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2006年8月28日 (月)

(こ) 硬水 HARD WATER

☆イギリスではおいしい日本茶が飲めない?!
Hard_water_tea  イギリスにやって来て、日本茶がおいしく入れれないことに気が付いた。いつも日本で飲んでいたものなのに、表面に膜がはり、色も違う。味も香りも味気なく、のどごしも悪い。全く別のもののよう。

 これは、水の硬度のせいだった。日本の水は軟水なのに対して、イギリスの水は硬水だ。軟水と硬水の違いは、水に含まれるミネラルの含有量の違いである。この場合のミネラルとは、カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)。

 硬水に含まれる大量のカルシウムが、日本茶の中にわずかに含まれるシュウ酸と反応して、不溶性のシュウ酸カルシウムになり、日本茶の味を損ねていたのだ。
 軟水に替えたところ、見違えるようにおいしくなった。日本で飲んでいたのと同じ味わい。
 

☆硬水か軟水か見分けるには?
 英語でも、硬水はハード・ウォーター(hard water)、軟水はソフト・ウォーター(soft water)と呼ばれる。イギリスにはいろいろなミネラルウォーター(ペットボトルの水)が売られているが、硬水か軟水かが表示されているわけではない。

Hard_water_indication では、どうやって、素人の私が硬水か軟水かを見分けることができたのか。それは、表示されているカルシウムとマグネシウムの量から、水の硬度を計算することによってである。

 国によって多少計算が違うけれど、1リットルあたりのカルシウムのmg数に2.5を掛けたものと、同じく1リットルあたりのマグネシウムのmg数に4を掛けたものの合計が硬度として算出される。
 式で表すと、硬度(mg/l) = [Ca(mg/l)] X 2.5 + [Mg(mg/l)] X 4 
 世界保健機構(WHO)によれば、硬度が0以上60未満を軟水、60以上120未満を中程度の軟水、120以上180未満を硬水、180以上を非常な硬水とされている。
 

☆日本は軟水、イギリスは硬水
Hard_water_distribution_1  日本の殆どの地域は硬度が50未満の軟水である。それに対して、イギリス、特にイングランドの多くの地域の水は硬度180以上のの硬水。フランスなどのヨーロッパの多くの国も硬水が多い。市販のミネラルウォーターも同様だ。

 もちろん、例外もある。例えば、日本でもお馴染み、フランス産のボルヴィック(volvic)は硬度49の軟水。イギリスでも、スコッチウィスキーが名産のスコットランドの水も軟水だし、探せば簡単に、イギリス産の軟水のミネラルウォーターを見つけることができる。
イングランドとウェールズの水の正確な硬度分布に関しては、こちらのイギリスの飲料水検査団(?)のDWIのサイトをご覧ください。
 

☆硬水のデメリット
 硬水のデメリットは、まず、冒頭の例のように、日本茶をいれるのには向いていないほか、を炊いたり、カツオや昆布の出汁(だし)をとるのにも適していないこと。知り合いで、イギリスで食べるご飯はおいしくないと言っていた人がいたが、軟水に替えたところ、同じ米がおいしくふっくらと炊き上がったそうだ。豆などを軟らかく炊きたいときにも向いていない。また、ハーブティーも、好みが分かれるかもしれないが、硬水より軟水で入れたほうが、色鮮やかに香り濃く入れることができる。

 そして、硬水の何よりも厄介な点は、洗剤や石鹸などの泡立ちが悪いことである。汚れ落ちが悪く、肌を傷めるもとになる。そして、カルシウム分が多いため、水が付いたところが乾くと石灰石が析出するのである。放っておくと、一日で、洗面台や水道蛇口、そして肌までもが粉をふいたように真っ白になってしまう。水場の掃除には、ライムスケールリムーバーという石灰石専用の洗剤が欠かせない。

 現地の人でもやはり気になるようで、皆が使っているかどうかはわからないが、スーパーの洗濯洗剤コーナーやDIYショップに、硬水を軟水に換えるソフトナーや、水道管に取り付けるカートリッジが置かれているのを見かける。飲料用には、硬度を和らげる効果もある置き型浄水器、ブリタが各家庭で活躍しているようだ。

 では、硬水より軟水のほうが優れているのか、硬度が低ければ良質の水なのか、というとそうではなく、硬水にもいい点がいくつかある。
 

☆硬水のメリット
 まず、肉の灰汁(あく)がとりやすく、肉の臭みを押さえやすいということが挙げられる。こちらの水で肉をゆでると大量の灰汁が出てくる。最初は、肉のせいかと思ったがそうではなく、水の硬度のせいのようだ。マグネシウムを多く含んでいるせいか、煮込み料理も煮崩れしにくく、おいしく仕上がるような気がする。

 そして、硬水は、腸を刺激するため、便通がよくなり、ダイエットにいいそうだ。また、ミネラルを多く含んでいるので、ミネラル補給、カルシウム補給にも役立つらしい。また、イギリスのBBCニュースによると、硬水を飲むことによって心臓病の率が減るかもしれないとのことだ。
 

 そのまま飲む場合には、最終的には、のどごしなどの好みの問題なのかもしれない。ただ、イギリスの水道水をそのまま飲むことだけは、衛生上、止したほうがいいように思う。
 

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