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2006年5月 8日 (月)

(な) 生クリーム FRESH CREAM

 イギリスの生クリームは、シングル(single)、ダブル(double)、ホイップ(whipping)に分かれて、 用途や好みに応じて使えるようになっている。サワークリーム(soured cream)や、クロティッド・クリーム(clotted cream、固形クリーム)も普及している。

☆脂肪分で使い分け?
 この場合の「シングル」、「ダブル」というのは、容量のことではなくて、脂肪分をさしている。Fresh_cream
 シングルクリームは、脂肪率が約18%の軽いクリームで、日本のコーヒーフレッシュに近い感じ。
 それに対して、ダブルクリームはそれよりも乳脂肪濃度の高い(約48%)、こってりしたクリームである。シングルクリームと違って、温めても分離せず、ホイップすることも可能だそうで、用途が広く、よく使われている。日本の生クリームに一番近いものだと思う。

 ホイップクリームは、その名のとおり、泡立てに適したクリームである。脂肪分は 35%ほど。泡立て済みのスプレー缶タイプもある。
 一応、ダブルクリームもホイップできるということになっているが、ブランドにもよるようで、一度、連れ合いがダブルクリームを泡立ててうまくいかなかったそうだから、うちはホイップ用にはホイップクリームを使うようにしている。
 

☆サワークリーム、クロティッドクリーム Fresh_cream_soured_etc
 サワークリームは、生クリームを乳酸発酵させたクリーム。酸味があり、爽やかなので、普通の生クリームの代わりに使ってお菓子の風味を軽やかにしたり、刻んだチャイブ(ねぎの一種)を入れてディップにしたり、料理のトッピングクリームにしたりする。焼いた皮付きのジャガイモ(jacket spud)の間に挟んでもおいしい。

 アメリカ英語では、”sour cream(サワークリーム、酸っぱいクリーム)”と呼ばれるが、こちらでは、”soured cream(サワー・クリーム、酸っぱくさせたクリーム)と呼ぶ。
 味は確かに違うのだけど、サワークリームも、ヨーグルトの一種のグリークヨーグルトもどちらも、脂肪分が高い発酵乳。サワークリームが手元にないときは、グリークヨーグルトを使うのも手かもしれない。

Fresh_cream_thick_ones また、クレーム・フレッシュ(Crème fraîche)というフランスのサワークリームもよく店頭に並んでいる。クレーム・フレッシュは、イギリスのサワークリームの倍の濃さで、リッチな味わいが特徴。言わば、普通のサワークリームが発酵版シングルクリームだとすると、クレームフレッシュは発酵版ダブルクリームといった感じ。
 サワークリームの代わりに使えるほか、脂肪分が約30%と高く加熱しても分離しにくいので、スープやソースに使うこともできる。こちらでは、今やスーパーブランドのものまで出ているくらいメジャーになっているが、入手できない場合は、サワークリームに濃い生クリームを混ぜるといいのだとか。
 ちなみに、クレーム・フレッシュとは、フランス語で「生クリーム(fresh cream)」という意味だそうだ。

 クロティッド・クリームは、柔らかいバターのような黄色っぽい色のクリームである。 クロティッド(clotted)とは、「凝固した」という意味。イギリス南西部のデボン(Devon)やコーンウォール(Cornwall)が産地であるため、デボンシアクリーム(devonshire cream)と呼ばれることもある。
 通常のクリームの水分を蒸発させて作られ、脂肪分が55%以上と非常にこってりしている。無塩のソフトバターのような感じなので、そのまま食べるにはかなりきついが、パンに塗って食べるとおいしい。こちらでは、アフタヌーンティーの時にスコーンにつけて食べたり、アイスクリームに使われたりしている。
 

