、スーパーの砂糖コーナーを隅から隅まで探したところ、”Unrefined Molasses cane sugar(未精製"モラセス"糖)”というものを見つけた。パッケージに載っている砂糖の色もこげ茶色で、まさにという感じ。「モラセス」というのが何かわからないけれど、ものは試しと思って買って使ってみた。Molasses_dessert

 中はパッケージと同じ濃い褐色で、しっとり且つキメの荒い砂糖である。早速黒蜜を作ってみた。あんみつにしてみたが、連合いも私も大満足。これぞ黒蜜!これぞ黒砂糖!それからというもの、黒蜜だけでなく、黒砂糖の代わりとして、カレーやシチューのコクを出したいときや、お菓子作りに利用している。

 でも、頭の片隅に何かがひっかかっていた。「モラセス」という名前だ。パッケージにはちょっと大きめに書いてあったので、商品名のようなものだろうと思いつつも、念のために調べてみた。
 

☆モラセス≒ 黒砂糖 - 精製糖
Molasses_refine  モラセス(molasses)とは糖蜜(廃糖蜜)のことだそうである。
 サトウキビから絞った糖液は結晶化され、「結晶(糖分)」と「残りのもの」に分けられる。前者の「結晶」は、その後、精製されて、私達のよく知っている上白糖やグラニュー糖になる。

 モラセスは後者の「残りのもの」にあたる。つまり、糖液から結晶(糖分)を取り除いたもののことらしい。糖分を取り除いたとはいえ、完全に結晶化・分離できるわけではない。だから、モラセスにも砂糖やその他の糖が50%ほど含まれており、甘みがあるそうだ。実際、十分に甘い。

 一方、黒砂糖とは、サトウキビから絞った糖液をそのまま煮詰めたもので、基本的に全く精製していない。
 だから、大雑把に言ってみれば、「黒砂糖 - グラニュー糖=モラセス」という感じ。モラセスは黒砂糖のコクや風味を濃くしたようなものと考えてよいかもしれない。
 

☆「究極の黒い砂糖」
 モラセス(糖蜜)は、一般には液状のものを指すことが多いようだが、私が購入したものは煮詰めてあるのか、しっとりした固形だった。液状のものは、ゴールデンシロップで有名なライル社から、”Black Treacle(ブラック・トリークル)”という名前で売られ、親しまれている。こちらのほうはまだ試していないのだが、黒蜜の味がするのだろうか。

 モラセスは厳密な意味では黒砂糖ではなかったものの、黒砂糖の代わりとして充分使える。黒砂糖に含まれているカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルもたっぷりだ。
 砂糖製造会社であるBillington's社からも、「究極の黒糖」と呼ばれており、クリスマスケーキや大人のチョコレートケーキ、エスニック料理にも最適だそうである。
 

☆本当の黒砂糖は? 
Molasses_brown_sugars_1  では、本当の黒砂糖は? Muscovado(ムスコバド、ムスカバド?)という砂糖が黒砂糖にあたるものだそうである。

 しかし、黒砂糖と同じようにサトウキビから絞った糖液を煮詰めたムスコバドもあるものの、糖液を結晶化して液状のモラセスを除いたものや、製品によっては、普通の精製された砂糖に糖液(又はモラセス)を多く加えたものがムスコバドとして販売されていたりすることもあるようだ。
 だから、ライト・ムスコバドやダーク・ムスコバドという製品が存在する。黒砂糖の味がするのは、未精製(unrefined)のダーク・ムスコバド。

 イギリスでは、ムスコバドは、ブラウンシュガーと同じように、ケーキやクッキーに入れたり、タフィーソースに使ったり、チャツネのコクを出すのに使ったりされているようである。
 

☆ブラウンシュガーではダメ?
Molasses_brown_sugar_cake  ちなみに、ブラウンシュガーとは、普通の精製された砂糖にモラセスを加えたものだそうだ。
 モラセスの含有量はだいたい3~7%のようだ。モラセス含有量の少ないものは色の薄い”light (soft) brown sugar(ライトソフトブラウンシュガー)”になり、比較的多いものは、”dark soft brown sugar(ダークソフトブラウンシュガー)”と呼ばれる。
 これらの、精製砂糖がベースになっているものは、黒砂糖風の味がするものの、黒蜜などにするには、ちょっと物足りない感じがする。

 別名コーヒーシュガーと呼ばれる褐色のグラニュー糖も、ホワイトシュガーに対する言葉として、ブラウンシュガーと呼ばれることがあるが、これは、デメララ(demerara)という名で売られている。
 

☆我が家の結論
 確かに、未精製のダーク・ムスコバドのほうが、塩味が強く、沖縄産などの黒砂糖の味に近いような気もするのだが、黒蜜にしたり、黒かりんとうなどのお菓子にしたりするには、モラセスのほうがより適している感じがする。
 写真でお見せした4種の黒い砂糖がのった皿も、いつの間にか、モラセスの部分を中心に、連合いという名のカブトムシの食害に遭っていた。

 モラセスとダーク・ムスコバド、そして日本の黒砂糖が同時に手に入った方は、是非、食べ比べた感想をお聞かせください。

←ちょっと見かけが違うようですが、日本にもあるようですね(楽天市場)
 

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