☆特濃なのは舌触り 
Fresh_cream_extra_thick イギリスには、”extra thick cream (エスクトラ・シック・クリーム)”というものがある。直訳すると、「特濃クリーム」。普段から店頭に置かれているが、特に、クリスマスになると、クリスマスプディングに添えるためにこのクリームを買いあさる人達を多く見かける。
 「特濃」なのだから、脂肪分が非常に高い脂っこいクリームなのだろうと思って、ずっと敬遠してきたのだが、実はこれ、「脂肪分が特濃」なのではなくて、「舌触り、質感が特濃」で、通常の流動タイプ(pourable)と全く同じ成分だそうだ。
 違うのは、製造方法。ご存知のとおり、生クリームは、牛から絞られた牛乳の上にできる脂肪の層を集めたものであるが、低温殺菌後、通常の流動タイプは、ゆっくりとかき混ぜながら冷やされるのに対して、「特濃(extra thick)」クリームは、かき回されずに急速に冷やされるため、しっかりとした舌触りになるのだそうだ。なので、「特濃(extra thick)」なのだけど、ちゃんと、シングルとダブルの両方がある。
 

☆お手ごろ感覚 
 普及しているだけあって、生クリームはどれもおいしく、そして、とても安い。150mlほど入ったものが、シングル 0.3ポンド(約60円)、ダブル 0.5ポンド(約100円)、ホイップ 0.33ポンド(約70円)、サワークリーム 0.4ポンド(約80円)、クレーム・フレッシュ 0.6ポンド(約120円)、クロティッド 0.8ポンド(約160円)。「特濃」タイプは300ml弱入ったものが、シングル、ダブルともに0.9ポンド程度(約180円)。
 日本のように牛乳パックのような入れ物に入っているのではなく、小さめのヨーグルトのような入れ物に入っている。こちらの牛乳のパックのように色分けされており、大体、シングルは赤、ダブルは青、ホイップは緑、サワークリームは紫のようである。
 牛乳と同様にスーパーブランドが主流のよう。大抵のものは低温殺菌なので、開封後は3~5日以内に使い切るように表示されている。
 

☆イギリス人は生クリームが大好き? 
 日本で生クリームを使う時というと、コーヒーや紅茶にに入れたり、ババロア、アイスクリームなどの冷たいデザートに使ったり、ケーキのデコレーションに使ったりするぐらいではないかと思う。あと、パスタのクリームソースぐらい。牛乳の代わりにクリームシチューやグラタンなどに入れると、コクがでるが濃すぎるように思うことも多々。

Fresh_cream_and_fruits こちらでは、生クリームは本当によく使われる。料理番組のレシピはいつもこればっかりじゃないかと思うぐらい、みじん切りにした野菜をバターで炒め生クリームを加えたソースが頻繁に登場しているし、お菓子ではないタルトやパイの中にも入っている。

 また、イギリスのお菓子であるトライフルには大量の生クリームはかかせないし、フルーツケーキやチョコケーキ、クランブルやプディング横に大量のホイップクリームや「特濃」クリームが添えられていることもしばしばである。ホームパーティでも、サマープディングが盛られた皿とともに、ボール一杯の生クリームがまわってきてびっくりした記憶がある。

 これらの生クリームの入った食事を濃厚でおいしいと感じるか、ちょっとヘヴィ(濃い)と感じるかは民族性の違いなのかもしれないが、これらに含まれる大量の脂肪分が体に影響するのは間違いない。

 
 うちは一番小さい100ccほどのものがあれば1週間はもつのだが、スーパーに行くと500ml以上入ったパックを3~4個、ドデンと買う人達をよく見かける。最初は大家族かイベントの買出しかと思っていたが、どうやら皆さん少人数で日常的に消費しているらしい。こちらの人の胃袋にはいつも驚かされる。
 

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コメント

今日、カフェでショートケーキを食べました^^
生クリームは大好きなんだけど、普通のケーキより
たっぷりと生クリームが付き過ぎていて
最後はちょっと気持ち悪くなりました~(涙)

やっぱり、「もうちょっと食べたい」くらいで
やめとくのがいいですね!

P.S.今日も玄米炊きました。オコゲが適度にあって
美味しく炊き上がりましたよ^^

投稿: ふみ | 2006年5月11日 (木) 21時55分

はじめまして!
日本の生クリームにあたるのがどれか知りたくて、検索してみたらたどり着きました。
いろいろと勉強になりました~!!

また、お邪魔させていただきます☆

投稿: nako★ | 2008年11月22日 (土) 03時31分

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